ケース2-3 無駄
また説明回ですねはい。
ごめんなさい何か話始まった感じしないで。
俺が石ころをいじっている間に、メールが来ていた。
「至急源都 ビギニングの売買中継所に集合せよ byデバック運営係」
と書かれたメールだった。
ちょう辺りでも、一部のプレイヤーがビギニングへと向かい始めているようで、何かがビギニングの売買中継所で行われることは明白だった。
「おい、zwei。」
唐突に後ろから声をかけられて、誰か再度確認するために(情報ウィンドウですでに一度は確認しているから)後ろに振り向く。
そこにいたのは俺の入っているデバックチームの一つ『Anfang』のチームリーダーである「eins」の姿だった。
デバックの仕事はプライバシーに重点が置かれており、たとえ同じチームのデバッカーであろうと、顔を合わせることは通常ではありえないようになっている。
そのため利便上チーム内の一人一人にはニックネームのようなものが付けられる。
俺はさっきeinsに呼ばれたとおり、「zwei」というニックネームがあり、Anfagには俺とeinsを含めて五人のメンバーがいる。
基本的に仕事はまず最初にリーダーにおろされ、チーム内で分配し、処理する。
チームリーダーの選定基準は明らかにされていないが、ある程度のリーダーシップと経験が必要だと推測されている。
「eins、これはいったいどうゆうことだ?」
「すまんなzwei、俺にもよくわからんし、先ほどビギニングの売買中継所に来いというメールしか、来てはいない」
プライバシー重点とはいえ、付き合いが長いと自然と互いの壁がなくなり、同僚以上友達未満程度という微妙な関係に、俺とeinsはある。
「ならとりあえず、メールのとおりにビギニングの売買中継所に行ってみますか」
「そうだな。話はそれからでも遅くは無い」
☆ ☆ ☆
-ビギニング 売買中継所-
ここで起きたことは、今までの世界の常識が引っくり返る、という意味で『ワールドリバース』という造語を思いついて、プログラムの書き換えによる問題の検証も兼ねてユーザーが使用できるヘルプ
『人間タイプ
第3項 人間タイプが関わる事象
第1条 『ワールドリバース』
未知の青年による不特定多数のプレイヤーがゲーム内に囚われることとなった事象 』
という風に改ざんした。
本来の第一条には、『第一次大規模進化』という人間タイプが生まれるきっかけとなった事象から、初の人間タイプの誕生によって起きた(起こされた)事象全般についてが書かれていたが、その条から1つずつ繰り下げてある。
この宣言が終わり、青年が消えたあとに、
「zwei、一度全員を集めるぞ。この事態にデバック能力を持っている俺たちが行動しないのは無責任というやつだ」
「わかってます。それじゃあは俺は擬似会議室の準備をしておきますね」
「頼んだぞzwei」
「了解です」
俺が軽く承諾したところで、einsは空中で手を忙しく動かし始めたのを見て、俺もまた空中で指を動かして、会議室の手配を始めた。
量は少なくても、投稿ペースはあんまり下げたくないので、少量でもちまちま投稿していきます。