世界の中で君しか見えない
第1章:季節初めの雨の下での願い
2016年10月4日、木曜日。
キメアは11年2組の女子生徒で、とてもわかりやすい癖を持っていた。どこへ行っても、一歩一歩に合わせて細く澄んだ鈴の音が響く。それは彼女がいつもつけている小さな鈴の付いた足首の飾りから出る音だ。学校の生徒たちにとって、その鈴の音はキメアの存在を知らせる合図だった。
その朝、キメアはとても早く学校に着いた。11年2組の静まり返った教室に足を踏み入れ、席に座った瞬間、窓の外の空が一気に暗くなった。季節初めの激しい雨が降り始め、早朝の静けさを切り裂くような雷鳴が轟いた。時計はまだ午前6時を指していた。
同じ頃、廊下の別の一角では11年4組もすでに明かりがついていた。
ニヴィは典型的な優等生タイプだった。正式な授業開始は午前7時なのに、朝5時40分にはすでに教室にいた。
午前6時5分、学校は激しい雨音に沈んでいた。その瞬間、まるでこの世界に二人しかいないかのようだった。ニヴィは11年2組の教室の前に立ち、深く息を吸って冷静を保ち、中へ入った。彼は真っ直ぐキメアの机に向かい、丁寧に折りたたまれたラブレターを机の上に置いた。長い間抱いてきた思いのすべてを託して。
ラブレターの内容:
「君は知っているかな? 2015年10月4日の日曜日は、僕にとってとても特別な日だった。初めて君に会った日だ。君は『一目惚れ』というものを信じるかい?
僕はあの最初の一目で君を好きになった。僕にとって君は、これまで出会った中で一番美しい女の子だ。僕は君を愛している。それだけ知ってくれれば十分だ。愛においては、必ずしも相手を自分のものにする必要はない。そうできれば幸せはより完全になるけれど。
君はこの告白を受け入れる必要も、応える必要もない。僕は自分が醜くて背が低くて貧乏で……君のような輝く人には全く釣り合わないとわかっている。外には君にふさわしい素晴らしい人がたくさんいる。君は自由に愛し、自由に幸せになってくれ。僕はただ、今のように一方的に君を愛し続けるだけで十分だ。」
一文字一文字読み終えたキメアはすぐに立ち上がった。足首の鈴が慌ただしく鳴り、彼女は廊下を駆け抜け、ニヴィの11年4組へ向かった。
教室に入ると、彼女はまっすぐに彼を見て、雨の音を凌駕するほどはっきりとした声で言った。
「あなたの告白を受け入れます。あなたが私を愛することを許します。あなたに私とデートする機会をあげます。」
ニヴィがまだ驚きを消化しきらないうちに、キメアはさらに近づき、目をしっかりと合わせて言った。
「でもその前に、ひとつ質問があります。あなたが答えられたら、今日から正式にあなたの彼女になります。」
彼女は少し首を傾げ、声を落として続けた。
「手紙に『君はこれまで出会った中で一番美しい女の子だ』と書いてあったわね。じゃあ……もし私にこの容姿がなかったら、あなたはそれでも私を愛してくれる? それとも、この外見を持つ別の女の子を好きになるの?」
ニヴィの頭の中で思考がせわしく駆け巡った。これは極めて繊細で決定的な質問だとわかっていた。キメアのような女の子の心に届くには、空虚な甘い言葉ではなく、心底からの誠実さと理解で答えなければならない。
ニヴィは彼女の目をまっすぐに見て、ゆっくりと口を開いた。
「手紙を読めばわかると思うけど、僕はかなり長い間、君を一方的に好きだった。2015年10月4日の日曜日から2016年10月4日の木曜日まで、ちょうど丸一年。この一年間、僕はただ遠くから君を眺め、見守り、観察してきた。君の小さな行動一つ一つ、言葉の一つ一つを心に刻み、理解してきた。」
彼は指を一本立てて分析を始めた。
「第一に、僕は決して容姿だけで人を好きにならない。僕を引き止めるのはその人の性格だ。どれだけ美しくても、無愛想で、品がなく、浅はかで、軽薄で、道徳に欠けていれば……本当に誠実に愛せるだろうか?」
ニヴィは毅然とした口調で続けた。
