2 変化
朝起きるとそこは洞窟だった。
やっぱり昨日のは夢じゃなかったんだ…
そういって体を起こそうとすると
背中がむずむずして頭も重い…
バサッ
!??
みると背中にドラゴンのような大きな黒い翼が生えていた。ぎゃあああ!!
驚いて後ずさりする
ドカンッ
今度は頭の先に何かが触った。
なんだろうと頭の上を触ってみる…カチンと何かが当たった
これは…もしかして…
そっとなぞってみる。頭から生えていた二本の固いものは先がクルンッと曲がっている
そして指の爪は細長く尖っていた。
なんだよ…これ…まるで…
洞窟の外にでると急に強い光が射し込んで目が痛くなった。川面に姿を映してみる
そこには大きく立派な二本の角と黒い翼を生やし、ギラギラとした目をしたおぞましい自分が移っていた。
うっ、
その時凄まじい空腹が襲ってきた
さっと耳をすませて辺りを探る
いた。
野うさぎの親子だった。草むらに隠れているつもりらしいが残念だったな…
ガウッ!!
加速して鋭い爪で一気に二匹とも仕留め、夢中で頬張る。
「おうおう、立派になったもんだ。」
後ろから声がした。
振り向くと白い狼がいた。
「そんな驚かなくて良いぞ!覚えてるか?俺はゼノだ!ちょっとこの狼に体を貸してもらってるがな」
ハッと今自分がしたことを思い出し、冷や汗が出た
「僕は、な、何を…」
「まあ、仕方ない、、そしてすまない、」
しかしまだまだ空腹は収まらない…
食欲のままにさっきのウサギにかぶりつく
「「伏せろ!!!」」
バキューンッ
銃声がとどろき、その方向をみる
「…………あれは……明のお父さんっ!」