表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『ハズレ魔法』空気使いの三男坊  作者: エア・ラビット
零章 ヴィアベル家に嫁ぎます
3/13

2話 親父が死んだそうです

「さてレオナート、まだこちらについて一晩しか過ごしていないところ申し訳ないが一度お前の実家に戻ってくれ。」


今俺は朝食を自室で楽しみにしていたところグレアラン様から声がかかったのでグレアラン様の部屋に来ている。すると何故か実家に帰れといわれてしまった。


「理由をお聞きしてもいいでしょうか。」


「勿論だ。お前の父親が死んだそうだ。」


「それは本当ですか?」


俺は悲しくはない。これは強がりでもなんでもない。何故なら最後に話したのが2年前だし、いつも兄弟から虐められているのをみても無視され続けたからだ。


「ああ。朝早くに手紙が届いた。」


「そうですか・・・。」


「泣いてもいいんだぞ?」


「御冗談を。」


グレアラン様は俺の置かれていた境遇を知っているために俺の心情をはっきりと把握しているようだ。


「それで兄弟はなんといってきましたか?」


「この手紙を読んでくれ。その方が速い。」


「では、失礼して。」


グレアラン様から渡された手紙に書かれていた内容を簡単にまとめるとこんな感じだ。

・父が死んだため葬儀に俺も参加するように

・その際俺の奥さんつまりリアもつれてくるように

・その代わりに香典、兄弟なのだから金を沢山出せよということだ


「すみません。兄弟が迷惑をかけて。」


この場合の兄弟がかけた迷惑というのは寄付金を高くしろという命令だ。具体的な金額が書いてないだけにこちらから意図的に少なくすることもできるが、それをすると甘く見られる。逆に多く払い過ぎると何かある度にこちらに頼ってくることになる。


「気にするな。金に関しては俺が用意しておく。この家に来るときに貰った支度金はもうないだろう?」


「いえ、そもそも支度金を貰っていません。」


「おい、じゃあどうやってこの家まで来たんだ?」


「親しかった家来たちが俺の知らないところで金を集めていたようでそれを貰いました。」


「そうか。まぁいい。お前には朝食を取ったらリアと一緒に出てもらう。」


「そんなに早くですか?」


ここは辺境とはいっても足の速い馬に馬車を引かせれば少なくとも20日あればつく場所に位置している。


「ああ、偶然にも葬儀にギリギリ間に合うかどうかのタイミングに手紙が届いたんでな。」


明らかに兄弟の仕業である。この世界における葬儀に遅れるとその分金を払わなければいけない。これは死体の保存を行っている魔道具の使用料だ。


「本当にすみません。」


「いい。それよりも速く支度をしてこい。」


「はい。失礼しました。」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