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殺し屋、助言

月一になんとか間に合いました

「じ、実は自分もそのことで、は、話があったんです」



青州黄巾党について質問したところお使い男は吃りながら目をキョロキョロさせてそう言った。


キョロキョロはいつものことだが、吃るのは興奮したときの癖だ。


最初に会ったときはこんなに変な癖は無かったので聞くと、上に立つものを演じているうちは大丈夫らしい。


でも、今は俺の部下だからそうしないんだろう。


演じているときは地味にカリスマ性があるから上下の幅が広い。


というより、このテンションでの熱弁は殴りたくなるくらい苛つくので、常に演じている状態にしてほしいくらいだ。


まぁ前回、張三姉妹を熱く語るときもそうだったが、興奮すると自分を抑えられないから演じることも不可能なので、無理な願いなんだろう。


どうでもいいことを長時間聞くほど今は暇じゃないんだが……



「じ、実は地和ちゃん達……か、か、数え役萬☆姉妹がそ、曹操の治める陳留で見つかったんです!


し、しかもヤツらはち、地和ちゃん達のう、歌を利用して募兵していて、ゆ、赦せないんです」



話を聞くと結構真面目な話らしい。


曹操の募兵がアイドルを利用するというのは驚きだが、確かにああいうのは当たるとデカい。


実働兵力が太守としては破格の一万近くという話だから、曹操は上手く当てたんだろう。


というか、三姉妹は黄巾の乱をおこしたんだから、今後も順調に増えれば兗州だけでなく豫州までも勢力に加えてしまうのは、想像に難くない。



「確かにお前の話を聞いた限りじゃあ三姉妹が進んで協力はしないよな。


おおかた助命と引き替えにって所だろう」


「ぜ、絶対そうです。


だ、だから、仲間を召集するきょ、許可を下さい。


せ、青州には仲間が大勢います。


そ、曹操を殺してち、地和ちゃん達を助けだすんです」


そしてこの世界での青州黄巾党の首領が目の前にいることが判明した。


盛大にため息をついてから興奮して身を乗り出してくるお使い男にデコピン。


何故なのかが分からない様子で額をおさえこちらを見てくるお使い男にひとまず落ち着くように促した。



「いいか、よく考えるんだ。


お前らが三姉妹を助けたいと思うのは勝手だが、相手は本当にそんなことを望んでいるのか?


お前らの暴走で反乱の首魁にまでされたんだ。


今はかなり安全に活動できているみたいだし、満足しているかもしれない。


そしてお前らは歌が好きなだけの三姉妹を利用してまた戦を起こそうとしている」


「ち、違うッ!


り、利用なんてそんなこと」


「いいや、違わないな。


張三姉妹を救うっていう大義名分を利用しなけりゃ、戦にもならないことぐらい分かってるだろう。


お前の仲間は意味のない戦を本当に手伝ってくれるのか?」


「それは……」



そしてお使い男がいい感じに落ち込んだので、そこに案を提示する。



「いいか、俺は別に救い出すことに反対しているわけじゃないんだ。


案外洗脳じみたことをされてるかもしれないからな。


ただ、もう少し上手い方法を考えろっていうだけだ。


少人数で遠くへ連れ出すとか、色々あるだろう。


戦を起こすのは反対だが、陽動に大人数を動かすくらいなら、許可をだしてやるし、必要なら船なんかも用意してやる。


あぁ、たぶんそれに合わせて青州に兵を入れるから戦いにならないよう注意だけしといてくれ」


「……あ、ありがとうございます。


そうですよね。地和ちゃんが戦を望む筈がないんだ。あぁ、可哀想な地和ちゃん。募兵に利用されるなんて……きっと泣いてる。そうだよ、僕が救ってあげるんだ。どこか遠く離れたところに行って黄巾の国をつくるのも良いかもしれない。海を渡って蓬莱に行こう。地和ちゃん達が女王でーー」



どうやらヤバいスイッチを押してしまったらしい。


正直見ていられないので俺の部屋なのにそっと出ていく。


目の前で人が動いてるのに気づかないってのはどういう精神状態なのか理解できないが、きっと幸せな時を過ごしているんだろう。


ただ、日本をそんな変態国家に染めて欲しくないな。


せめて台湾とか朝鮮半島にしてほしい。


まぁ、昔は海を渡るのは死ぬ確率が高いから、朝鮮半島以外、国が出来る可能性は低いだろう。


うん、まぁ、どうにかなるさ。


……あっ、忘れる所だった。


青州黄巾党が起こったら御遣いの予言が当たることになってしてしまうんだった。


青州以外に集まるよう指示しよう。


返事が無いけど大丈夫……だよな?


