魔導召喚 31
夢を見た。
曇っていて星は見えない夜。
周りは殺風景だが、妙に知っている場所だった。
「目が覚めたか小僧」
低く渋い声だ。男の人だ。でも帽子で鼻の上を隠している。口は見えているが、その表情からして苦笑いを浮かべているようだ。
「あなたは、いったい……」
「まあ、少し座れ」
男を隣に座る。
カムイはその男が誰だったのかを思い出しながら男の声を聞いていた。
「無茶な戦い方したようだな」
反省な面はある。
「ごもっともです」
「仲間を守ろうとしたんだよな、そこは感心するぞ」
男はそっとカムイの頭を撫でた。
「忘れているだろうけど、お前は忘れようとしても忘れないだろう。思い出したら名前を言ってくれ。守護神と同じ、正式な名前を教えているはずだ」
そこで目が覚めた。
ベットから体を起こし、鏡を見つめる。
半獣の顔立ちだ。苦手的な印象を浮かべながら、蛇口をひねり、口を漱いだ。
部屋から出るとセンたちが待っていてくれた。
「飯だぞ」
下の階で購入したものだろう。ジャムパンと牛乳パックが机の上に置かれていた。
壁に掛けられた時計を見る。時間はまだ試合から一時間もたってもいなかった。
「俺達勝ったんだよな」
「そうだな。結果的にはよかったが、次の試合出られそうにもないな」
センは妙に弱気だった。
「どうしたんだよ、そんなに弱気になっ…――!」
左指に包帯が巻いている。
動かせないのか食事していてもまったく動かしている節がなかった。
「見ての通り、次の試合では出られない。だから、コイツと一緒に出てくれ」
「セン…ああ、勝って見せてやる!」
センを宿屋において、二人で次の試合を目指して進む。
あの夢が何だったのか思い出せないが、あの能力のことを知っているあたり、守護神と似たような関係なのかもしれない。




