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13 かけっこ
「かけっこの順位」
ウサギは一位。
カタツムリ二位。
足の早さを決めるかけっこ。
審判官が見てる中、
一年通して決められた。
ウサギは一位。
カタツムリ二位。
ツバメもハエも、
一位にはなれなかった。
そして、お日さまの光も。
さくのくいは、
熱心さと親切を。
沼のおかみさんは、
愛国心を。
森の測量標は、
アルファベットの並びを。
ラバは、
持っている性質を。
それぞれ基準にしていたが、
野バラは心の中で思う。
お日さまの光こそ、
名誉の一等賞をもらうべきだ、と。
一番面白かったのは、カタツムリが夢中になりすぎてももの骨を折ったこと。
◯詩に関して
作中で「早い」とあったから、「早い」と書いたけれども、足のはやさだから「速い」ではないのだろうか。それと、話の最後で、ラバが「なにしろ、はじまりが、こんなにすばらしいんだからねえ」と言うセリフがあるのだけど、『はじまり』が何を指すのかが分からなかった。森の測量標の言葉から、今回のかけっこが第八回にあたるものだと考えられるので大会の『はじまり』とは言えないし。