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殺し屋、画策

月1更新間に合わずすみませんm(_ _)m

兗州刺史に曹操を迎えるという話を断ると突然襲われたが、返り討ちにした。


そう皆に説明して鮑信の屍を晒した翌日。


調査の結果、これは曹操の謀略に違いない、と飛躍した結論をくだし、報復のための軍を編成させることにした。


狛や龐統、趙雲、曹豹のおっさんはその不自然さに眉をひそめていたが、今回は嘘を言ってないんだから、そんな顔をされてもどうしようもない。


曹操が関与しているかも知れないという予測を採用しただけだ。


まぁ、これを言ったらせっかくのこの好機を逃すことになるから言わないんだが、別に構わないだろう。


さて、軍の編成だが、曹操軍は援軍のために強行軍なので、逃さないよう騎馬隊がメインとなる。


つまり、呂布軍騎馬隊と俺の軍の騎馬隊は必須。


さらに、騎馬隊を援護するためには走れる歩兵がいるから俺の軍はほとんどの部隊が出陣すべきだ。


となると、僕陽の守りが、御遣い軍と呂布軍歩兵隊になる。


御遣いというより劉備軍は歴史的に正直信用できないんだが、呂布軍ばかり優遇していたら、それこそ反乱につながることになる。


無事、曹操を撃退できたら僕陽のある東郡の太守にでも龐統を任命してやろう。


兗州刺史はやっぱり恋がいいから補佐できるやつがいないとな。


それにこれを契機として、御遣い配下を分離することもできるかもしれない。


集まっていたら、あの夢見がちなやつらのことだ。


俺にはもうついて行けない、とか言ってどこかに行く気がする。


というか、最近は悪辣なことしかしてない上に、やつらは正義の味方ぶってるから、近い未来必ずそうなるだろう。


せめて袁紹を倒すまでは黙ってついて来てもらいたいものだ。



「さて、俺の意見は以上だが、何か言いたいことはあるか?」


「やはり曹操殿と敵対するのは得策ではないと思う。


私の友が配下で軍師をやっているから、同盟の使者として遣わしていただけまいか?」


「却下だ。


そもそもやつは袁紹と同盟していて、公孫賛と同盟しているこちらとは既に敵対している」


「袁紹殿は強大だ。


さらに大きくなる前に共に倒そうと誘えばこちらに靡くのでは?」


「袁紹から独立したいとは思っているだろうが、それは独力でやらなければ意味がないだろう。


そしてそのための兗、青州攻略中の妨害だと俺は考えている。


理由はこれでいいか?」


「……ならば私を戦場へ連れて行ってくだされ。


先程言った友が従軍しているかもしれないのだ。


できれば説得して降らせたい」


「それはまぁいいが、邪魔はするな。


まずはその武をもって素早く敵将を無力化しろ。


勧告はその後だ。


ついでに自軍から騎馬隊の精鋭を百名選りすぐって率いてみろ」


「…………承知した」



そしてこの趙雲も扱いが難しい。


御遣いが反乱を起こそうものなら、真っ先に俺の首を落としに来そうな雰囲気が滲み出ている。


酷いことをしている自覚はあるが、寝取るという興奮させるスパイスに加えて、身体の相性がいいから開放する気になれないんだよな。


昨夜も恋と一緒に喜んでいたからもう少しだとは思うんだが……まぁ、もっと頑張るしかないな。


ついでに背中を刺されないよう気をつけておこう。


特に戦場では何があるか分からないしな。


従軍させるのは一種の賭けになってくるだろう。


まぁ、戦力としては一級品だから使わない手はないけどな。



「さて、話はこれで終わりだ。


兵を集合させ、二刻後に出発する。


ここに残る人間は領内の治安維持と行政の掌握を進めていろ。


それでは解散」



反論もなくなった所で解散を宣言して、軍議を終える。


部屋から出て行く直前に龐統が趙雲に耳打ちしているのを見かけたが、さすがに悪巧みではないよな?


