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サキュバスとエロ漫画野郎と冒険者  作者: 胡桃リリス
第二章 サキュバスとエロ漫画野郎とクッコロさん
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7-6 エロ漫画野郎とクッコロさん やめたげてよぉっ!!

本日二つ目です。少し短いかもしれません。

 ゴードンは、セイジュさんの実家で働いている騎士なのだそうだ。

 セイジュさんが最近までずっとタガネル・ダンジョンへ入っていて、ようやく戻ってきたと思ったら急に飛び出して行ったので、心配した親御さんがゴードンに様子見と、早く帰るように説得して欲しいとお願いしたのだという。

 しかし、王都にセイジュさんの姿はすでになく、王都支部長からラベルへ向かったと教えてもらい、急いで向かってきたらしい。お疲れ様です。


 セイジュさんはと言えば、ラベルへ戻ってきてすぐにご実家に、急に飛び出したことへの謝罪や、これからまたしばらく旅に出る旨を連絡し、返事を待っていたのだという。


 行き違いにより、大騒ぎが起きてしまった、と言うこの状態。


 ゴードンは本当にお疲れ様なのだが、あの態度は如何なものだろうか、とソーシャさんが厳かな態度で問い詰めたところ、ただ、申し訳ない、と返ってきただけだった。

 一瞬、ちらっとセイジュさんを一瞥していたが、色々と思うところがあるんだろう。多分。


「申し訳なかった、ハルキ殿……」


 ゴードンが深く頭を下げてきた。


「俺はいいですよ」

「いや、あの態度は騎士以前に人として失格。ラベル支部にも、ご迷惑をおかけした」

「私の方からもすまなかった、支部長」


 そう言って、セイジュさんも一緒にソーシャさんへ頭を下げた。

 ソーシャさんは、ため息をついて、


「本当なら色々と言いたいところだけれど、ゴードン君も反省しているみたいだし、今回だけは不問とします」

「い、いやソーシャ支部長! 流石にそれでは――」

「ゴードン君、貴方が罰を望むのであれば、甘んじてこの状況を受け入れなさい」


 ぴしゃりと言われ、ゴードンは首を竦め、おずおずと頷いた。ソーシャさんに頭が上がらない姿は、叱られた子どものようで、少しシュールというか……。

 しかし、ゴードン君って呼ばれているのか。もしかしたら、思ったよりも若いのかな。


 全員が少し落ち着いたところで、少し遠慮しながら、ゴードンがセイジュさんへ顔を向ける。


「しかしセイジュさん、一度、ご家族とお会いしていただけないだろうか。妹君と弟君も、すぐにまた出て行ってしまったと、寂しがられていた」

「それはすまないとは思っているが……」


 セイジュさんはバツが悪そうに顔をしかめる。やっぱり、家族のことをとても大切に思っているんだな。


「どうか、一日だけでも、ご実家に戻ってはいただけないだろうか」

「だが……」


 言いよどみながら俺を見る。


「セイジュさんがしたいようにすればいいと思います。その前に、エルナたちと相談しないといけませんが」

「そうか……」


 セイジュさんは少しだけ考える素振りを見せると、


「わかった。一日だけ、戻るとしようか」


 答えを聞いて、ゴードンはほっと胸を撫で下ろしていた。


「だが、一日だけだ。三日後にはラベルへ戻り、ハルキ君たちと旅に出るからな。父上にはそう連絡しておく」

「承知した。感謝する」


 肩の荷が降りた、とばかりにゴードンは微かな笑みを浮かべた。


「……しかし、セイジュさんがそうまでしてハルキ殿の旅に着いて行く理由とは、一体如何様なものなのか」


 知らぬが仏だよ、ゴードン。

 こういう時のために予め打ち合わせしておいた理由を話そうとしたが、


「この国や民、世界を守るためだ」


 ちょっ、セイジュさぁぁぁぁんっ?!!

 何でぶっちゃけたの?

 ソーシャさんもやれやれってため息をついているだけで、落ち着いているし。


「世界を守る? まさか、魔王が現れたのか?」


 ほらぁ、ゴードンが乗っかってきた。真剣そのもので、どのような事実も受け止めるとその瞳が語っている。

 やっぱり騎士なんだなぁと、場違いにも感心してしまった。


「しかし、それではハルキ殿が旅に出る理由が……」

「いや、魔王ではない」

「むっ? では?」

「邪神だ。ハルキ君と、その妹であるカエデ君は、勇者なんだ」


 ゴードンが石像のように固まった。瞳は、セイジュさんを映しているようで、どこも見えていない様だった。

 何で言った? ねぇ何でそれを彼に言ったのセイジュさん?


 よし、もう手遅れだがこれ以上ボロが出ないよう、この辺で止めておこうと口を開こうとしたが、セイジュさんは淡々と、しかし頬を少し高揚させながら続ける上に、何故か口を挟める隙間をくれない。不味い、完全に場を支配されているッ?!


「しかも、恐らく、先々代の勇者夫婦と同じタイプだぞ」

「?!!」


 今度はソーシャさんが固まった。

 おい何でそれまで言ったぁッ!?

 もうやめてくれセイジュさん、これ以上は色々とダメだって止める前に、


「そして私はエルナと共に、神ヴァーヴァリアスを始めとする神々から、勇者の仲間として認められている。故に、私は彼らと共に旅へ出る」


 言い切ったよ、最後まで。


「星海の邪神、討伐のためにッ!!」


 もうやめてセイジュさん!! ソーシャさんとゴードンの精神力はゼロだよ!!


「その間、引き続きこの国のことは頼むぞ、支部長、ゴードン!」


 やめたげてよぉっ!!



お読みいただき、ありがとうございます。


セイジュ「どうした二人とも! もっと元気を出せ!(ハイテンション)」

晴樹「やめたげてよぉ!」


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