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ソノイチ

「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!!」」」」

そこは悲鳴に満ちあふれていた。100人以上は居る目の前で大人は血を噴き出して倒れた。

『ーーー君たちにはここでゲームをしてもらおう。クリアできたら生き残った人を皆帰そうじゃないか』







 日本のどこかのどこかにある中学校。1組の生徒たちはいつも通りに授業をしていた。総勢30人であろう。

このクラスがある中学3年生は4クラス存在しており、どのクラスも同じような人数である。

5月、時刻は10時44分を指している。

時間的には今は3時間目の授業だ。生徒皆がまじめにうけている———と言う訳ではないが、大半が聞いているようだった。

教卓では先生が黒板に字を書くカッカッという小気味いい音がしている程度だった。


窓際の席に居る隠来かくらいナオは退屈そうに黒板の上にある時計を眺めていた。

秒針は時を刻み続けており、ナオは思う。

ーーーさっさと授業終わらねーかなーまだ半分も進んでねーけど。


時計の分針が動いた。45分になった。直後、教室内はガタン!!!と大きく揺れた。

「な、なんだ!地震か!?」

「わ、わわ、結構大きいって!」

「みんなとりあえず机の下に隠れろ!まずはそれからだ!」

先生の言葉に従い、机の下に隠れる。揺れはどうやら収まったらしい。

しかし、悪夢が始まった。それに気がつくものは・・・当然いない。

いくら中二病真っ直中思考の持ち主もさすがに驚いてはいる。

ザワザワザワザワ・・・

「なぁなぁ、震度どれくらいだろう?」

「本棚崩れてるかも・・・」

「どこでこんな大きな地震が起こったんだ?」

「ねぇ、これって一斉下校でおわれるかな?」

「静かにしなさい!おしゃべりをやめてーーー」

あまりの事態に先生の声も届いていない様子だった。


高田たかだマオは後ろの座席の友達と話をしながら何となく壁を見た。すると、驚くべきことが起こった。

「壁がーーー透けていく!」

「え?マオ何言ってるの?そんなことある分けないじゃ・・・!!!?」


だんだん隣のクラスの中が見えてきた。そして壁がなくなった。

よくよく見るとその向こうの壁もなくなっており、この学年の前教室ーーー4クラス分が全てつながった形となった。

「タク!どういうことだ!!?」

タクと呼ばれた男子生徒が大声で返事をした。

「わからん!これは本当に現実なのか!?」

その「現実なのか!?」と言う言葉に多くの生徒が反応した。

この異常事態には先生たちも動揺していた。

そのときだった。2組に居た先生は首の後ろから派手に血をーーー

それも漫画のような出し方をして黒板に赤い飛沫の跡を残して教卓に倒れ伏した。

壮絶ーーー静寂があたりをおおう。

一瞬にして破られる。

「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!」

あまりの急展開にほとんどの人は何が起こっているか理解できていなかった。

そして教室の放送がようやく振動した。


『『あーーあーー諸君聞こえているだろうか?

残念ながらそこに倒れている教師はもう既に 死んでいる 』』

二重音の音声は男とも女とも取ることのできない、テレビとかによくあるプライパシー保護のような音だった。

普通の放送なら確かに人が出している音だ、と認識できるが、その場に居る全員はその内容の方に驚いていた。

『『こちらはそっちの音も拾えているから多少のことは答えよう』』

先生の1人が声を張り上げた。

「だれだ!こんなことで遊んでいる奴は!木村先生が死んだ!?誰だぁっ!!?殺した奴出てこい!!!今すぐ警察署へ連行する!!!」

その声は普段から厳しいメガネの先生であって、厳しさ故に生徒からも不評だった。大声を出した反動なのか、すこし疲れている様子だった。

『『そんな声を荒げると喉を痛めるぞ?ククッ遊んでいることには違いないがな。

殺した奴はそのお前たち3学年のなかのどこかに居る。ーーーさて、これk』』

「ふざけんなぁ!てめぇ!!死人が出てこれか!!」

するとどうだろう。その声を荒げている先生が電気ショックでもうけたかのようにビクンッと体を震わせ、今度は背中が爆ぜた。

再び血飛沫が広がる。幸いと言うべきか、生徒には一滴も飛んでいない。

『『これで2人目か。さて次は誰だろうな?クククッフハハハハハハハハッ!実に面白い。

さっきの続きを言おう。これから君たちにはゲームをしてもらおうじゃないか。

クリアしたら無事に生き残っている人全員を返してやろう。冗談ではないぞ?』』

放送の間静まっていた教室は再びざわめいた。

『『さて、そのルールなのだがーーー

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