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サキュバスとエロ漫画野郎と冒険者  作者: 胡桃リリス
第二章 サキュバスとエロ漫画野郎とクッコロさん
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3-5 サキュバス幼女一行とクッコロさん え、破壊神って……

滅茶苦茶お待たせいたしました。


「破壊神って……まさか、ラベルの近くにいるんですか? つい先週に、エリス付近へ到着したと連絡にはあったはずですけれど……」


 何やら事情を知っているらしいエルナが、少し厳しい表情を浮かべた。

 え、破壊神って移動してるのか? やだ、何それ怖い。

 ある日遭遇(エンカウント)して全滅とか全くもって洒落にならん。


「ハルキ君、顔色が悪いが大丈夫か?」

「大丈夫です」


 嘘です、大丈夫じゃありません。


「……まさか」


 エルナの堅い声が耳に届いた。


「二人を、破壊神と会わせてどうするつもりなんですかっ?」

「落ち着けエルナ。支部長たちも伝言しか受けていないだろう。……ともかく、詳しい話はラベルで聞くとしよう」


 移動の途中で遭遇しないとも限らないから、知っていることだけでも話してくれないだろうかと期待したが、無駄だった。


 そのままあれよあれよと言う間に王都から出立、数時間ぶりの街道爆走とあいなった。




 走り始めてすぐのこと、セイジュさんが話しかけてきた。


「破壊神と言っても、無暗に災いを振りまくような存在ではないから、あまり恐れなくてもいい。が……何が原因で暴れるかわからんからな……出現情報には気を配っている」


 肩を竦めて、まるで慣れている、とでも言わんばかりの様子だ。

 あれ、そう言えば、多少の緊張感は見られても、メイプルを含めて誰も絶望したりとか悲壮感を漂わせたりはしていないな。


「セイジュさん」

「何だ?」

「破壊神って、移動しているんですか?」

「ふむ……破壊神全柱がそう言う訳ではないようだが――」


 破壊神も複数いるのかよ……。


「――今回話題となっている破壊神は旅好きで有名でな。街道を徒歩で移動し、ふらりと街や村に現れ、観光や気に入った土産物を楽しみ、満喫したらまた移動する、ということを繰り返している。幸いなことに、宿や土産の代金はしっかりと払うし、基本的に我々人類側の法律も守っている」


 あれ、おかしいな。思っていたよりもずっと平和的な存在だった。

 話を聞いている限り、意志疎通ができるようだし、怒らせなければ問題ない気がする。


「さっきも言った通りだが、無暗に破壊をまき散らす訳ではない。怒らせるようなことをしなければいいだけの話なのだが……その、怒らせなければ問題ないというところが問題でな……何をきっかけに怒るかわからんのだ」

「ぁー……」


 神様だし、俺たちがどうとも思わないことでも、怒ったりする可能性もあるということか。


「有名な話がある。その昔、ある国の貴族のドラ息子がくだらないちょっかいを出したせいで大暴れし、一日と経たないうちに国が傾いたらしい」

「あの、もしかして破壊神って女性……なんですか?」

「あぁ、そうだ」


 随分あっさり……俺、シ○ーみたいなのを想像してたよ。


「……それでえぇと、理由がアレですけど、飛び火の範囲が広すぎやしません?」

「まぁ貴族どころか王家自体が大分腐っていたらしいから、同情できるのは罪のない民草くらいだがな。……余談となるが、この事態を収拾させたのは当時、若干十歳だった第一王女だった。国王を吊し上げている破壊神の下へ一人で向かい、交渉の末に和睦を結んだそうだ。その後、女王に即位した彼女により国は建てなおされ、平和外交と魔族との共存で以前よりも栄えている。今でも、破壊神は女王に時々会いに行くそうだ」

強制浄化(ハッピーエンド)凄いですね」


 とりあえず、怒らせない方がいいということはよくわかった。

 依頼内容が討伐だったら、全力で拒否させてもらおう。


 しかし、破壊神か。

 フィクションの世界だとラスボスとか裏ボスを張ってそうなイメージがあるが、この世界じゃどういう立ち位置なのか。

 セイジュさんたちの話からすると、この世界の人間にとってはかなり身近な存在みたいだが……。


 メイプルは何か知っている……んだろうな。

 魔族だし、人間側よりもそう言った情報が集まっているだろうし。

 そう思い、俺の左肩(定位置)に肘をついて浮かんでいる最強幼女へ日本語で話しかけてみる。


「メイプル、破壊神について何か知っていることはあるか?」

「知り合いのオークの子のお父さん曰く、絶対に戦ったらいけない存在だそうよ」

「デスヨネー」


 冥府の門番が言うなら間違いない。破壊神たちによって地獄送りにされた奴を何人も見てきているんだろう。


「む? メイプル君、何か知っているのか?」

「破壊神ってヤベェ奴って話よー」

「そうか……君なら、普通の魔族よりも詳しい情報を持っていると思ったのだが……」

「そう言う素直な感想、嫌いじゃないわよ」


 メイプルはそう言うと、「そうね」と前置きしてから、


「旅の破壊神が長距離を一瞬で移動できるって話はもちろん知っているわよね?」

「あぁ」


 破壊神、瞬間移動できるんだな。神様の呼び名は伊達ではないか。

 多分、さっきの国を傾けた話しでも使っていたんだろうな。怖い。


「あれね、魔法じゃなくて、別の力によるものらしいわよ?」

「何? では一体何だと言うのだ?」

「さぁね? 実際に見て見ないとどうとも言えないわ」


 多分、神パワーっぽい何かだろうな。

 神様だし、特にデメリットもなく、好きな場所へ行けるに違いない。

 例えば、惑星間をタイムラグなしで行き来したり、異世界や別の宇宙へ移動できたりとか……。


 ん? 別宇宙……まさかっ?!


「メイプル……」

「私も考えたことはあるけれど、わからないわ……でも、絶好の機会かもね」


 もしかしたら、現代の地球(元の世界)に戻るための方法に繋がっているかもしれない。

メイプル「破壊神……勇者……はっ!! ジェネs」

晴樹「おいやめろ馬鹿」


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