1:始まりのその時
小学生時代、壮絶ないじめを受けていた上原快斗。6年間耐え抜き、ようやく待ちに待った中学校に入学するが——!?
教室の扉を開ける。その開ける音がやっぱり心地悪くて、すぐにでも閉めたくなってしまう。でも、場所が変わった。僕は6年間耐えた。耐え抜いた。
「大丈夫。」
そう自分に言い聞かせて教室に入っていった。
席に着く前に、椅子の座面や机の中などをくまなく確認する。何もないことに安心している自分がやっぱりちょっと情けなかった。しょっていたリュックをおろして席に着く。するとしばらくして、とんとん、と足音が近づいてきた。そしてドアが開き、男性の先生が入ってきた。
「今日からこの中学一年A組の担任を務めます、小林です。よろしくお願いします!」
小林先生は、昨日少し顔合わせしただけでほとんど初対面なはずなのに、どこか懐かしくて、心地いい雰囲気が漂っていた。すると小林先生は僕の方を向いて少し口角を上げた。そしてすぐに視線をもとのクラス全員の方向に戻した。
「それじゃあ今日はこの後すぐ解散なので、大まかな連絡事項だけ伝えていきます——」
小林先生は、明日が健康診断の日であること体育祭の準備が明日から始まることを伝えた。
「——こんなところかな。じゃあ、今日は終わりにします。じゃあ級長の工藤くん、号令お願いします——っとその前に、上原快斗くん。後でちょっといいかな」
「は、はい。大丈夫です」
「よし、あ、じゃあごめん工藤くん。今度こそ号令お願いします」
僕は何で呼ばれたのかが分からなくて、少し不安な気持ちに取りつかれた。さっきの先生の目がどこか優しい感じがしたのも、今は少し不気味に思えてくる。
「起立、礼。着席」
級長の号令と共に、一日が終わった。4月8日——昨日の入学式が工事の撤収が終わってないとか何とかで教室に入れなかったから、実質今日が最初の日だった。少し緊張の糸がほぐれるけれど、すぐに先生に呼び出されていたことを思い出した。
「ほら、かいt——上原くん。ちょっとついてきてくれるかな」
僕は「はい」と返事をして、先生の背中を追い始めた。
ついたのは、会議室だった。
「ついたよ。入って」
小林先生にいわれるがままに僕はその会議室に足を踏み入れた。思ったよりかは狭かったその部屋の床に荷物を置き、「座って」と言われたので指示通りの座った。そして僕は思わず尋ねた。
「あ、あの、何で僕をこんな会議室に呼んだのでしょうか?」
「それはね、k——上原くんに少し聞きたいことがあるからなんだ」
「聞きたいこと?」
「そう。早速だけどさ、君は小学校時代いじめを受けていたっていうのは本当かな?」
「な、何でそれを知ってるんですか?」
「まあ、情報は入ってくるよそれは。そして噂によると、隣のB組に君をいじめてた山村透くんがいるってことだけ伝えておくね」
「だから何でそのことを知ってるんですか!?学校は僕に『いじめのことは絶対に口外するな』って言われてたんですよ。その学校が先生に伝えるなんて考えられません!」
小林先生はため息を一つついて、再び話し始めた。
「やっぱり覚えてないのか——」
「え?」
「ううん、何でもない。ゆっくりでいいから、ここで話したことは気にしないで、明日から中学生生活楽しんでね——って明日は健康診断か。じゃあ、もう帰っていいよ」
「——さようなら」
僕は小林先生とは目を合わせずに会議室を後にした。やっぱり先生にはどこか懐かしい雰囲気が漂っていたけれど、さっきはそれに加えて少し怖くもあった。
てか、忘れてるって何?
頭の中の引き出しを片っ端からあさってみたけれど、何も見当たらなかった。
快斗が会議室を出た後、小林先生はしばらくそこに留まっていた。
「——約束、絶対に守るからね。命に代えてでも」
小林先生は会議室の電気を消し、そこを後にした。
お読みいただきありがというございます。コメント、基本返しますのでどしどしお願いします。どんな感じにするかはっきりとは決まっていませんが、今後の展開をぜひお楽しみに!
今後、ここにはこんな感じでメッセージを書いたり、本文に書ききれなかった裏設定を入れたりする予定です!
誤字脱字、矛盾点など是非指摘お願いします。




