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詩集擬き  作者: 針山
103/355

灰茶色(せぴあいろ)



貴方の名前を何度も読んだんだ

声が枯れて掠れてしまって

太陽と月が交互に様子を見に来ても

猫と犬が庭をかけて休んで丸くなって眠っても

ずっとずっと叫び続けていたんだ

想いが思いに負けそうになるくらい

遠くの昔のことで

想いが思いに変わるくらい

昨日のことだった

貴方が瞳に入った瞬間から

ずっと背中を探していた

街を歩いて映るガラスに

窓ガラスに向けた視線の先に

いつまでも消えない傷みたいに

跡を探して後を見て

痕になっても見続けた

それでも

あれだけ輝いていた後ろ姿が

今では綺麗なセピア色に変わっていく

何度も呼んだ名前さえ

呟き囁くようにしか言えなくなった

いつか二人で歩こうと

約束した場所を一人で歩いて

いつか二人で来ようと

約束した場所を一人で見る

消えないでと泣いた夜さえも

微笑んで思い出せてしまって

いつかまたなんて

知らない未来を思い続けて

誰かの居場所にやってきた

もう見えない貴方の笑顔を抱き続けて

鮮やかな白黒に変わる貴方を

思い出していく

変わらなぬ思い出として

抱き続けながら



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