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アンデルセンの童話  作者: 半信半疑
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01 マッチ売りの少女

「誰かが手を差し伸べたなら」


 彼女から見れば、

 ほとんどの人は金持ちだったのかもしれない。

 彼女よりも贅沢をしている、

 そんな風に考えたら、

 私だって金持ちだ。

 

 日々の食事に困ることなく、

 マッチなんか売らなくても生活できる。

 大晦日にスリッパを履いて、

 けれども大きすぎて脱げてしまい、

 裸足でマッチを売ることもない。

 また、マッチが売れないからといって、

 父親にぶたれる、などと考えることもない。


 母親のつくるごはんはおいしいし、

 大好きな物語だって読める。

 寒空の下で震えることもなく、

 寒さをしのぐ為にマッチを擦ることもない。


 もし、マッチが不思議な光景をみせる前に

 誰かが手を差し伸べていたなら、

 彼女は生きていただろうか。

 おばあさんと共に、天に召された時と同じような、

 やさしい笑顔でいれただろうか。



「マッチ売り少女の愚痴(仮)」


 お父さんが働いて、

 私達が無事に過ごせるだけのお金が

 あれば、そうすれば、

 

 大晦日の寒い日に、

 裸足でマッチなんか

 売ることもなかったのに。


 家の中で

 あたたかい暖炉の前で、

 過ごせたのに。


 大きすぎるスリッパなんか履かず、

 足が赤くて青くなる、

 そんなはずなかったのに。


 マッチを擦って、

 不思議な光景を見ずに

 すんだのに。


 召されたはずのおばあさまと

 新しい年を天で過ごす、

 なんてことにならなかったのに。



読んでみて考えた感想と完全なる想像・憶測

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