いや、期待しないで兵を動かす準備をしておこう。


それに一応裏はとれたんだから御遣いに協力要請もしないといけない。


軍の移動はまだなので、役所近くの屋敷にある御遣いへ貸し与えた部屋に向かう。


仕事を終わらせてから報告を聞いていたので既に夕方近い。


この時代はもちろん街灯などないから、日が暮れると真っ暗になる。


早足で進み門を抜け、迎えも無いので許可なく踏み入り御遣いの部屋を探す。


が、廊下の突き当たりを曲がった所でおかしな光景を目にしたのでひとまず隠れる。


そしてそっとのぞき込むと、先ほどと変わらず部屋に向かって突っ立っている呂布がいた。


いや、よく見ると突っ立ってはいないな。


部屋を覗きながら足をもじもじさせ、自分の身体をかき抱いている。


察するに、覗き見して欲情しているところか。


自慰を始めない所を見ると、理性的というよりその知識が乏しいようだ。


こういう光景を見ていると自分の手で教え込みたくなるよな。


話に聞く限りこの初な呂布が一騎当千どころではなく、万夫不当なんていう化け物なんだから驚きだ。


張闓曰わく、呂布に対峙した三千人の忠誠心厚い黄巾党の仲間が皆殺しに近い被害を被り命からがら逃げ延びたらしい。


巷に流れた三万人の敵を一人でというのはこの一件を誇張した話だろうが、実際に出来そうだと言っていた。


まぁ、そんなやつに手を出す馬鹿は普通いないだろう。


が、強い女を組み伏せてこそ征服感が満たされるって気持ちもある。


隙あらばって所だろう。


今は見逃すしかない。


さも御遣いを探しているようにキョロキョロしながら、角を曲がり姿を現す。


すると、野生動物さながらの反応でこちらを向いた呂布に、驚いた風を装いつつ、口を開くふりをすると脱兎のごとく逃げ出されてしまった。


案外今夜中に食えるかもしれないとほくそ笑みつつ、呂布の覗き見していた所にたどり着く。


ちなみに足音はなるべく抑えていたので中の人間は気づいてないようだ。


二人の女からもれる抑え目な嬌声と男の呻き声が聞こえる。


男は御遣い以外には下男くらいしかいないので、ここが御遣いの部屋とみて間違いない。


それにしても部屋から漏れて漂う精臭は部屋の中の惨状を物語るようだ。


なので早速戸を開け放ちお邪魔する。



「人が働いてるっていうのに随分と良い御身分だな、御遣い様よ。


相手は……賈文和に董仲頴か」


「うわっ!」


「……ッ!?ななな、何入ってきてんのよ、変態っ!」



すると声に反応した御遣いがこちらを見て跳ね起き、それに追従して賈詡の罵声がとんだ。


どうやら董卓はついさっき果てたばかりで反応するのも億劫らしい。


あと変態なのはコスプレで3Pしてるお前もだろう、と言いたいところだが、我慢だ。


なんとなく賈詡には口喧嘩で勝てる気がしない。


気をそらすために床に散らばる御遣いの服と女物の下着を投げ渡す。

 

文句を言いたそうにしながら自分の格好に気付いた賈詡は顔を赤らめながら、御遣いの上着に隠れてそれを身につけた。


その間に御遣いは下を履き、上半身は裸のまま董卓の身体をシーツで隠す。


随分手馴れている所を見ると、経験は豊富なのだろう。


顔も良い方だし、身体もそれなりに鍛えてるようだからモテたはずだ。


それにどうやら、こいつのイチモツの大きさと出す量は馬並だ。


俺も転生してから前世以上のナニを備えているが、流石に一回りくらい負ける。


天性の女誑しの才があるようだ。


まぁ、いい。


「青州黄巾党の話だ。


流石に臭いから別の部屋に行こう。


賈文和は侍女らしくこの部屋の掃除でもするか?」


「馬っ鹿じゃないの!


ボクは軍師よ。


ついて行くに決まってるじゃない」


「あぁ、そうしてくれると俺も助かるよ。


陶商さん、別にかまわないだろ?」



口喧嘩にならない程度に賈詡をからかっていると、賈詡の態度にか、不安そうな御遣いに確認されたので、頷いてやる。


だが、馬鹿だの変態だの罵倒されるのは気分は良くない。


仕返しのために真顔で鼻をならし眉をひそめると



「もちろんいいぞ。


ただ、下の処理くらいしてきた方がよくないか?


臭いの発生源についてこられたら部屋を変える意味がない」


「ーーッ!?


こ、この変態太守っ!!


い、い、言われなくても気づいてるわよ」



メイド服のスカートに隠れる足の付け根を凝視してさらにからかう。


賈詡は顔を紅くして再び罵声を発して部屋を飛び出していった。


しかも、その背中は留め具をしてないため全開だ。


予想以上の成果にほくそ笑みつつ、案外ぬけてるのだろうか?と疑問に思っていると



「あっ詠、待て。


背中開いてるぞ」


「聞こえてないみたいだな。


俺は廊下で待ってるから、色々片付けておいてくれ」



御遣いが止めようとしていたが、当然間に合わない。


どうしようもないので、臭いから逃げるため俺は走り去る賈詡の開け放った扉から外に出る。


これで変態と罵倒してきた仕返しも十分出来ただろう。


後は相談して軍を進めるだけだ。


まぁ、賈詡の帰って来るのが遅くて相談が結局翌日に持ち越されたりしたが、余談だろう。


おかげで呂布と楽しめて良かった。


賈詡には感謝しないとな。


こちらを更新する合間合間にR18シーンを執筆してます。


しばらくはオリキャラ同士なので需要皆無でしょうが、恋姫キャラとのシーンをかけたらノクターンに投稿しようかなと思ってます。


以上、宣伝でした。

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