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『ハズレ魔法』空気使いの三男坊  作者: エア・ラビット
零章 ヴィアベル家に嫁ぎます
7/13

6話 リアはSだったそうです

作者はSでもMでもありません

「あー腰が痛い。」


昨日は本当に色々なことがあった。

例えばお葬式、決闘それとベッドで・・・。

リアと二人っきりで夜を過ごすのは二回目になる。初めてはここアラスター領に向かう途中の宿で今回が二度目ということだ。初めてのときはリアは顔を真っ赤にしているのがとてもかわいかった。俺も日本にいたころに経験があったわけではないのでとても恥ずかしかった。

ただ、昨日の夜はリアがSっ気に目覚めていた。

叩いたりとかそういうことではなく一か所を攻めてくるのだ。因みに昨日は耳だった。勿論そんなことをされると恥ずかしくてついつい俺の顔が赤くなっていく。それを喜ぶのだ。

その後焦らされ続けられて疲れ俺が先にベッドで寝てしまった。


朝起きると隣にはもうリアはいなかった。

リアがSに目覚めたというのが夢だったなら良かった。だがベッドの乱れ具合を見る感じ夢ではないのだと改めて自覚させられる。今昨日のことを思い出していただけで顔が赤く染まっていくのが分かる。兎にも角にも昨日は大変だった。本当はもう少し寝ていたいのだが昨日ライムンドと朝食のときに話をしようと約束したのを思い出し、宿の一階についているレストランに降りる。






宿についているレストランは良心的な値段だ。

ただし、良心的といってもそれは貴族にとってである。何せここは本来お金持ち専用のレストランなのだから。


「すみません。ライムンドさんってもういらしていますか?」


「はい。既にいらっしゃっています。こちらにどうぞ。」


20代ぐらいのレストランの店員さんの後についていく。

するとプライベートルームのような部屋の前に着き、店員さんに促されるままに部屋の中に入る。

中に入ると昨日とは違いラフな服を着たライムンドが座っていた。他には護衛の様な人が二人後ろに立っている。見るからに猛者だ。


「おはようございます。レオナート様。昨日はよく眠れましたか?」


「え、ええ。それはもうグッスリです。」


「そうですか。それはよかった。」


今のやり取りでライムンドのレオナートに対する好感度は上がった。何故ならば普通貴族ましてや公爵ともなるといくら商会の者とは言えども高圧的な態度で接するからだ。

だがそんなことをレオナートは知る由もない。





「すみません。失礼ですがライムンドさんはアントリー商会の方でよろしいのですよね?」


これに驚いたのはライムンドと後ろに立っている護衛二人だ。

何故彼らが驚いているのかというとライムンドはアントリー商会で実質的な権利を会長の次に持っている。因みに役職的な立ち位置だと一番地位の高い会長の次の次に偉い。その為貴族の間だけとは言わずに平民の間でも有名だった。


「ええ。ご存知ありませんか?」


「すみません。実はここ最近まで閉鎖的なところで育ってきたものでして。」


今の言葉は嘘偽りのない事実である。

事実、レオナートは嫁ぐ前に自分の領地から出たことは一度しかない。その一度は父の気まぐれで連れていかれた王族主催のパーティーである。その時に運よくグレアラン様に自分の娘と婚約してほしいと申し込まれたのである。もちろん父親としても俺をどうしても追い出したかったのか二つ返事で受け入れた。

実際リアと出会えたので結果的にみるとよかったが、さすがに直ぐに返事をするのはどうなのだと思ったのは秘密だ。


「そうですか、では改めまして。アントリー商会の専務をしていますライムンドです。」


「せ、専務ですか!そんな高い地位にいる方だとは知らずにすみません。」


レオナートがこんなにも驚いているのはやはり日本にいたころに平社員だったからだろう。そのおかげで専務がどれ程地位の高い役職なのかを知っている。

なので思いっきり頭を下げて謝る。


「いえいえ。いかに商会の重役相手だとしても大抵の貴族は高圧的に接してくるので全く気になりません。」


「でも、専務ってあの会長の次に偉い専務ですよね?」


「いえ、一応は会長の次に名誉会長という役職がありまして、その次が専務です。」


「やっぱり偉い方だったんですか・・・。そんなお方がどうして俺なんかに?」


「お方だなんてやめてください。貴方には挨拶に伺ったんですよ。」


「挨拶ですか?」


ライムンドが真面目な顔になったのでレオナートもそれに気づき気を引き締める。


「はい。あの武器を使える人がどんな人なのか気になったものでして。」


「期待してるところすみませんが、ただの凡人ですよ。」


「そうですか?私にはそんな風には見えないのですが。」


「気のせいですよ。それよりも料理が覚めてしまいます。食べましょうか。」


「それもそうですね。」




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