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『ハズレ魔法』空気使いの三男坊  作者: エア・ラビット
零章 ヴィアベル家に嫁ぎます
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3話 なんか凄い武器をゲットです

「暇ですねあなた。」


「ああ、暇だな。」


今、俺とリアは馬車の中にいる。なぜ馬車に乗っているのかというと俺の親父が死んだためだ。死因は不明だそうで今年65歳だったそうだ。そうだというのは俺自身親の年齢を知らないからだ。

そして絶賛暇を持て余している。


「じゃあしりとりでもするか?」


「しりとり・・・とはなんですか?」


「ああ。まずねおれがリンゴといったとする。」


「はい。」


リアは俺が何を言いたいのかまだよく理解出来ておらず何か別に意図をもって俺が話しているようだと考えている。


「そしたらリンゴのゴから始まる言葉をリアが言う。」


「そういうことですか!でしたら語彙で。」


どうやらしりとりのルールを理解してくれたようで良かった。以前メイドにしりとりをしないかと聞いてみたところ服を脱ぎ始めてしまったことがあったのでそんなことが起きずによかった



「んー<り>か、ならリアかな」


「もうっ!」


リアが両手を顔に当てて真っ赤になっている顔を隠している姿がかわいい。

その時馬車を動かしている家来から声がかかった。


「レオナート様。もう少しでターボンドに着きます。本日はそちらで夜を過ごしますのでご準備を。」


「分かった。それじゃあリアしりとりはまた今度。」


「そうですね。」


「良ければ今日一緒に街でも歩かない?」


「え、喜んで!」





ターボンドは相当な大きさを誇る商業都市である。貴族の領地なのではなく、ここを仕切っているのはアントリー商会だ。アントリー商会とはこの国で一番大きな商会であり、そこらの貴族よりも圧倒的な権力を持っている。今の俺にはアントリー商会と将来どのような関係になるか想像もつかなかっただろう。


「それじゃあ行きますか。」


「はい。どこに行きましょうか。」


「そうだね。リアの行きたい場所がなければ行ってみたい場所があるんですけどいいですか?」


「勿論大丈夫ですよ。」






「つきました。この店です。」


「ここは・・・魔道具を取り扱っている店ですか?」


「はい。実は護身用に何か武器がほしいと思いまして。」


「ああ。なるほど、でも何かあっても私が守ってあげますよ?」


「頼りにしていますが、やはり念のために。」





リアがここまで言い切っているのは彼女は空属性以外のすべての属性が適正なのである。

魔力はなぜか俺の方が高いが、それでも魔力の量においてもリアは異常だ。それこそ一度王から直々に護衛として雇われそうになったほどだ。その実力を知らない貴族はいない。


「いらっしゃいませ。どんな商品をご所望ですか?」


中から出てきたのはリア程とは言わないが可愛らしい店員だった。


「えーとキャンプ用の発火装置と、何か護身用の武器がほしいです。」


「護身用の武器は具体的に言うとどんなものですか?」


「それが特に決まっていなくて・・・」


「ならこちらの水晶に触れてください。」


水晶はクリスタルブルーで綺麗に透き通っていた。触れと促された水晶は優れものだった。効果はそれを触ると触れた本人に一番合っている魔道具がわかるというものだった。

早速手を置くと店の奥から物が落ちた音がした。


「あれ?裏にあるものですか。今取ってきますね。」


店員が店の裏に入っていった。


「きっとかっこいい武器ですよ。」


「そうだといいんですけどね。いつまでもリアに守られっぱなしというのは少し気が引けますし。」


そんな他愛もないことを話していると中から60歳ぐらいのおばあさんがでてきた。手に箱を持っているから俺の武器を持ってきてくれたようだ。


「あんたかい。さっき水晶使ったのは。」


「いえ私じゃあなく、私の夫です。」



どうやらおばあさんはリアが水晶を使ったと勘違いしているようだ。

どうでもいいことだけど夫って呼ばれるのいいね。


「あ、はい。僕です。」


「そうか。あんたが・・・。」


おばあさんが俺の顔をじっと見つめている。するとおばあさんが俺の武器が入っている箱を開けた。


「この武器を見たことがあるかい?」


中に入っていたのは2丁のハンドガンと刀の柄だけのものだった。柄は俺が日本でみた日本刀についていたものよりも少し長い。


「いえ、ありませんけど。」


「そうか、お代はいらない。」


「え?なんでですか、。見る限り高そうじゃないですか。」


なんでもこれが店に売られたのはおばあさんの3代前の店主だったそうで、その代にこの店に来た男がこの武器を売っていったのだとか。ただ、この武器を使えるものが一人もおらず一時は国が力を入れて探したこともあったのだとか。その過程で国がこの武器を使えたら無料で持っていっていいと宣言したのが50年前。その間に使えたものは一人もいなかったのだ。


「そんな大層な武器を貰えるなんてよかったですね、あなた。」


「そうだね。でもおばあさん何で皆この武器を使おうとしたんですか?」


「聞いた話だと武道大会の優勝者が使っていた武器だそうだよ。」


「へー。でも無料でもらえるんなら貰っておきます。」


その後発火用の装置を購入したあとリアとお店を出た。





「レオナート様リア様、見つけましたわ。」


「「あっ!メイド長!」」


「なにをこっそり宿から抜け出しているのですか!」


そう俺とリアはこっそり宿から逃げ出してきたのである。


「公爵家の主として恥ずかしくない行動をしてください!そもそもですね・・・・」


俺とリアはそのあと数時間にも及ぶ説教をメイド長からされたとさ。

どうして宿から抜け出したのかというと二人っきりでデートをしたかったからだ。もしもお忍びではなく公爵家の主として外に出ると家来が少なくとも10人はついてくることになり、店なんかに入れたものじゃない。因みに宿から出るときは空気魔法を使って俺とリアを透明にして逃げた。これは俺が兄たちからの虐めから逃げるために作った技だ。


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