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第4話 王様、初めて働く(?)
ある日、バルドルは大胆な提案をした。
「陛下、一日だけ『王様体験デー』を実施しませんか?」
「何だと?」
「国民の代表数名が、一日だけ王様の生活を体験するのです。その代わり、陛下には一日だけ一般市民として……」
レオンハルート三世は大笑いした。
「面白い!だが逆だ。わしが一日、宰相の仕事をしてみよう」
宮廷中が凍りついた。王が働く?そんなことがありえるのか?
翌日、午前5時。珍しく早起きした王が宰相執務室に現れた。
「さあ、始めようか」
「まずはこれらの書類に……」
「全部捨てろ」
「え?」
「重要ならまた提出させるがいい。提出しないなら重要ではない」
バルドルは衝撃を受けた。
これは……これこそが「仕事の本質を見極める力」では?




