迎えに向かえ②
そこからは、オレとT-basaによる蹂躙による圧勝であった。
後続のゴブも'盾用意/ヘイト操作→攻撃'の基本戦術だけで余裕で屠った。
一段落してからアキバに戻る道中。死花とともに移動中。
「ったく、だから言ったろ」
「ゴメン」
「まぁ、初回の戦闘から こんだけ動けるオレやアイツがおかしいだけか」
ハッキリ言えば現在進行形でも恐怖はない。会敵して真っ先に感じた感情は興奮である。更にそれは、戦闘中に徐々に高まっていた。現実世界では大して動けないがこの世界ならと完全に後ろの事を忘れていた。おかげで何体か零したわけだが……。
「っつ! いてー」
「何してんの!」
「なーに、オレも区別化できてなかったみたいだ。そのミスで、お前を危険に巻き込んだ」
刀を自分の右手に突き立てたところで、何の弁明にはならないことは承知だ。
だが、やはりこの世界でのミスは許せない。痛みは本物だし、血もリアルだ。
一歩間違えば待っているのは '死' だ。ゲームなら復活するが、現実であるなら即ゲームオーバーである。
「回復魔法ないこと分かってるでしょ」
「心配すんな。帰って寝ればこんなのは簡単に治るっての」
「傷はそうだろうけど。いや、そうじゃなくて……」
HP減少の音がやりまない事に今気づいた。
使った武器の攻撃で如何やら状態異常が付いたようだ。
確認すると、 状態異常:毒 。
「Oh,no……。やっちまったぜ」
そして、HPバーが0に到達し卒倒した。
目覚めたのは<大神殿>でなくギルドホールの自室だった。