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粘性の油

作者: 〇

 その地方は農村であるが、農村はさして珍しいわけでもない。道の脇に目をやればすぐさま嫌悪感を催す巨大な環形動物が見つかる、そんな普通の田舎であった。

 咳の多い場所である。あっちでゴホン、こっちでゲホゲホと無遠慮に、無秩序に咳をするので辟易してしまう。咳の原因はその地方では「アブラ」と呼ばれているもので、粘性の強い油のようなものが喉を塞ぐらしい。そういえばさっきから喉に違和感を覚えているところであった。

 影響は翌日すぐに出た。喉の5割ほどを覆うような、まさに油である。朝から咳払いを繰り返してしまう。

 応急措置として、私が編み出した手法を公開しておこう。吐瀉するのだ。胃酸で油を溶かすことで、文字通りなんとか一息つけるようになった。

 しかしこれでは喉を痛めてしまう。治療法はなさそうである。数多の優秀な兵を輩出しているとのことだが、この呼吸困難な状態を続けていれば、それは優秀になろうというものだ。ここで言う優秀な、とは身体能力に関してのことであり、知識が特別優れているというわけでも、指揮がうまいということでもない。指揮のうまさで言えば、音楽の町にも遅れを取るだろう(これは冗談である)。

 さて、そんな恐るべき病気が蔓延していたものの、地方を出てしばらくするとコロッと治ってしまった。病気の原因は地方の空気か、地方の食事か、どちらかにあることに間違いなかろう。

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