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3.アルフレッドのスキル

 病み上がりのメイプルセイバーを、ウマに戻してから寝かし付けると、小生は目を瞑って【最高レアリティのスキル】を用いた。もちろん能力の整理をするためである。

 スキルには、小生自身の身体やオーラを整える項目と、動物に働きかける項目があり、もちろんウマという場所もある。


 試しにウマ関係のスキルを見ると、なんと17もの補助スキルがあり、しかも平均も5レベル以上という高い熟練レベルとなっている。

「あった。ウマ限定でMPの回復量を飛躍的に上げるスキル……レベル8か」

 そういえば、師匠にはよくウマを仕込まれた……当時は疑問だったけど、こうやって見ると理由もよくわかる。


 他の動物の項目はどうなのだろう? 試しに小型トリを調べてみた。

 小型トリのスキルは7つ。熟練レベルも平均は4のようだ。

 そして、トラ関連のスキルは5つ。クマに至っては3つだ。これでは、いくら能力を伸ばそうとしても、強くなれなかった理由がよくわかる。

「まてよ……」


 ここで少し考えてみた。

 今までは、ダンゲルがウマ嫌いだったために使うことをためらっていたが、もうそんなことを気にしなくてもいい。

 どんなに努力をしても、あまり強くならない分野に労力や時間を割くより、十分な才能を持つ分野を集中的に鍛えた方がいいのではないだろうか?

 特に、目の前にはユニコーンがいるのだ。彼女の良さを引き出すように、スキルを再配分するくらいの努力をしないのでは、ビーストテイマー失格だ。


 トラとクマの熟練スキルを、剥がしてみるとけっこうなスキルポイントが出てきた。

「熟練レベル2のスキルを剥がすと50ポイント。レベル3だと140ポイントが手に入るのか……」

 まあ、ここから20パーセントが引かれるけど。と思っていたら、14パーセントしか減っていなかった。これも後で理由を調べてみるか……


 再び、ウマ関連のスキルを見てみると、ユニコーンの角を強化するスキルがあった。

 レベルはもちろん1。昨日まで一度もユニコーンにあったことがないのだから当然だろう。そこに手に入れたスキルポイントを振り分けてみると、最初は10ポイントでレベル2となった。


 2から3は40ポイント。3から4は90ポイント。160のポイントを振り分けたところで、ポイントはなくなったので、角強化はレベル5となっている。

 さて、メイプルセイバーになにか変化はあったのだろうか?


 視線を動かすと、彼女の角は……あれ? 変化をしていない。

 寝ているから当然かと思いながら、たてがみを撫でてやると、彼女の角は光を放った。


ーーピカアァァァアアアア!!


 言葉に直すと今のような感じだろう。前に光った時の5割増くらいの力がある。

「寝るのを邪魔してはいかんな」

 そう呟きながら目を瞑ると、まぶたの中でメッセージが表示された。

【スキルを最適化しますか?】


 なんだこのメッセージはと思ったが、よく考えてみるとユニークスキルの熟練レベルが4になった。というメッセージが届いていた。

 試しに、はいと選択してみると、小生のスキル熟練度が大幅に移動した。特にトリ関連のスキルが大幅に削られ、新たにペガサスという項目ができている。


 試しにチェックしてみると、ウマを一時的にペガサス化させる、【魔法の翼】や【風読み】、他にも【ジェット】【ローター】【ホバー】など、効果を見ると唸りたくなるスキルが多数あった。

 しかも、熟練レベルは4〜5ほどあるため、少しイメージするだけで、空の上の身体の動かし方が手に取るようにわかる。

 これだけ収穫があれば十分だろう。あまり夜更かしをすると明日に堪えるので、今日はもう休むことにした。



 翌朝になると、メイプルセイバーはゆっくりと身体を起こした。

「おはようごさいます」

【メイプルセイバー 牝ユニコーン2歳 レア度LR 総合霊力120 飛行○ 変身○ 治療○ 調薬○ 除霊○ 特殊能力:ジニアス】

 彼女の頭上に、このような文字が表示されていた。メイプルセイバーの名前だけが水色で記され、残りは黒文字である。

 これも最適化の効果だろうか……。


 そう思っていたら、メイプルセイバーはニコニコと笑いながら言った。

「昨晩はずいぶんお楽しみでしたね」

「別に、いかがわしいことをしていたワケじゃないぞ!」

「ふふ……何かわかりましたか?」

「とりあえず乗せてくれ。百聞は一見にしかずというからな」

 彼女は快く後ろ脚を下げて、小生が乗りやすい体勢になってくれた。


 ペガサスのスキル【魔法の翼】!

 心の中で叫ぶとメイプルセイバーの背中には、6枚のガラスのように透明で、真っ直ぐに伸びた翼のようなものが現れた。

 翼の枚数はスキル熟練度に比例して増えるらしく、1なら2枚。2なら3枚。4なら5枚という感じになるようだ。


 メイプルセイバーも、驚きのあまり口を大きく開いていた。

「こ、ここ、こここ、これは……」

「魔法の翼というシロモノだ」

「そ、それに、ろ、ろ、6枚も………す、すす、す、凄過ぎるうぅっ!!」

「驚いてくれているところ悪いが、飛んでくれ」

「わ、わかりました」

 メイプルセイバーは、鳥のようにふわりと浮かび上がると、駆けるように空へとあがっていく。

「…………」

「…………」

 問題なく飛んでいるので、【ジェット】、【ローター】、【ホバー】も試してみることにした。


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