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あの日の恩を返そう  作者: みちら
9/11

ー9ー

2021年、外出自粛のGWが暇だったので書いてみた、小説です。

処女作であり、色々と突っ込みどころはあるかと思います。

短いですがお付き合いいただければ幸いです。

翌日、ギルドに行く前に店を回っていると、以前話を聞いた貧民街の路上にいる少年少女達に捕まった。


彼らは昨日ギルドマスターの部屋に入っていったのを見てたらしい。

俺が入ってすぐに一緒に入っていった子爵家の執事が出て行ったと思ったら大公爵と子爵が入っていき、しばらくすると部屋の隙間から漏れ出るような光が見えたそうだ。

その後、何事もないような顔で俺が出て行ったことを見た彼らは一連のギルド騒動に俺がいると考え、俺を捕まえたそうだ。


――ギルドマスターの部屋は2階だが、その場所を知っていれば、そこに通じる場所を確認できるのか。

他の街でも貧民街の人から情報収集をしているが、そのようなことはなかった。

彼らが優秀なのか、ここのギルドが迂闊なのか判断に迷うな。


彼らから話を聞いた後の俺が行った子爵から情報を聞きドラゴンに挑んだ流れをざっくりと伝えた。

多くは驚いた顔をしているが、ある少女はうつむいて俺がドラゴンに挑んだのは自分のせいだと思っているようだが、あの時も伝えた通り俺がやりたくてやったのだから君のせいじゃないと頭をなでる。


話を聞いた後に俺に対し「ありがとう」と言い、走っていった。



時間になったため、改めてギルドに来た。


子爵家の執事は俺が来るのを待っていたようで、昨日と同じようにギルドマスターの部屋に連れていかれる。


中に入ると今日は大公爵はおらず、子爵のみだった。彼はだいぶ疲れているようだ。

昨日俺が退出してから魔道具を使い、王家と大公爵等と王都に現れたドラゴンに関することと俺の今後についてを話し合ったそうだ。


まず、俺と子爵は後日登城をすることが決まった。

すぐに登城できないのは、この街のギルドマスター業務は冒険者に知見のある現在子爵が代行しているため、代わりの人員を手配次第になるそうだ。


王都にドラゴンが現れたのは冒険者ギルドの治安が乱れたことによる天災とし、俺や子爵へのお咎めはなしと決定したそうだ。

ドラゴンの鱗を持ち帰ったことで、俺は将来Sランクとドラゴンスレイヤーの称号を内定し、身分としては冒険者のままだが子爵家を保証してくれるらしい。

今回の件があり、子爵家は俺の行動を監視し逐一王へ報告をしないといけないらしい。

また、なぜ内定なのか確認すると俺はBランクだとは言えまだ若いのでもう少し上位貴族との実績を経てからにするとのことだ。


大公爵は昨日の段階でこの街を発ったそうだ。なんでも王が鱗を早々に確認したいので大公爵が責任をもって渡しに行くそうだ。


決まった内容を聞き終え、子爵は笑いながら話しはじめる。


「若いころ冒険譚に憧れて冒険者になりたかったが、後継ぎは私しかおらず冒険者になれず君を含む多くの冒険者と関わりを持っているが……、ここまでの大ごとにはなったのは今回が初めてだし、ここまでの成果を得たのは君がはじめてだよ」


俺はどう受け取っていいかわからず苦笑していると、子爵は続ける。


「皮肉ではなく、素直にほめているんだよ。確かに君のおかげで王家に目を付けられるなどの迷惑を受けたがね。客観的に見れば、1人の女性を救うためにドラゴンに挑み王家に呼ばれる冒険者を補佐したなど、まるで物語の主人公を助ける貴族のようではないか。」


だが、といい立ち上がりさらに続ける。


「迷惑をかけられたのは事実だ。だからはっきりと聞きたい。君は本当に恩を返したいがためだけに、挑んだの彼女への恋慕はなかったのかを。」


どうだろうか。彼女からいただいた恩を返すために、ドラゴンに挑んだがそれだけだったのだろうか。

俺は考えて、答えを出す。


「彼女への思いはあります。ですが、恋であるかはわかりません。だが、彼女が前ギルドマスターから愛人になるように強要され断ったと聞いたとき、ホッとしたのは事実です。」


真っ直ぐ子爵の目を見ながら答えると彼は「そうか…。ならば、当事者同士で話し合ってもらうしかないな。」そういい、出て行ってしまった。


子爵が出て行った扉を見つめていると、後ろから気配がし、そこに彼女が立っていた――。

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