「第二に、もし僕が外見だけで好きになる人間なら、すでに何十人、何百人もの恋を経験していただろう。でも現実はどうだ? 君は僕の初めての恋で、最後の恋で、そして今までの唯一の恋だ。手紙に書いた『君はこれまで出会った中で一番美しい女の子だ』という言葉は、正直に言うと、告白するときにみんながよく使う定番の言い回しに過ぎない。」
キメアは黙って耳を傾け、目がわずかに揺れた。
「第三に」ニヴィは一歩前に出た。「本当に誰かを愛するとき、目にはその人の姿しか映らなくなる。周りの人はすべて霞み、存在しないかのようになる。」
彼はそっと息を吐き、すべての優しさを込めて心を打ち明けた。
「そう、容姿は大切だ。最初に人の目を引く要素だ。でも……僕が君を好きなのは、君その人だからだ。性格、心、君のすべてだからだ。君が現れると、見るだけで幸せになる。もし君にこの容姿がなくても、僕は同じように君を愛する。なぜなら僕が愛しているのは君の本当の姿であり、外側の皮ではないからだ。僕は君に属するすべてを愛している——可愛らしい外見から内面の素晴らしい資質まで。君は僕の人生を完全にしてくれるピースだ。」
ニヴィは柔らかく微笑み、昔のことを思い出した。
「第四に、僕はずっと不思議に思っていた。周りから絶世の美女と褒められる女の子がいるのに、見ても何も感じないのはなぜだろう? 今ならわかる。本当に好きになったとき、初めてその人が美しく見えるんだ。」
彼は続けた。
「チュンという友達がいる。彼はいつも『このクラスで誰が一番きれい?』とか『この学校で一番目立つのは誰?』って聞いてくる。……僕の答えはいつも『いない』だ。どんな女の子が通っても『きれいだと思う?』と聞かれても、僕は首を横に振る。僕には絶対に曲げない原則があるんだ。『美しいものは自分のものでなければ、気にする必要はない』。チュンはだんだん僕の性格を理解してくれた。僕の目には、好きな人こそが一番美しいと知っているからだ。」
ニヴィは立ち止まり、向かいの少女の目を深く見つめた。
「僕の答えは……君を満足させられたかな?」
時が止まったかのようだった。外の激しい雨音がその瞬間のBGMになった。
キメアは一言も発せず、近づいてニヴィを強く抱きしめた。温かく、喜びにあふれた腕の力だった。彼の答えは完全に彼女の心の最も深い部分に届いた。
ニヴィの肩に顎を預け、キメアは感動を含んだ声でそっと囁いた。
「あなたの愛は一方的なものじゃないわ……本当に崇高な愛よ。」
それは個人の利己的な欲望や一時の感情を超えた愛だった。そこには利益や条件の入る余地はなく、ただの利他と誠実さ、そして相手の幸せだけを思う心があった。その日の激しい雨の中、少女の足首の鈴が静かに一鳴りし、二人の世界への誓いの始まりを告げた。
第2章:片思いの視線の向こう側
キメアはつま先立ちになり、ニヴィの頬に軽くキスをした。
その突然の行動に時が止まったようだった。心臓の高鳴りが聞こえるほどの距離で、キメアはニヴィの優しさと誠実な愛を、温かい笑顔と幸福感に満ちた目からしっかりと感じ取った。
抱擁を解くと、彼女は彼を見上げ、好奇心に輝く目で言った。
「どうして今日、勇気を出して告白してくれたの? もうこの片思いを続けたくなかったから?」
ニヴィは小さく笑い、頭を掻いて答えた。
「運命を信じるかい? 今日はちょうど君に初めて会ってから丸一年の日だ。しかも雨がすごく降っていて、君がいつもより早く教室に来ていた。そのとき学校は静かで、僕と君しかいなかった。その空間が、僕に一歩踏み出す勇気をくれたんだ。」
彼は少し間を置き、少し恥ずかしそうに本音を打ち明けた。
「普段はいつも大勢の友達と一緒にいるから、近づく勇気が出なかった。今日は早く来ていて、しかも一人だったから、自分に『今しかない』と言い聞かせたんだ。たとえ拒否されても……受け入れるつもりだった。また元の位置に戻って、自分で手放して忘れられるまで片思いを続けるつもりだった。」
