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サキュバスとエロ漫画野郎と冒険者  作者: 胡桃リリス
第二章 サキュバスとエロ漫画野郎とクッコロさん
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8-2 エロ漫画野郎とクッコロさん 私を信じてくれないか?

お待たせしました。

 一か月前ルールがあるから。

 そう言って逃げ出そうとした俺を、誰が責められようか。

 しかし、俺の行動を読んでいたらしいセイジュさんに腕を捕まえられて逃げられなかった。身体強化を使っているのに、ビクともしない。いや、本気で振りほどこうと思えば、とさらに少しだけ力を加えてみても外せなかった。というか、動かせない。

 俺の背筋にひやりとした感覚が生まれた。ツボを押さえられていると、何となくわかって、やっぱりこの人は戦闘職なんだと改めて思った。


「待ってくれ。私と一緒に来てほしいんだ!」

「嫌ですよ!」


 叫んだが、セイジュさんは離してくれない。

 セイジュさんの目に、真剣さが宿っている。茶化すこともなく、怒っている訳でもない。


「いいから、来てくれ。君も気づいているかもしれないが、私には常に監視の目がついている」

「っ?!」


 どうにか首を動かすのを止められた。

 そうして、言われて初めて、どこからか、本当に微かな違和感のようなものを覚える。丁度、斜め後ろのずっとずっと向こうから、射抜くような圧を感じる。針孔に通す糸のような、そんなか細さをイメージできる、本当に微かなものだ。


「流石にダンジョンに入れば消えるが、ラベルや王都で、私は冒険者ギルド以外の場所で監視されているんだ。君たちが隠蔽魔法を使ったりしている間以外は、ほぼ常に。今の監視は、王都の門を潜った辺りから着けてきている。ここで逃げても、別の監視が君を追う」

「なるほど。これが……」


 俺がそう言うと、セイジュさんは頷いた。


「君たちの事は、国王たちの耳に入っているだろう。もちろん、勇者としての君たち、ということだ」

「冒険者ギルドは情報を外部に漏らさないって……いや、そうか」


 セイジュさんを常に監視している目があるのであれば、街を離れてすぐに俺たちが消えたのが見えるはずだ。お抱えの監視だろうから、恐らく遠距離通信の手段を持っている可能性が高い。数時間でラベルから王都にたどり着いた俺たちを、各監視たちが連絡を取って驚いている光景が目に浮かぶようだ。

 セイジュさんも、予定よりずっと早くに実家に顔を出したということは、移動手段をはぐらかしたとしても、監視たちからの報告を聞けば、嫌でも憶測を立てられる。


 そして極め付けは恐らく、二度目の大食いとの戦いだ。リアさんは戦闘中に外部へ影響を及ぼさない結界を張っていたのに対して、大食いは特に周囲へ配慮することなく突撃してきたし、俺たちも遠慮することなく全力で迎え撃った。

 実は、ラベルの城壁にいた衛兵たちから、巨人らしき影と炎の柱が見えたという報告があったことを、ソーシャさんから聞いている。破壊神がラベル付近へ移動している、という報せを受け取っていたため、衛兵たちは彼女がまた暴れているのかと肝を冷やしていたそう。

 そりゃ、セイジュさんの姿を探していた監視の目には嫌でも止まるし、国王たちにも報告するだろう。


 俺の考えを纏めて伝えると、セイジュさんは頷いた。


「君の考えている通りだろう。私も冒険者ギルドも、君のことは国王に一切、勇者として報告していない。だが、常識を覆すような数々の魔法は、監視の目から国に届いているだろう」


 そして、と続けて、


「ラベルから王都までを半日もかけずに来てしまったからな。巨人相手に逸脱した魔法を使って退け、常識を覆すような長距離の移動。果ては破壊神ヴァーヴァリアスが我々と共に冒険者ギルドにやってきた、等と言う話しがあれば……」


 あ、これダメだ。

 詰んでいる。


「そう、君は、勇者として国王たちに認知された、ということだ」


 セイジュさんの言葉を聞きながら、これが数え役満って奴か、とどうでもいいことを考えて現実逃避した。


「とりあえず、中に入ってくれ。君の事を、家族に紹介したい」

「何言ってるんですか……?」


 思わず言葉が口から飛び出てきた。

 散々、軍部やギルドに入ってくれとは言われていたが、まさかこの人は本当に俺を……。


「私は、君の自由を奪う気は毛頭ない」


 詰まりそうだった息が、セイジュさんの一言で元に戻った。

 それでもちょっと疑って彼女を見つめると、苦笑いを返された。


「疑うのは仕方のない事だな。しかし、このまま城の前で問答をしていても怪しまれるだけだ」


 確かに。門を見れば、両脇に立っている兵士二人が訝しげに、または声をかけるべきかどうか考えあぐねている様子だった。


 行ったら王様直々に、今度こそ勇者認定を食らう。

 そうなれば、俺とメイプルは勇者としてこの国に飼い殺しにされる可能性が高い。


 勇者は国の戦力に加えてはいけない、という勇者召喚にまつわるルールがあるが、それも俺に関しては当てはまらない。俺自身が散々言った通りだ。


 つまり、王様にとって、俺やメイプルのような存在はスカウトしても問題ない。

 冒険者ギルドが俺を先々代の(恐らく地球出身の)勇者夫婦と同じような召喚勇者だと言ったとしても、ルールにないから、という理由で言い逃れができそうだ。


 いかんな、セイジュさんみたいな口調を頭に浮かべながら首を振る。

 素人がいくら考えても、お上の考えることはわからない。

 だが、セイジュさんの話しぶりからすると、国王たちは俺たちを勇者として、国の力に加える気、満々のようだ。


 それでも、行くのか?

 今からサイレント・ムーヴを使って冒険者ギルドへ向かった方がいいんじゃないか。

 そう思ったが、体は動かない。セイジュさんが、強い眼差しで俺を見上げていたから。


「すまない、だが、私を信じてくれないか?」


 セイジュさんの声は静かだったが、力が籠っているように思えた。それは脅しや怒りではなく、信じて欲しいという、誠実で切実な思いのように感じられた。


 だから、と言う訳でもないが、


「わかりました」


 俺は、セイジュさんと一緒に城へと入った。




ギルフェンとカプが上がるとはなんだったのか(血涙


以下関係ない落書き。


劇場版ジオウとリュウソウジャー:

 リュウソウジャーがTHE・劇場版ッ! て感じでした。少しおとなし感じでしたが、最近の夏の戦隊の中では上位に入るくらい良かったです。ジオウは最後当たりの某怒涛のラッシュに拳を握りしめてました。平成ラストだからどこかで出てきてくれたらなぁって思っていたら……。


天気の子:

 小説版を購読。陽菜と帆高、温かい人たちのそれぞれのエンドと、あとがきと解説で読後感が良いんです。イリヤの空をちょっと想起しましたけれど……あれはあれ、これはこれで。

 温かいエンドだと思います。


グランベルム:

 ジーグァンロン(シングァンロン)→ローズセラヴィー、アークナイトレナータ→ブライスト&ガロウィン……。

 つまり、やっぱりゼオライm(シャッテン・シュナイダー


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