まず間違いなくこの仕事に向いていない
『今日インタビューするのは、奇跡の回復を遂げたこちらの男性です』
事務所に置いてあるテレビに目を向けていた所長は大きく息を吸い込んだ。
そして。
「またお前は失敗したのか!」
事務所の中に怒鳴り声が響く。最近この事務所に配属されたばかりの新人は、その怒声に首をすくめながらもすいませんすいませんと何度も頭を下げている。所長は頭が痛いとでも言うように顔をしかめて頭を抑えると、あんなに簡単な仕事でなんでお前は失敗するんだと呟く。
その所長の言葉に対して新人はだって、と声をあげる。
「人の命を奪うだなんて、あまりにも可哀想じゃないですか」
「お前はそれでも死神か!」
事務所に置いてあるテレビでは、末期の癌から奇跡の回復を果たした老人が元気にインタビューに応じていた。