その素直で少しおバカな答えを聞いて、キメアは意味ありげに微笑んだ。
「じゃあ、女の子の第六感を信じる?」
ニヴィはきょとんとして瞬きした。
「どうして……そんなことを聞くの?」
キメアは彼の目をまっすぐに見て、少し首を傾げ、足首の鈴を軽く鳴らした。
「もちろん知ってたわよ。毎日私をそっと見つめる視線があるって。どうして今日こんなに早く学校に来たかわかる? あなたに機会を作ってあげたのよ。おバカさん。」
キメアの告白にニヴィは完全に固まってしまった。ずっと一方的だと思っていた距離は、実は向こうから静かに縮められていたのだ。
それまでの長い間を埋めるように、キメアは次々と質問を投げかけ始めた。目の前の少年についてすべて知りたかった。澄んだ声が静かな教室に響いた。
「どれくらい私を愛してるの?」
「私のどこが一番好き?」
「趣味や癖はある?」
「一番怖いことは何?」
一連の質問の後、キメアはふと止まった。声を落とし、両頬が恥ずかしさで赤く染まった。恋に踏み出したばかりの少女の照れが、彼女の声を小さくし、ためらいがちに新しい呼び方を口にした。
「私は頭が良くないし、面白くもないのに……それでも愛してくれるの?」
キメアの立て続けの質問に対し、ニヴィは避けもせず、戸惑いも見せなかった。彼は辛抱強く耳を傾け、優しい目を保ったまま、誠実と敬意を込めて一つ一つ丁寧に答えていった。自分の最も奥深い思いをすべて彼女の前にさらけ出して。
静かな教室の中で、二人の対話が軒先の雨音と混じり合い、彼らだけの物語の最初の音符を織りなしていった。
第3章:邪魔者と秘密基地
あの運命的な雨の朝以来、朝6時の学校は二人だけの秘密の空間となった。毎日、ニヴィとキメアは自ら進んで早く登校した。廊下がまだ明かりもつかず、校庭に人影のない時間、二人は並んで立ち、温かい抱擁を交わし、優しく見つめ合い、芽生えたばかりの恋の甘い言葉を何度も交わした。
しかし、その幸せな時間は長くは続かなかった。邪魔者が現れたのだ。キメアと同じクラスの男子生徒、クリスだった。
もともと観察眼の鋭いクリスは、すぐに友人の様子の変化に気づいた。ある日、彼はキメアを呼び止めて好奇心たっぷりに尋ねた。
「最近どうしてそんなに早く登校するんだ、キメア?」
「行きたいから早く来るだけよ。特別な理由なんてないわ」キメアは肩をすくめ、何気なく答えて話をそらした。
だが、その曖昧な返事ではクリスの疑念を全く満たせなかった。何か隠していると感じたクリスは、生活リズムを変え始めた。彼はわざと朝6時から登校してキメアと同時に来るようにし、時には彼女より早く到着することさえあった。クリスのしつこい尾行のような存在は、ニヴィとキメアの両方をひどく不快にさせ、息苦しさを感じさせた。学校で唯一のプライベートな空間が、今や監視下に置かれてしまったのだ。
好奇の視線から逃れるため、ニヴィとキメアは別の解決策が必要だと悟った。二人は補習の予定がないとき、土曜日や日曜日、あるいは暇な時間があればいつでも、ニヴィがバイクでキメアを遠くへ連れて行き、学校の知り合いの目から逃れることに決めた。
そんな外出の最中、二人は人通りの少ない地域にひっそりと立つ、新たに放棄された家を偶然見つけた。二階建てのその家は、外壁が苔むし、窓は砕け散っていたが、全体としてまだ頑丈そうだった。
キメアは少し立ち止まり、ニヴィの手をそっと握りしめた。
「この家……ちょっと不気味だよ、兄さん。安全なのかな? 中に放浪者がいるとか……ゴミみたいなものが落ちてるとか?」
ニヴィも眉をひそめ、家を注意深く観察した。彼は本能的にキメアを自分の後ろにかばい、声を落として言った。
「ここで待ってて。僕がちょっと中を見てくる」
彼は近づき、きしむ木の扉を軽く押した。中は真っ暗で、湿ったカビ臭い匂いが鼻をついた。ニヴィは携帯電話のフラッシュライトをつけ、一通り照らした。誰かが住んでいる形跡はなく、埃だらけで、古い家具がいくつかと蜘蛛の巣だけだった。
