現状整理
「起きた~? ギルマス」
「起きたぞ、T-basaの妹」
「こっちじゃ、鶯だよ~」
そういう少女は<吟遊詩人>/<->の鶯。レベルは現在のメンバーでは一番低い50台。
現実世界ではT-basaの妹。という程度しかオレは知らない。
D-ragoはもう少し知ってるらしい。
「概ね、復活方法は蘇生ってところか……」
「寝起きなのに頭冴えてるね~」
「で、何で下がやたらと騒がしいのか。教えてくれると助かる」
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騒々しいのは(オレがやたら使っていた)鍛冶場の工房。周辺の道具や施設はやはり本物になっている。
そこで何やら話がにぎわっている(ように見える……)。
「喧しいぞ、子供か。お前らは」
「あ、起きたのか。これを食べるといいぞ。元気になる」
出されたのは肉まん。そういえば、朝(向こうは夜)から何も食べていない事を思い出した。
「いただくぞ。うぇ……。何じゃこりゃ」
口に入れた瞬間、戻した。味がしない。この一言に尽きる。
「やはり味覚バカにでもこれは分かるか」
「主犯はお前かD-rago……。そして共犯者は周辺」
「それは、倉庫にあった飯の一つだ。味もないし触感もない」
「なら、お前が作るか、コマンドで作れ」
死花の<料理人>のレベルは70台。作れる料理の種類は多い方部類だ。
それで何もできなかったとなると……。
「そんなことは、もう試した。だからお前に此の手の嫌がらせを仕掛けた」
「それもそうだな! 確信犯共が」
「素材アイテムは味がするから我慢していろ」
胡瓜に塩だけ振って食った。これならオレは3日は生きていける。
「……。ヤバい!」
「どうした?」
市場を確認すると食材に分類される素材は完全完売。贔屓先も売り切れ状態である。
完全に後手に回ったという事である。
「そういえば、倉庫管理人は今居なかったからな」
「左門さんか……。今何処に居るんだか」
「全員ギルマス部屋にこい」
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「これから現状整理と解決策を今日中に作る」
全員で話し合った結果
・戦闘面の慣れ
・飯
・合流&七頭会議
この3つに決まった。
「Geki波さんとT-basaで<BLUERaider>と戦闘訓練だ」
「食糧問題解決は<碧蛇>/<白杖組>との連携でしばらくは……」
「兎にも角にも、7人集めて話しあいだ。大きく動くのはそこからだ」