事故死から始まる
序章その一、主人公が死にます
俺は、今目の前から強烈な光を受けている。夜の雨の中、傘を差して渡った横断歩道に突っ込んできた白い光。
白い光――を大型のトラックと認識した時、俺の身体はあらぬ方向にねじ曲がり口と鼻に鉄錆味の体液と咽返る(むせかえる)胃酸の混ざった物が広がる。
(――ああ、俺。明日から小学校に行くのに)
童顔、低身長の俺。別に小学生じゃない。これでも社会人だ。
苦労して、本当に苦労して取った教員免許と一冊の参考書が擦り切れるほど勉強した教員試験。
その結果手に入れた小学校の先生という夢の安定職は、大型トラックによって潰された。
(ああ、なんでこんな人生かな? 俺は、もっと生きたかったのに、やりたいこと有ったのにもう一度生まれ変われればな)
そう思いながら、再び吐血する。確実に内臓をやられたようだ。雨に打たれる身体からは、徐々に体温が抜け落ちるのを感じる。
俺は、そこで諦めたように目を瞑る。
すっ、と背中が引かれるように意識が闇の中に落ちる。
暗い暗い闇の中、そっちに会ってみたい人たちがいるのだ。
はじめまして、アロハ座長です。
拙い文章ですが、どうぞよろしくお願いします。