5/10
5話“弱点”
“えっ?左手が
生き物の頭をすり抜けた...?”
”うん、終わった^_^
うんまぁ知ってた...”
格闘技ひとつもやったことが
なかったのだつまり詰んだのだ。
その時だ、
「お兄ちゃん前!!」
と愛の声で目が覚めた。
生き物の右手が俺の胸に向かって刺してきたのだ。
それに対応するために即座にしゃがんだ。
”落ち着け俺。相手は煙。
肉体はない。
だから頭は当たらない。
当たらないってことは
掴めもしない。
だとしたら...
あぁ考える余裕がもうねぇ”
「一か八かやってやるよ!」
拳を握り、
「おまえが胸を狙うならこっちも狙ってやるよ!」
生き物の黒い球に向かって、
立ち上がった勢いで右手を出した。
右手は黒い球にあたった。
すると、
黒い球にヒビが入り、
生き物は
煙その物のように消えて行った...