彼は出てくると、まだ迷いのある表情で言った。
「人は住んでいないけど……君の言う通りだ。廃墟だ。中に危険があるかもしれない。割れたガラス、腐った床板、あるいは蛇や虫だってあり得る」
キメアは唇を噛み、しばらく家を見つめた。彼女も少し怖かったが、やがて顔を上げてニヴィを見、小さな声で言った。
「でも……他に場所がなかったらどうするの? 学校ではいつもクリスが気にしてる。どこに行っても知り合いに会ってあれこれ聞かれるのが怖い。本当に静かな場所が欲しいの。誰も私たちを邪魔しない場所が」
ニヴィはしばらく黙って、真剣に考えた。彼はキメアを見て、それから目の前の古い家を見た。ついに、彼女の手を優しく握った。
「じゃあこうしよう。最初は小さな角をきれいに片付けるだけにする。床や壁をしっかり確認して、懐中電灯と小型の消火器も持ってくる。もしおかしいと思ったら、すぐに別の場所を探す。どう思う?」
キメアは微笑んで頷いた。
「うん。あなたを信じるよ」
静寂で完全に自由なその空間を眺め、十分に検討した末、二人は顔を見合わせて微笑んだ。ここを自分たちだけの「秘密基地」に選ぶことにした——誰にも邪魔されず、覗かれない場所。多少のリスクを受け入れてでも。
補習が朝から夕方までびっしり入っている時期には、ニヴィとキメアはデートの時間を夜に移した。これはキメアにとってそれほど難しくはなかった。両親が遠い大都市で仕事をしているため、彼女は幼い頃から祖父母と暮らしていた。祖父母は孫を可愛がり、かなり寛大だったので、夜に外出する許可を得るのはとても簡単だった。
夜の帳が下り、学校とクリスの監視の目から遠く離れた場所で、彼らの世界は再び最も完全な形で続いた。
第4章:噂から生まれた亀裂と、計画図の赤い墨跡
おしゃべり好きの好奇心は、恐ろしいほど粘り強いエネルギーを持っている。クリスは恋に悩む男ではなかった。キメアに対して男女の感情など全く持っていなかった。彼の本質はただの暇人で、過度な好奇心と、他人のことに口を挟みたがる性格——どのクラスにも必ずいる「最も嫌われる人間」リストに入りやすいタイプだった。
朝6時から登校して覗き見する癖のおかげで、クリスはすべてをつなぎ合わせることができた。彼はそう時間をかけずに、11年4組の男子生徒ニヴィ——11年2組の廊下をうろつく理由など全くないはずの彼——がキメアと親密に話している姿を目撃した。
「とんでもない秘密」を掴んだと勝ち誇った笑みを浮かべ、クリスはこれを内密にしたり直接問い詰めたりはせず、最悪の選択をした。言いふらしたのだ。
わずか数日のうちに、休み時間になると廊下のあちこちに最初のささやきが現れ始めた。クリスはいくつかのグループを通り過ぎ、わざと何気なく「この目で見、この耳で聞いた」ことを茶化すような態度で語った。噂の最初の火種はこうして灯り、まだ全校に広がるほどではなかったが、二人に向けられるこっそりとした探るような視線を生み出すには十分だった。
最初の試練が扉を叩き、秘密の恋を真っ向から試してきた。
学校で日に日に大きくなる圧力の前で、郊外にひっそり立つ廃墟は唯一の救いの手、二人の心を世から遠ざける本当のオアシスとなった。
自由な週末になると、ニヴィはまたバイクでキメアを賑やかな町から連れ出した。その秘密基地で、彼らは小さな角をきれいに掃除し、小さな記念品をいくつか置き、窓の隙間を吹き抜ける風の音と、自由に鳴る足首の鈴の音だけがある静寂を共に楽しんだ。ここは安全で、クリスの影も知り合いの姿も全くなかった。
しかし、平穏とはそもそも贅沢なものだ。
ある夕方遅く、ニヴィが家の裏の雑草だらけの庭を歩いていると、突然奇妙な印の前で足が止まった。
苔むした古いレンガの壁に、誰かが赤いスプレーで大きな円を描き、その中に乾燥した土地管理の番号と「立退き区域」という文字を書き殴っていた。
