ケース1-2 現状
前回行った割に遅れましたね。
遅れた分だけ前回と比べてちょっとばかし量が多いので許してください。
ディスの言っていたとおり、どうやらあらゆる組織のトップ同士の会合の場がもたれるらしい。
あいにく俺にも招待状が届いていた。
俺もちょっとしたサークルのまとめ役というなのリーダー役をやっている。
サークルといってもほんとうに自由なサークルで、リア友とネット内で親しくなった人たちで集まりやすいようにという意味と、魔物の狩猟管理などをしているハンター組織に狩猟内容を報告しなければならないのだが、その報告が楽になるからといった理由からやっている。
そんな小規模なサークル長にも声がかかるほど、今回は細部にわたって行われるものらしい。
正直言って面倒だから参加したくないっていうのがあるが、参加しなかったで後々めんどくさいことになりそうなので、ちゃんと正装に身を着込んで、指定されたホールへ向かう。
指定されたホールがある場所は、このゲームの最初期の文明が生まれた場所のひとつ『源都 ビギニング』の街の中央にある売買取引中継所、ざっくり説明すると市場のようなところだ。
この売買中継所は普段こそ様々なところから来た人々によっていろいろなものが売買されているが、いざ取引を廃せば広いホールとして利用できるようになっている。
だがモニターの中だったころに見たときよりも少しごたついているように見えた。
「ちょっと散らかってるように見えるだろ?ゲームだったころと比べてオブジェクト関連のコマンドが一部使えなくなっちまってるんだよ」
横からいきなりディスの声が聞こえた。
ディスは普段と|(ゲーム内での話)同じ薄い緑色のローブに、胸元には『ディス総合運送屋』と書かれたシンプルなバッチがつけられている。
「相変わらずいきなり話かけてくんなっつーの」
俺は軽くディスの肩をどついてやった。
「てかお前さぁ、何でこういうとこまで同じ格好なんだよ。いつ見ても安定と安心の『黒衣シリーズ』だけじゃねぇかよ」
「別にいいじゃねぇかよ。黒衣シリーズ好きなんだから・・・」
黒衣シリーズというのは、このゲーム内で有名な武器防具一式の総称で、名前のとおりどこを見ても黒一色といった感じなのだが、デザインがとても独創的で、男キャラプレイヤーを中心に小さなブームを起こした。
ただそれも一時で、よくよく見てみれば軽く痛い中二コスチュームで、ブームが過ぎたあとは新参プレイヤー用の装備か、このゲーム内の中二病の代名詞と化している。
実際は使い勝手もよく比較的性能も高いのだが、素材がちょっとめんどくさいのでハンターとしての序盤の壁といったところだ。
俺はみんながあーだーこーだ言おうと使い始めてから一度たりとも黒衣シリーズをはずしたことはなかった。
「しまいにゃ黒衣シリーズ好きがたたって製作者にわざわざ黒衣シリーズの上級版を作ってくれって金と素材つんだ始末だもんな」
「悪かったな・・・」
念のため言っておくが、俺は中二病でも初心者ハンターでもない。
俺たちが話し込んでいると、突然ホールの証明が落ちた。
『あーお集まりの皆さん、こんにちわ』
証明が落とされた中、ホールに声だけが響く。
すると突然舞台にだけ明かりがつき、そこには一人の白衣を着た青年がたっていた。
そのとき、よこからディスに軽くつついてきた。
「おいあいつのアイコン、スタッフアイコンだぞ」
「スタッフアイコンだって?」
各キャラクターの頭上にはそれぞれアイコンが表示されており、普通のプレイヤーの緑・黄・赤アイコン、ノンプレイヤーキャラクターの青アイコン、モンスターやイベント等で敵対状態にあるプレイヤーの紫アイコン、スタッフやその他関係者プレイヤーの黒アイコンが存在する。
俺の距離からだと青年のアイコンをすら見えないが、ディスは情報屋もやっているだけに視力パラメーターや、情報分析系のスキルをあげているといっていたことがあったから、おそらくそのおかげで青年のアイコンが見えたんだろう。
『みなさん改めましてこんにちわ。私はこのゲームの運営会社『株式会社ジェネシス』より派遣された、いわば説明係といったところです』
説明係?運営会社がこの状況を説明できるってことなのか?
『みなさんこの状況に混乱なされていると思いますが、はっきりと言わせていただきます。今のこの状況はわれわれが『人為的に引き起こした状況』です』
『は?』
俺とディスの声がきれいに重なった。
いや、俺とディスだけじゃない。
もっと大人数の声が重なったような気がした。
それこそ、数えきれないほどの、大人数の声が。
あんまり進んでない気がしますが気のせいです。
ちょっとこれから似たようなねたの作品(SA○とかロ○・ホ○イズンとか)となれべくかぶらせないような展開にもって行きたいので少し考えてから書くので、ちょっと遅れます。