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新世界~魔導召着衣師~  作者: 匿名(未定)
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 王宮にて急きょ、呼び出されたレーディ・アルマ・フィアンは、侍女のアリスタを連れてやってきた。

 部屋に入ると窓は閉められ、魔法といったものだろうか、人影は見えるのだが、その人の姿を目視することができない。光が入らない部屋だからかもしれない。

 人型の影は全部で2体、そのほかに原型が分からないのが2体にいる。そのうちのどれかから声が発せられた。

「さて、お主の力をぜひ見たいと思いましてな。7日後に行われるゴブリン王討伐およびギルド式典のいずれかに参加していただきたいのですがな」

 60代ほどだろうか声が低い男だ。

「この若造に対してゴブリン王討伐は獄と見えようぞ、わらわならギルド式典に参加し、ギルドを発展・貢献しているという部分をアピールしてほしんじゃの」

 気品とはいかないが少し濁りがあるような女性の声だ。


 彼らがいう『ゴブリン王討伐』と『ギルド式典』は7日後に行われる特別な儀式のようなもので、各ギルドに所属するものは『ギルド式典』に参加し、ギルドから支援している町か国へ発展のための力を与えているかを試す『発展』とギルドの維持だけでなくその上に位置するギルドに貢献しているかを試す『貢献』の両方を見る形で、ギルドに5日間の猶予が与えられる。その間に今までお世話になったギルドやこれからお世話になるギルドが力の底を上げて『ギルドグランプリ』に出場するといった形式である。

 『ギルドグランプリ』では参加が認められたところに紹介状が贈られ、正式に参加が認められる。ギルドグランプリは各自で露店を開いて、物々を売りさばいて利益を上げる。

 もっとも利益が多いほど優勝する確率は高まる。一方で、他ギルドへの妨害は固く禁じられているわけではないため毎年のように上になるものは有利になり、下にいる者には妨害によって撤退する。

 競争競技というよりも他者との攻め合いでつぶすというものだ。

 ギルドグランプリは全ギルドの中からトップ10が選ばれる。その中に入ったギルドには階級と名誉な称号、報酬金が与えられる。これはギルドに所属するものは必ず参加してメリットが豊富なイベント行事。

 もう一方の『ゴブリン王討伐』は、クエスト用の者ではなく各ギルドに宛てられる、この時期にだけのイベント企画。

 ゴブリン王は7年に1回の割合で王が変わる。もちろん支配している箇所や威厳、力も変わってくる。王は王となるものにふさわしいかどうか知るために近辺のゴブリン軍を動かして、ゴブリンの王としての力を認めるためにゴブリン並みに知恵を振り絞った知恵で貢献する。『王討伐』する理由は毎回、王の中にはキレる者もいて、式典最中に街を貶したり、国を崩壊させたりとヤンチャなことをしでかす。

 王は王であっても、問題を起こす王であれば、問題を抱えている国に手助けするなど良い王もいる。その判別を決めるのが少々難しいものである。この期間では王を味方にする者はいない。亜人族である理由も述べられる。『王討伐』の期間中は人民が味方にすることは禁じられているからだ。破ったものは即死刑となる。

 間違ってよい王を討伐してしまうと、後で問題が山積みになってしまうため、選ぶのは慎重しなくてはならない。そのため一定期間内でその王はどのように貢献し発展し協力してきたのかを明確に知っておかなくてはならない。それができないのであれば、参加すること事態が恥である。

それに悪い王によって被害が増大する前に討滅するという方法で解決するのも『王討伐』の任務となる。

 このような意見が黒ノ残影騎士団から直々に申し入れられるということは、この2つにこの騎士団に入るための資格を試しているよう実も思える。どのみち2つのイベントには参加する予定であった。今なら、この伝説とも呼ばれるこの騎士団に自信の力を披露することができるかもしれない。

「お2人の話はごもっともでございます。わたしでもその2つのイベントは大いに祭りごと以上でございますので、2つともお受けいたします」

 その場の冷たい床に正座し、深くお辞儀をする。

「王子殿、そのようなことはしてはなりません!」

 侍女の隣で――の様子だった。

「よいのだ」

「しかし!」

「よい、これは王であるという名ばかりの地位、目の前にはそれを超える者たちだ。我は地位も名誉もいらない。ただ、役職の力を猛威にふるまいたいという欲望だけだ」

侍女の言葉を無視して地位や誇りを猛威に地を落とす。そのようなものは王子であろうと、周りには見せてはならない行為。だが、目の前にいるのは伝説の騎士団たちだ。2つとも問題はない。

「ふむ、理由はどうあれ、2つとも了承するというのなら、期待しておるぞ」

「其方も期待しているというのであれば、我も其方に期待しよう。だが、グランプリであれば『Top3以内に入ること』、『王討伐』で被害を出さないことを条件だ! それを守った時には其方を銀影騎士団に歓迎しよう」

「は! 仰せのままに」



 会談を終えたあと、レーディはギルドサブマスターにこれから伝える内容を連絡するよう侍女に命じた。

「『これから竜に乗って、我がギルドに向かう。1日でもあれば着くだろう。それまでにギルド式典としてグランプリに出場するため、今まで貢献・発展した情報をすべての下位ギルドから報告をとれ。そして、ギルドに向かう最中に、『王討伐』部隊として名前を指名する。その者たちは2日後に、『森林都市フェルメール』の大図書館に集合だ』と、伝えろ」

「了解しました」

 侍女はさっそく、王の元から離れ連絡手段である帝都の力によって持たされた科学技術『魔道電話機』により、レーディがもつギルドサブマスター宛てに伝言を言い渡した。


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