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あの日の恩を返そう  作者: みちら
3/11

ー3ー

2021年、外出自粛のGWが暇だったので書いてみた、小説です。

処女作であり、色々と突っ込みどころはあるかと思います。

短いですがお付き合いいただければ幸いです。

故郷の街にある冒険者ギルドの窓から彼女らしき人がいるのを見かけた。

それを見て冒険者ギルドに入った。

だが、直後入り口で足が止まる。


冒険者となった後も何度か彼女らしき人の話を聞いた。

幼き日の記憶通り、いつも元気で一生懸命なギルド職員で、休日には孤児院で炊き出しにも参加する心優しい女性だと皆が言っていた。


受付にいる1人の女性が彼女であると一瞬でわかった。だが、元気がない――。

容姿だけ見れば彼女だと断言できる。しかし、自信がない。

それほどまでに彼女は、聞いていた話と違い暗い雰囲気を出さないように無理をしているように見える。

その理由がなぜだかわからないため、冒険者ギルドを一度出る。


冒険者ギルド中を覗くことができるの窓の近くによく椅子がある屋台があったので、冒険者ギルドの様子を食事がてら観察することにした。

途中、屋台の主人は長時間座っている俺に対し不快な声をかけてきたが、黙らせるだけの注文をした。

食べきれる量ではないので、持ち帰りにして貧民街の路上にいる人々に分け与えればいいだろう。


観察しているといくつかのことが分かった。


受付をしている彼女には基本的に人が並ばない。

時折、来る冒険者は彼女に対し怒鳴っているように見える。

彼女に指をさし、笑っているギルド職員がいる。


もしかして、彼女は虐められているのか?

わからない。わからないが、対処が必要だ。

まずは、わからないときはわかるまで情報収集をしなければならない。


だが、それなりに大きい街とはいえ、人に関することの情報収集は面倒だ。

特に今回は虐めであると感じたのが事実なら、虐めをする者たちに気取られてはいけない。


まずは、貧民街の路上にいる少年少女に聞くことから始めよう。


彼らは人間関係において存外知識がある。

俺もそうだったが、自らに優しくしてくれた者たちに関しては特に知識をためる傾向がある。

今まで彼女のうわさを聞いた限りは、この街でも優しくしていたと考えるのが妥当だ。

貧民街の皆がそうではないだろうが、いつの日か優しくしてくれた人に恩を返すことを願っているものがいるのだ。



報酬となる食料を元に少年少女達に聞いた結果情報は思った以上に集まった。

俺もここの出身で、昔彼女に世話になった内容を説明し恩があるので情報を知りたいと説明したら素直に話してくれた。



彼女は半年程前にこの街に赴任したらしい。

はじめのうちは貧民街への炊き出しにもよく参加し、優しいお姉さんだったようだ。

よかった。彼女は今も変わっていなかった。


だが、いつからか貧民街への炊き出しに参加しなくなり気になった彼らは情報を集めた。

そこでわかったことは、ギルドマスターに愛人となるように強要され断ったらしい。

その後、ギルドマスターと愛人になった別の受付職員がおり、その女が彼女を嫌っているようで職員内でいじめをはじめるようになったそうだ。

また、冒険者たちも彼女にいじめをするようになったらしい。


ある冒険者は、ギルドマスターから強要され。

ある冒険者は、面白半分で。

ある冒険者は、ギルドマスターと愛人になった女に好かれるために。

ギルドマスターからの高額依頼でやっている冒険者もいるらしい。


ギルドマスターが主犯となると俺だけではどうにもならない。

Bランクに上がったとはいえ、たかが一介の冒険者だ。


あごに手を当てて考えていると、ある少年は「あなたもあの人を見捨てるのか、ギルドマスターやその愛人をどうにかしてくれないのか」といい、ある少女は、「やっぱり、大人なんかに頼らずに私たちで何とかしないといけないんだ」と話している。


そう、そうだな。俺は彼女に胸を張り恩を返すために今まで頑張ったんだ。

それにこの子たちが自らが動かないといけないと思うほどに事態は悪いのだろう。

すぐに解決できるだけの手段が必要だ。


「必ず彼女の問題を解決する。だから少しだけ時間をくれ。」と少年少女に伝えその場を後にする。


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