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龍塔への挑戦  作者: 大山鳥 鈴
Welcome Another World ?
8/15

訓練②

【Sin】

「で、何でオレらが外で出歩かなきゃならんのかね」

『練習です。バカマス』

<七頭>のメンバー全員がアキバ/シブヤに到着するまでの間は暇になる。

<七頭>とは簡単に言えばギルド連合みたいなものである。

参加しているギルドの頭が会議に出席しているから<七頭会議>。

と言っても、参加者の中には出席したりしなかったりと結構不安定な連合である。


『後何処のギルドが着てないんですか」

「エッゾの<白杖組>。ミナミの<紀伊東毛>。ナカスの<B.B>」

「半数近くがですか。相変わらず集まり悪いですね」

「そいつらは本拠地が遠いからな」

残りの4つはアキバ/シブヤをメインに活動しているので先日4名での簡単な会議を行った。

ここ数日で得た情報のすり合わせと言ったところだ。


「いやいや。人望の差だと思いますよ」

「翡翠。てめぇ……」

『それには異議なしだね』

「死花。お前もか」

今日フィールドゾーンに出ているのは訓練の為である。

先日はゴブだけだった為、撃破は容易であったがこれから、この世界でしばらく生活するには上位のモンスターを相手取る機会が多くなるだろう。そういう訳で外で訓練している。

(本当は適当にさぼりたいが護衛(監視)が居るからな……)

小隊構成はオレと死花、翡翠、それと少し離れた所にD-ragoが探索を続けている。

取り敢えず自分が掲げる一般的小隊編成である。何も問題なく森を抜けしばらく休むことにした。


「D-ragoはすぐくるって」

「アイツ、オレたちの場所わかるのか?」

「さぁ……どうなんだろう」

D-ragoはサブ職業が索敵向きの<追跡者>ではない。

ミニマップが使えない現在、どうやってオレらを見つけるんだか。

(んなことは如何でもいいか……)

「さぼるついでに昼寝スポットでも探すか……」

現実世界では中々味わう事の出来ない、良い日差しだ。

こっちの世界には布団が在るのかと、どうでもいい事を考えていたら。


「Sin、起きて」

いつの間にか寝ていたらしい。

「オレは寝てましぇん」

「思いっきり爆睡してたよ。それより下見て」

「ふぁ?」

指さされた方向には数人のプレイヤーが確認できる。大方こんな辺鄙な場所に来るんだから訓練だろう。

と寝起きの思考で考えていたら、一人弾けた。

「起きて早々目に入れたのがPKか。目覚めが悪い」

「どうする?」

「潰す。付近呼び、1-1-2。(しば)盾俺(オレ)

「了解』

出した指示を即座に理解してくれたようだ。

やはり、突発的な局面で指示を出すにはメンバーの方が良い。

出した指示は『付近のメンバー呼んで、隊列1-1-2を作る間、暫く盾は俺がやる』

崖を飛び降り両足で戦闘の中心に着地する。

襲われているのはレベルが20に満たないプレイヤー2名。概ね初心者(ビギナー)だろう。

逆に襲っているのはレベル80と割と古参か上位のプレイヤー5名。


(何も考えず飛び込んだのは不味ったな)

だが、現実で何時も言われていることを、実際にしないのは自分に吐き気がしてしまう。

「さーて。どういうことか簡潔に説明してもらおうか」

「<Zero・Infinity>?。聞いたことねぇギルドだ……」

「よく言われるよ。小規模精鋭ギルド路線なんでね。覚えておいてくれよ」

「生意気だな。囲んで畳んじまえ」

『<護法の障壁>』

ベストタイミングで障壁が張られる。上から死花が支援している。

全体にしたという事は、後ろの2人も意図通り同時に守るためだ。


『翡翠到着です』

「敵のジョブ確認。足止め(バインド)後方(バック)回復(ヒール)

『了解。ギルマスの回復は放棄します』

「応さ」

頭数が単純に負けている為、足止めできるのは精々2人が限界だ。

いつもは使わない二刀流で2人の物理職を止める。


『確認。敵正面、武士/暗殺者/。後方、クレ/ドル/妖術』

「足止め、武士。暗殺者は3秒で……」

その時、報告より先に前方の紫色の煙に気付く。

「『<デスクラウド>』か」

広範囲の攻撃魔法。障壁は既に2名の攻撃手により割られている為、徐々にHPを削られる。

こういった連携をしてくるあたり、場数は踏んでいるようだ。そして、最も効果的な攻撃だ。

後方に居る2人は怯えている為、まだ立って歩いてすらいない。

このままでは、障壁が脆くなったうえで脈動回復が切れる。

これは不味い。ざっと見積もって15秒……。足止めが途切れれば10秒持たないな。


『空中に注意しろ。<ワイヴァ―ンキック>」


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