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悲愛から恋愛-運命の女神オリーブ-  作者: 乾為天女


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第19章 ジャンヌ・ダルクとシャルル7世

ジャンヌ・ダルクは、フランスの英雄として、国を救うために戦い続けた。しかし、その心は常に孤独で、愛を求める一方で、自分の使命に引き裂かれていた。彼女が心の中で最も惹かれたのは、フランス王シャルル7世だった。シャルル7世は、ジャンヌに対して深い尊敬と感謝の念を抱いていたが、彼女が抱える大義と、自分の立場に縛られて、二人の間にはなかなか言葉を交わすことができなかった。

オリーブは、この二人の関係が悲劇的な結末を迎えないようにと、彼らを見守っていた。オリーブは、二人の間に横たわる壁を取り払い、ジャンヌとシャルル7世が心を通わせ、愛を育んでいく手助けをしようと決意した。

「ジャンヌとシャルル、二人はお互いに強く惹かれているはず。でも、何かが足りない。」オリーブは心の中でつぶやいた。「この二人が本当に愛し合うためには、勇気が必要よ。」

その時、オリーブは静かにシャルル7世の元に向かう決意を固めた。ジャンヌは戦場にいるわけではないが、王宮の中で彼女が感じている孤独に対して、シャルル7世がどう向き合うべきかを理解している必要があった。


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ジャンヌ・ダルクは、フランス王シャルル7世に対して深い尊敬と敬愛の念を抱いていた。彼の運命を背負い、彼を勝利へと導くために戦い続ける一方で、その心の中に隠された想いをどうしても抑えきれなかった。しかし、ジャンヌは自分の使命があるため、その想いを表に出すことはなかった。彼女は王を救うために戦っているのだ、そしてその使命こそが自分の全てだと思っていた。

シャルル7世もまた、ジャンヌに対して深い感謝と尊敬の気持ちを抱いていた。しかし、彼女が果たすべき役割と、彼女を支えたかったという気持ちの間で揺れていた。彼は、ジャンヌが自分をどれだけ愛してくれているのかを知る由もなく、その気持ちを言葉にすることもできなかった。

オリーブは、天界から二人の姿を見守っていた。彼女は、二人の心の中に隠された愛が本当はどうしても結びついていることを理解していた。しかし、それを実現させるためには、二人が自分の気持ちを素直に表現し、互いに心を開くことが必要だと感じていた。

「これ以上、二人がすれ違うのを見ているわけにはいかないわ。」オリーブは決意を新たにし、静かにジャンヌのもとに向かった。

その夜、ジャンヌは王宮の庭でひとり静かに佇んでいた。戦いの後の疲れが彼女の心身に重くのしかかっていたが、王への思いは消えることはなかった。彼女は、シャルル7世がどんな時も自分を支えてくれると信じていた。しかし、その思いをどう伝えればよいのかが分からなかった。

その時、オリーブが静かに彼女の前に現れた。

「ジャンヌ、あなたの心は王に向かっているのでしょう?」オリーブが穏やかな声で尋ねた。

ジャンヌは驚きながらも、心の中でその言葉がずっと待ち望んでいたものだと気づく。彼女は一瞬黙り込んだが、やがてゆっくりと答えた。「はい、そうです。私はシャルル7世に深く惹かれています。しかし、私は戦士としての使命を果たさなければならない。それが私の全てであり、私の命です。私の気持ちを表に出すことはできません。」

オリーブは優しく微笑みながら、ジャンヌの手を取った。「使命と愛は、同時に抱えていることができるわ。あなたが思っている以上に、シャルルはあなたを必要としているし、あなたがどれだけ彼を愛しているのかを知ってほしい。あなたが心を開けば、彼もまた心を開くはずよ。」

その言葉を聞いたジャンヌは、心の奥で何かが解けるのを感じた。オリーブの言葉が、彼女の不安を取り除き、勇気を与えてくれた。彼女は深く息を吐き、決意を新たにした。

「もし私が心を開いたら、シャルルも私の気持ちを受け入れてくれるのでしょうか?」ジャンヌはオリーブを見つめながら尋ねた。

オリーブは静かに頷いた。「そう、ジャンヌ。彼はあなたを愛している。あなたが自分の心を打ち明ければ、彼もその愛を受け入れる準備ができているわ。」

ジャンヌはその言葉を胸に刻み、王宮へと足を運ぶ決意を固めた。


その後、シャルル7世は自室で思索にふけっていた。ジャンヌがどれほど戦い続け、フランスの未来を救ってきたかを考えると、彼の胸は痛み、彼女への愛情がますます強くなるのを感じていた。しかし、どうしてもその気持ちを伝えられなかった。

その時、ジャンヌが静かに部屋に入ってきた。彼女の目には、決意と不安が入り混じった光が宿っていた。

「ジャンヌ…」シャルル7世は少し驚いたように立ち上がり、彼女を見つめた。「何か…話があるのか?」

ジャンヌは静かに彼に歩み寄り、少しの間黙っていた。しかし、オリーブの言葉が彼女の心を後押しし、とうとう彼女は言葉を発した。

「シャルル、私はあなたを愛しています。戦いの中で、あなたがどれだけ私に支えを与えてくれたか、私は知っています。あなたを守り、あなたと共に歩むことが私の夢でした。しかし、私はそれを口にすることを恐れていました。」ジャンヌの声は震えていたが、その目は真剣だった。

シャルル7世はその言葉を聞いて、驚きと喜びの表情を浮かべた。彼の胸が高鳴り、ジャンヌがどれだけ自分を必要としているかを理解した瞬間だった。

「ジャンヌ…」シャルルはジャンヌに近づき、彼女の手をそっと取った。「私も、あなたを愛しています。あなたがどれほど私の心を支えてくれているか、私は言葉で表せないほど感謝している。」

その瞬間、ジャンヌはその言葉に涙を浮かべながら、シャルル7世の胸に顔を埋めた。シャルルもまた、彼女を強く抱きしめ、二人の心が完全に通じ合ったのを感じた。

オリーブはその場面を見守りながら、心から微笑んだ。二人はやっと、互いの気持ちを受け入れ、愛を育んでいく準備ができた。彼女はその瞬間、二人の幸せを確信した。


第19章 ジャンヌ・ダルクとシャルル7世 終



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