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『28番』  作者: コアラ
12/36

『時速60km』

(ダメだ!追いつかれる)

奴の頭の銃痕はすでに何事も無かったかのように治っており、猛然と向かってくる。

29番に追いつかれたと同時に裏拳が俺の顔面を真正面から捉えた。


ドゴォンッ!!

「ぐおっ!」


「青島さん!!」

俺は交通事故にでもあったかのように吹き飛ばされ、駐車場に停まっていた車に激突した。

車は凹み、耳障りな防犯アラームが鳴り響く。

(首超いてぇ〜)

「バケモノがぁ!」

物凄い目眩と吐き気の中、拳銃を半狂乱で29番の腹や脚に叩き込むと、

派手に転倒した。

(今のうちだ!)

ガクッ

「あれ?」

先程の裏拳の衝撃が全身に回り脚が言う事聞かない。

(鼻血も止まらん……頭がガンガンする)

そうこうしているうちに29番は再生を終え立ち上がる。


その時、耳鳴りが激しくなり、沙夜ちゃんがやつを念力で吹き飛ばした。

2mの巨体が紙くずのように遠くへ吹き飛んでいった。

「げえええ!」

沙夜ちゃんは疲労からその場で激しく嘔吐した。

「また吐いちゃいました……」

俺は駐車場の型落ちのボロ車を見つけ、窓を叩き割りロックを外した

「沙夜ちゃん!乗れ!」

俺は扉を開けると沙夜ちゃんは車内へ滑り込んだ。

俺はスターター部分を叩き壊し、直結でエンジンをかけ、アクセルを踏み込む。

やつは起き上がり走って追ってくる。

が、40……50km…まだしつこく追ってくる。

(おいおい、世界記録より断然速いぞ……!)

スピードが60kmを超えたところでようやく引き離すことに成功した。

しばらく車を飛ばし、姿が見えなくなったところで緊張が解け、呼吸を忘れてた事に気づく。

「はぁはぁ、あいつ、なんだったんだ?!」

「に、29番、私がいた、施設の改造人間です……でも、何かに阻まれ超能力の効きが弱かったです……」

「実験体って超能力だけじゃないの?」

「はい……改造人間も作ってました。……29番は特に凶暴でした……」

(おいおい、初耳だぞ……うちの会社よりブラックじゃん……)

とにかく車を手に入れた。このまま沙夜ちゃんの故郷まで走れるといいが、俺の嫌な予感はまだ続いていた。

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