警戒心の薄さからいって俺に聞かせたくはないが、仮に知られたとしても構わない程度の話……御遣い関連、それも未来に関わることかな。


普段から御遣いの未来話を、胡散臭い占い師の言葉かのように聞く演技をしているから、聞いても信じないぐらいに思っているんじゃないだろうか。


そもそも、未来のことは俺も知っているから、隠す必要はないんだが、あっちは知らないしな。


まぁ、変な予測をして態度が変わるなんてことになったら怪しまれる。


勝手な憶測はこれぐらいにして準備を始めよう。


と言ってもやるべきことは少ない。


騎馬隊と歩兵の集合も伝令一つで可能だし、情報収集も既に行われている。


ちなみに、情報収集しているのは、黄巾党の中でも特に足が速かったり、馬の扱いが得意な連中をスカウトして、承諾を得られた人間だ。


こいつらは張三姉妹というアイドルは好きだが、人生を捧げるほどじゃないっていうくらいのファンらしく、三姉妹が幸せになるならついていく必要はないと判断したらしい。


忠誠心が希薄ってことじゃないから、今後も重宝しそうだ。


まぁ、誘拐された張三姉妹が幸せになれる気はしなんだが、知らぬが仏ってやつだな。


と、いうのも誘拐方法を伝授するついでに、お使い男に女を堕とす手練手管を、多額の金を払って妖婦簫建に依頼して習得させておいたからだ。


張三姉妹は誘拐の後、逃げられないよう洗脳にするために、好きでもない男に抱かれ、結果として今ある自由を失う。


改めて思うが、幸せになれそうもないな。


ただ、出立前にはお使い男は見た目から変わっていて、長くボサボサだった髪は短く切って整えられ、ひょろひょろな身体も筋肉質になっていた。


元々の素材は悪くはなかったようで、女好きする顔にもなっている。


以前の不潔感のある男に汚されるよりはまだ、ましだろう。


出会いのチャンスと時間があれば、もっと平和な未来が訪れた可能性はあっただろうに。


つくづく張三姉妹は残念な運命にあるようだ。


まぁ、俺が遠因を作ってるんだから責任があるといわれればあるんだが、気にしないでおこう。


それよりも曹操軍を襲撃する準備が大切だ。


陳留から僕陽までの道には、呂布対曹操の戦いが行われた定陶がある。


ここは 小高い丘などが複数あるため奇襲には最適な場所ではあるが、だからこその厳重な警戒態勢が予測される場所だ。


曹操の噂をすれば曹操が来るって言葉は、その行動の速さと情報収集能力の高さを示しているので、下手な行動はできない。


歴史でも攻城戦をしている曹操を襲った呂布の方が負けている。


先に定陶について万全の準備を整えなくては、勝てない可能性があるな。


となるとこちらも強行軍となり疲労による優位はなくなる。


奇襲によってどれだけ相手を混乱状態にさせられるか、それが問題になってくるだろう。


こちらの主力武将として扱う恋と趙雲は曹操軍の誰に当てても良い勝負をするはずだ。


次点で狛と恋の副官が、用兵も含めて楽進あたりなら対抗できるだろう。


俺も相手に得物がなければそれくらい戦う自信はあるが、長柄の相手には勝てる気がしない。


相手の動きを見切ってカウンターするのが、俺の基本だから、長柄の相手では間合いの関係で攻守ともに決め手にかくのだ。


素手で圧勝できた趙雲にも鍛錬では、閨での恨みを晴らすかのようにのされるからな。


だが、飛刀さえ尽きなければ負けない戦いをすることは可能で、趙雲相手にもそれは実証済みだ。


なんてったって前世じゃあ、銃口の向きから予測して銃弾を躱すような世界に身をおいていたんだ。


人の得物を避けるなんて簡単とは言わずとも、できなくては生きていけない。


まぁ、恋クラスの化け物になれば、そんなこといってられないんだけどな。


普通の弓では恋の力に耐えられないらしいので、十人張りの強弓を渡して矢を撃ってもらったが、避けられる気がしなかった。


手から離れた瞬間に目的地に突きたっているような感じだ。


飛んできた矢を掴む練習をしたかったのだが、流石に怖じ気づいて糜竺に代わってもらったのはしかたのないことだろう。


まぁ、そんなことは置いておいて、今入っている敵の情報によると、曹操自らが兵を率いており、主力武将は夏候姉妹、張遼、典韋、許豬らしい。


恋なら二、三人相手取れると思うが、奇襲したときに同じ場所に三人もいるわけなく、いたとしても組み合わせ次第では詰みだ。


そうなると、恋と趙雲に曹操を狙ってもらい、そこにいる可能性の高い典韋、許豬を捕まえて、他を俺達三人で止めることになる。


恋と趙雲はともかく、俺や狛、副官はかなり厳しい戦いになりそうだ。


そもそも、一騎打ちで勝てるような相手ではない。 


だからといって逃げようものなら曹操を狙う二人が目的を達成する確率が皆無になる。


要するに、死なないようにしながら、必死に止めないといけないってわけだ。


相手は部隊の混乱を終息させないといけないし、相手がどこから来るか分かってないという、強味もある。


どうにかなるはずだ。


まぁ、実際にやってみないと分からないし、考えた所で仕方ない。


いつもより多めの飛刀を持っていくくらいしか、今の俺にはできないか。


夏場にはちょっと暑いが、飛刀を収納できる外套を羽織っていくとしよう。

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