レイド開始
五重塔に到着。
編成されたメンバーは以下の通り
第壱パーティ:蒼剣、Castle、Geki波、Midori、優、逝苦
第弐パーティ:Sin、浅桐、氷上、橙 夕暮、黄ニャ、奏
第参パーティ:力神、T-basa、D-rago、烏丸、笹葉、森野成礼
第四パーティ:柊、死花、灯心、神流河、C-Chicken、Dr.左門
「それでは行きましょうか…この塔に我々の会議旗をたたさせる…腹を括ってください」
「覚悟は元より決まってら……楽しもうぜ」
「稼ぎ時だ。気を引き締めていこう」
「勝利を祈ります」
レイドの重き門をパーティ小隊長たちが開ける。
その重き門からは光が差す。
「出撃!」
蒼剣の宣言でレイドゾーンに入る。
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通常のレイドのゾーン構成はダンジョンの拡大強化。多くの小部屋や通路が存在する。
また、複数の広大なゾーンで構成されている。
ここで、目的のアイテムを見つけたりゴールを目指し奥へと進んでいく。
今回のレイドゾーンは作りが比較的簡単なモノになっており、踏破が目的である。
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【蒼剣】
「エネミー、確認!」
『列挙しろ』
『直進ライト方向。ゴーレム×3。アベレージ75』
Sinから提案された。パーティーは一般的なモノ+本人の意向でできている。
第壱小隊は壁役の'盾'を行う。
敵と正面から戦い、四小隊中最高の硬度を求められる。
私たちが崩壊する = 戦略自体の崩壊 を意味する。
【力神】
『追加。スライム×4。アベレージ70』
「引き受けた」
第参小隊は遊撃役の'忙殺'を行う。
第壱の取りこぼしや、不意に現れる追加モブの担当を行う。
状況に応じた柔軟な対応、対処が求められる。
「2体漏らすぞ、第弐」
【Sin】
「了解、行くぞ浅桐!!」
『OK』
第弐小隊は物理攻撃の'剣'を担当。
オレ達は攻撃を主任務として行うため、火力重視(+αで補助役)
のメンバーで固めてある。
その為……
「おい、あっちで奏が落ちたぞ」
「何やってんだアイツ……。柊さん、お願いします」
非常に紙装甲である。
【柊】
「よろしいですわ。<魂呼の祈り>」
第四小隊は回復や補助の'救急/補助'を担当
第弐の脆弱性や第壱の回復保険を担当する。
また、戦場を一歩引いたところから目視し、注意警戒を行う。
『サンキュー、ギルマス』
「死に物狂いで頑張りや」
【蒼剣】
以上が今回の攻略の作戦基盤である。
「わっしょーい」
「おりゃ」
レイドゾーンのモブは一般ゾーンに存在する敵と比べて一線を画す。
<大災害>以降、レベル上限は100までとなっていたが、気を抜けば
「ちっくしょー」
『今度は、浅桐ダウン。蘇生よろしく』
確実に落とされてしまう。
『スラ2体撃破。援護に行くぞ』
「了解です、1体こぼします」
「良いアイテム落ちたかー?」
だが、強いだけあって良いモノを落とす。
中には特技の階級を上げる巻物やアイテムの補習素材などなど。
これらを使い、現状より品質、性能の高い武器や装備を揃える事が出来る。
これらを駆使し、次のレイドゾーンの攻略に役立てる。
【Sin】
(そう考えると、やっぱりレイドはMMOぽいよな~。最たる例は'怪物狩人'だけど……)
このネタで勝たれる相手が参加していないのが非常に残念だが。
そうして、奥に進むにつれ5-10の特殊なモンスターに遭遇する。通称レイドボス。
HPは数えたくない程の量を持つ。技も一撃一撃が非常に強力かつ多彩である。
そして、ゲームらしくHP残量に応じてそれらを変えてくるため非常に厄介この上ないのだ。
「これが、レイドの基本だ。分かったかね、初心者3名」
幾つかのゾーンを攻略後、休憩がてら新規の参加3名に講習的なことをしていた。
他のメンバーは装備の状態確認や斥候に出ている。
「じゃぁ、まだボスとは戦闘してないってことですね」
「そゆ事になる」
「どれだけ強いんすか」
「それは会えば大体わかるし、絶望するし、感激するだろうな」
数分の休憩/講習後。Dr.左門は目を開け立ち上がり柔軟運動をしている。
斥候が完了したようで、作戦会議を簡潔に始める。
「敵影確認、赤い巨人×1ですね。ランクはレイドですね。大きさは5mレベル」
「レイドボスで確定ですね」
オレは<魔法の鞄>から紙とペンを出し作戦を考えていく。まずは疑問点を幾つか。
1.武器不明 2.属性不明 3.パターン不明。基本的な問題だけ出していく。
「基本戦術に沿って戦線展開かな。左門さんこれに書き足しといて」
「いいだろう」
「では、攻めますか。総員準備を」
蒼剣は修復の終わった<大輝剣>を振り回し背中に戻す。
同じように全員が調整の終わった武器を装備し直す。
通常戦闘を可能なだけ避け、目的地に到達。
「敵影確認。名前は……」
『我が名は<地の番人 ガイアドレイク>である。尋常に参る!』