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サキュバスとエロ漫画野郎と冒険者  作者: 胡桃リリス
第二章 サキュバスとエロ漫画野郎とクッコロさん
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6-3 エロ漫画野郎と運命神 おやすみなさい

本日二投稿目です。

「晴樹さん、ごめんなさい」

「ぇ゛?!」


 なんで謝ってるんだこの神様!


「私たち神々とこの世界の事情に巻き込んでしまった一員として、言える話ではないのですが……晴樹さんご自身の命を、もっと大切にしてほしいんです」


 呼吸が一瞬、止まった。

 時が止まったような静けさの中で、ナターシャさんは見詰め合う。


 痛いところをつかれたなぁ。

 どう誤魔化したものか……ナターシャさん、誤魔化さないんで目を細めて睨まないでくださいよ。


 しばらくナターシャさんと見詰め合っていたが、俺の方が先に折れた。


「わかりました」

「えぇ……」


 なんだかしんみりした空気になってしまった。

 あぁ、この人、根が凄く真面目なんだな。俺とは大違いだ。


「晴樹さんは、心根の優しい方です」

「それはメイプルやエルナの方ですよ」


 照れくさくも嬉しいナターシャさんの言葉。

 だが、俺はそんな優しい奴じゃない。


 自分の弱い部分や不安を隠して皆を驚かせて楽しませようとして、強大な脅威にも立ち向かい、仲間を守ろうとするメイプル。

 見ず知らずの異世界人の話を聞いて、さらにそいつらが立ち向かうべき邪神という強大な存在を知ってなお、帰還の旅に同行してくれるエルナやセイジュさん。

 心根が優しく、お人好しで、勇敢な奴らだ。


 対して俺はただ、行き当たりばったりで恰好をつけてばかりいるエロ漫画野郎だ。

 それでも、帰還の為、エルナやセイジュさんたちがいるこの世界を蹂躙しようとする邪悪な存在がいると知った以上、やるしかないと思っただけに過ぎない。


「それでも」

「え?」

「果たして、貴方のように想い、立ちあがり、意志を抱いて冒険に飛び込める人が、どれだけいるでしょうか?」


 ナターシャさんの声に、怒りのような圧が少しだけ加わった。あれ?


「実際に迫る死を前にして、二度も仲間を助けるために立ち向かえる者が、どれだけいるでしょうか」


 それは、不思議な力を持っていたから……と考えても、ナターシャさんの真っ直ぐな眼差しに射抜かれてしまう。


「何が正しくて、正しくないか。それはここでは問いません。ですが、貴方は貴方の信念を通した。そしてそれは仲間の命を救い、結果、迫りくる脅威を退けた。勇気ある行動です。仲間を見捨てない優しさと強さを持っています。貴方は優しい人です。だから」


 そこでナターシャさんはまた悲しそうにほほ笑んで、


「もっと自分の命を大切にしてください。あの子が生き返らせると言っても、それはあくまであの子のやり方です。私は、晴樹さんたちに死んでほしくない」


 うっ、そう言われるとすっげぇ罪悪感が……。


「それに、貴方の命は貴方だけのものではありません。地球に、ご家族やご友人を残してきた貴方なら、皆さまの気持ちも理解できるはずです」

「そうですね……」


 常套句と言ってしまえばそれまでかもしれないが、ナターシャさんの口からそう言われると、それもそうだと思える。


「ごめんなさい、ナターシャさん」

「謝らなくてもいいですよ」


 父さん、母さん、妹よ……まさか、異世界で女神さまから命についてお説教されるとは思わなかったよ。話したら、喜んでくれるかな。


「えぇ、携帯電話で撮った写真もいっぱいあるのでしょう? 再会を喜んだあとに、それを見せれば、少なくとも、ご家族と学生時代からのご友人方には信じてもらえるでしょう」

「は」

「ぁ」


 今なんて言ったこの女神さん。

 なんで、それを(・・・)知っているんですか(・・・・・・・・・)

 ぐりんっとナターシャさんへ視線を向ければ、すいっとそっぽを向かれた。


「ナターシャさん」

「貴方の命は貴方だけのものではないので、命を大事にして……そう、いのちだいじに、ですよ!」

「ナターシャさん」

「大食いに対していろいろやろうとするのはいいんですが、ガンガンいこうとするのはやめましょう!」

「ナターシャさん」

「そう言えば、お渡しした力をまだ確認もされていないじゃないですか! 明日、メイプルたちと一緒に試してくださいね、絶対ですよ!」

「はぁ、それはまぁ……それより」

「後で感想聞かせてくださいね!」

「いや、それよりナターシャさん」

「それでは晴樹さん、よい夢を!」


 片手を挙げて別れを済ませようとするナターシャさんだが、その前に一つ確認しないといけないことがある。

 というか、もう答えをもらったようなものだけど。


「ナターシャさんっ」

「おやすみなs」

「俺の事情を大食いに話したのは、貴女ですね」


 どうしても触れてほしくない案件のようなので、気になっていた違う要件をぶつけてみることにした。


「ぇ、ええ……はい」


 一瞬だけ呆気にとられ、すぐに静かな口調で応えてくれた。

 やっぱり。道理で俺のことを色々知っていると思った。ナターシャさんから聞いていたのであれば納得だ。ナターシャさんが異世界転移関連の情報しか渡していないと信じている。あ、渡していないんですね? よかった。


「やっぱり怒らないんですね」

「怒るような話でもないですから。それより、ナターシャさんに教えてもらいたいことがあります」

「何でしょうか」

「地球の……俺の家族は、友人たちは、どうしていますか?」


 俺の問いかけに、ナターシャさんは微笑んで答えた。


「……妹さんが、晴樹さんの帰りが遅いと心配していますが、貴方の事を信じているようです」

「そうですか……」


 

 すまんな妹よ……あと、妹から連絡を受け取ることになる母さん、父さん。

 だが、聞けてよかった。何も知らない状態と、帰りを待ってくれている家族がいることを明確にした状態では、抱く感情や熱量の差が変わると思っている。


 こりゃ、絶対に帰らないとな。

 そのためにも、邪神の残党とやらをフルボッコにせねば……手始めに大食いから全員合格をもらわないと。


「ありがとうございます」

「いいえ」

「これで、ナターシャさんへの疑心とか思うところはチャラ、という事で」

「いいのですか?」

「それだけ重要な情報だったんですよ。そう言う訳で、ナターシャさん、改めてこれからもよろしくお願いしますね」

「え?」

「啓示とか、報告とか、タスラムの持ち主の件とか……ナターシャさんさえよければ、また色々とお話しさせてください」

「……えぇ、またお話を聞かせてください」


 息が少し詰まるような空気が霧散したところで、今日はお開きとなった。


「おやすみなさい、晴樹さん」

「はい。おやすみなさい、ナターシャさん」


 挨拶を交わし、意識が落ちる直前、ナターシャさんが笑いかけてくれた。

 あぁ、いいな……こういうの。

 友達みたいで……恐れ多いけど…………Zzz……。


エルメロイの事件簿の面白さと、グレイのカッコ可愛さとメアリとクレアのラストシーンに感動しながら。


後、三頭身で龍神丸とかあのあたりを思い起こさせてダンガイオーとかゼオライマーとかタケノヤミカヅチっぽい主人公ロボ、いい……すごくいい……グランベルム……嫌いじゃない。

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