1話 俺の奥さんマジでかわいい
プリンたべたい
「お久しぶりです。グレアラン公爵」
今日は記念すべき俺の16歳の誕生日です。
とはいったものの今まで一度たりとも一度たりとも祝ったことはないが。
そんなかわいそうな俺レオナートは今グレアラン公爵の領地ヴィアベル領に来ている。
「ああ。久しいな。8年前のパーティー以来か。」
俺がここに来たのは他でもないこのヴィアベル家の長女に嫁ぐが故である。
その長女は一度も面識がないが、このヴィアベル領の次期頭首だ。
何故男ではなく女なのかという理由は、この今俺の目の前にいるグレアラン様の奥さんは長女を生んで以来子供が出来なくなってしまったそうだ。だが、グレアラン様が大層な愛妻家だそうで絶対に別で妻を取ったり養子を取ろうとしなかったのだそうだ。
元は日本に住んでいた俺は当たり前のように聞こえてしまうが、公爵家が妻を何人もとるのは普通なのだそうで、周りの貴族からの圧力によくグレアラン様は耐えきったと思う。因みに俺の父親の妻は14人いる。
「はい。覚えていて頂いて光栄です。」
「それはそうだろう。俺がお前を俺の娘と婚約させたのだから。」
「とはいっても、お前は8年はまだまだ子供だったからほとんど覚えてないだろう。」
「いえ、そうでもありません。あの時のことはしっかりと記憶に残っています。」
「そうか。ならいい。」
8年前に王城でパーティーがあった。その時に俺は親に連れられパーティーに婚約相手を探しに出向いていたのだが、俺の魔法の適正が空気というと皆こぞって俺から離れていった。貴族というのは魔法にプライドを持っているからそれも仕方ないだろう。
そんな中俺に声をかけてきたグレアラン様だ。なんでも俺をみてビビっときたのだとか。
「早速だが、お前には娘のリアとあってもらう。入ってこい。」
グレアラン様の声がかかり入ってきたのは執事一人とリアだった。
「お前の夫となるレオナートだ。初対面だろうから挨拶しておけ。」
「はい。レオナート様。お初にお目にかかります。グレアランが娘のリアです。不束者ですがよろしくお願いします。」
「はっ、はい!レッ、レオナートです。これからよろしくお願いします!」
やばい。つい見とれてしまった。
俺の目の前に立っているリアは美人だった。髪の毛はとても綺麗な金色をしている。
文字で表すなら清楚といったところだろうか。兎に角綺麗でかわいい。その言葉に尽きる。
「ええ、こちらこそよろしくお願いします。」
「は、はい!」
「そんじゃあ、挨拶も済んだみたいだし少し早いが夜食でも取るか。」
その後俺はリアに案内され二人で食堂らしき部屋に向かった。
「それじゃあ乾杯!」
食堂で机に座って食事をとっているのは俺とリアそしてグレアラン様だけだ。
食事にでたのはあまりおいしくないフランス料理のコースだ。だが、それは比較対象を日本にしたときのことであってこの世界では最高級といえるものではない。
「あの、グレアラン様。家来の方たちはいつ食事をしているのですか?」
「それは勿論俺とリアが食べ終えた後だが?それがどうかしたのか?」
「いえ、ただ僕は普段家来と共に食事をとっていたもので。」
「それは本当か?」
「ええ、上の兄弟は別でしたけど。」
グレアラン様とリアがとても驚いている。何をそんなにも驚いているのだろうか。俺は前の屋敷にいたときから自分と親しい家来と食事を共にしていたのだがおかしかっただろうか。そういえば家来も最初は渋っていたような気がする。
「そうか・・・。はっきり言うとそれは異常だ。家来は主人が食事をとった後に食事をとるものだと相場が決まっている。」
「そうだったんですか・・・。」
正直寂しい。だって俺はザワザワした雰囲気が好きだからだ。そのため家ではいつも家来といっしょにご飯を食べていた。
するとグレアラン様がニカッと笑った。
「だが、今この家では既に頭首はリアになっていてその次に偉いのはお前になっている。この意味が分かるな?」
「え、いいんですか?・・・なら家来の人たちと親睦を深めるという意味も込めて次回から夕食の時間できる限り皆で一緒に取るということで。」
「リアは構いませんか?」
「ええ、旦那様。」
リアは快く受け入れてくれた。やっぱりこの子はすごくいい子だ。
「か、畏まりました。では明日からそのように。」
執事長らしき男が戸惑っていてが少しうれしそうに返答してくれた。
このことが一気に領民の間に広まり、領民にレオナートが認めれることになるのだがそんなことを知ることは恐らくないだろう。
その夜俺はリアの部屋に行くことになる。
理由は言うまでもないだろう。俺は正直なところまだ行為には出会ってから速すぎると思うが貴族というのは初夜は共に過ごさなければならないようなのでリアの部屋の前に立ち扉をノックする。
「リア、いますか?」
「は、はい。」
中から夕食の時に聞いたこえよりも明らかに震えているリアの声が聞こえてきた。
リアも初めては怖いのだろう。なので俺はある一つの覚悟をして部屋に入る。
「は、初めてですので優しくお願いします。」
中に入ると薄着を着て今にも泣きだしてしまいそうなリアがベッドの上に横たわっていた。
俺も男なので興味がないことはないが、怖がっている子とするのは気が引ける。
「リア、今はまだやめておきませんか?」
「は、はい?もしかして私じゃダメですか?」
「いえいえ、そんなことはありません。ただまだお互いのことをよく知らないと思うんです。」
リアは下を俯きながら黙って俺の話を聞いてくれている。
「だからこういう事をするのはもう少し先ということで。」
「わかりました・・・。」
良かった。どうやら分かってくれたようだ。
「じゃあ。その服を着替えてここで待っていて下さい。渡したいものがあるので。」
「はい?分かりました。」
そう言い残して俺は部屋を後に厨房に向かった。
厨房は既に電気が消えていて誰もいなかったので好都合だ。
まずはソースからだ。
少なめの水に砂糖を溶かして火にかける。
そして茶色なり甘い匂いがしてきたら少し火力を弱め水分を適度に飛ばす。そして小さなコップに平らになるようにソースを入れて冷蔵庫にいれる。
冷蔵庫といっても業者が近くの氷山から持ってきた氷を入れた箱だが。
そのあと空になった鍋に牛乳と砂糖とこの世界では超がつくほど希少な生クリームを少し入れ軽く加熱してそのあとに空気魔法を使い真空にする。そして一気に冷やして固くなったのを確認してソースをかける。
はい即興プリンの出来上がり。
「はい。リア食べてみて。」
リアの部屋に戻り着替えがすんでいるリアにプリンをあげるとやはりプリンを見たことがないようで驚いていた。そこで俺が最初に一口食べたのを見て安心したのかようやく口に運んでくれた。
「おいしい!なんていう食べ物ですかこれは!」
「あ、ああ。プリンっていう食べ物だよ。喜んでもらえたようで何よりだ。」
その後リアからプリンについてあれよこれよと聞かれて質問攻めにあったがもう夜も遅いのでという理由で俺は部屋を後にすることにした。
「それじゃあ。おやすみなさいリア。」
「はい、おやすみなさいあなた。」