最終話 新しい日常
数年後。
アルドリア王国は大陸一豊かで、かつ国民の幸福度が高い国となった。
午前10時。
王宮の庭で、レオンハルート三世がのんびりと読書をしている。
「陛下、本日のスケジュールです」
「午後1時:外国使節との午餐会(60分限定)」
「午後3時:政策承認(書類は3ページまで)」
「午後5時:終了」
一方、宰相執務室では。
「閣下、そろそろお帰りになりませんか?今日は金曜日です」
「ああ、そうだった。娘の誕生日だ」
バルドルは鞄を提げ、窓の外を見た。
夕日が王国を優しく照らしている。
「前世では見られなかった景色だ」
廊下で王と出会った。
「おう、宰相。早く帰るのか」
「はい、陛下もお体をお大事に」
「わしは大丈夫だ。もう二度と、あの頃には戻らんからな」
2人はにやりと笑った。
働かない王様と、宰相に転生した社畜。
一見すると最悪の組み合わせが、世界を変えた。
そして今、王国中で鐘が鳴り響く。
午後6時。帰宅の時間だ。
「結局のところ」
王が呟いた。
「働くことも、働かないことも、ほどほどが一番なのかもしれんな」
「同意です。陛下」
バルドルが答えた。
「でも一つだけ。たまには、ちゃんと働くのも悪くありません」
「ふん、それは宰相に任せる」
2人の笑い声が、黄昏の王宮に響き渡った。