ニヴィは愕然と悟った。この頑丈な家が放棄された理由は、忘れ去られたからではなく、この一帯の土地全体が高層マンション建設と道路拡幅の都市計画に組み込まれていたからだ。家への死刑判決は、血のようにどす黒い赤い墨跡で既に下されていた。
「ニヴィ? どうしたの、兄さん?」
キメアが縁側から出てきた。足首の鈴が夕暮れの空気をそっと揺らした。彼女はニヴィのぼんやりした顔を見て、それから目をその運命の印がついた壁に移した。
「この家……もうすぐ取り壊されるの? 兄さん」キメアは少し悲しげな声で尋ねた。彼女は近づき、小さな手が凹凸のある赤いペンキに触れた。
ニヴィは彼女の小さく震える肩を見て、胸に込み上げるような感情が湧いた。クリスの学校での噂の圧力すらまだ解決していないのに、今や彼らの唯一の避難所さえ重機に押しつぶされようとしている。残酷な現実の試練が、十七歳の少年の肩に徐々に重くのしかかっていた。
しかしその瞬間、ニヴィの目はこれまで以上に決意に満ちた。彼は近づき、後ろから優しくキメアを抱きしめ、彼女を胸に包み込んだ。
「うん、マンションを建てるために壊されるんだ」ニヴィは彼女の耳元で囁いた。声は低く温かいが、力に満ちていた。「でもキメア、家はただのレンガの塊だよ。本当の秘密基地はこの場所にあるんじゃない。ここにあるんだ」
彼はそっと指で彼女の胸の位置、心臓のところに触れた。
「僕にとって、外の世界がどうであろうと何の意味もない。ただ君のことだけが大切なんだ。君がそばにいてくれさえすれば、そこが二人の秘密基地になる。どこへ行こうとも」
キメアは体を返し、ニヴィの笑顔を見上げた。廃墟の壁を赤く染める夕日の中で、彼女は彼の目が変わらぬ誠実さに満ちているのを見た。
キメアの心の中の不安はすべて消え去った。彼女はそっと近づき、彼の胸に顔を埋め、郊外の静けさの中で馴染みの温もりを味わった。この廃墟はいずれ重機の下で消えてしまうだろう。しかし今この瞬間、空間が完全に沈黙に沈み、耳元にニヴィの確固とした心臓の鼓動だけが残るとき、彼女は知った——二人の世界は、一軒の家が失われたくらいでは崩れないということを。
闇が徐々に降りてきたが、彼らの小さなオアシスは、今まさに始まろうとしていた。
第5章:見えない世界と小さな台所
人の勇気とは、時に世界全体に立ち向かって立ち上がることにあるのではなく、それを完全に無視するやり方にある。
ニヴィとキメアの秘密が全校の前に晒される日が、とうとうやって来た。夏の夕立のように早く、そして騒がしく。クリスの悪意ある噂は乾いた藁に投げ込まれた小さな火種のようで、たった一朝のうちに廊下中にざわめく波となって燃え広がった。指差し、好奇の視線、そして冷やかしのささやきが、二人が校庭を横切るたびに彼らを取り囲んだ。
しかし、その悪意ある世論も、ニヴィのような人間の前では全く無力だった。
彼には恐れることも、逃げることも何もなかった。なぜなら彼はキメアを、最も正々堂々と純粋な愛で愛していたからだ。ニヴィの生き方の原則の力が、再び絶対的に発揮された——キメアを愛した瞬間から、彼の目には彼女の姿しか存在せず、周囲の人々はほとんど霞み、ついには姿を消すほどだった。
ニヴィにとって、今ささやいている連中は、ほとんど見えないほど薄く存在するだけの実体に過ぎなかった。人混みの中を歩くとき、彼の耳は自動的にあらゆる雑音を濾し取り、ただ隣の少女の澄んだ足首の鈴の音と、優しい声だけを聞くようになっていた。
ニヴィのその堂々とした無関心は、堅固な壁のようにキメアを包み込み、生徒たちの世論という斧の圧力を、岩に当たる無害な泡に変えてしまった。
外の学校が騒然としている一方で、秘密基地では二人の時間が絹の帯のように穏やかに流れていた。廃墟は血のようにどす黒い計画の赤い墨跡をまとっていたが、重機が襲来する前に、それは青春の最も華やかな思い出を留める場所となっていた。
ここはまるで新婚夫婦の小さな巣のようだった。
二人は一緒に枯れ枝を運び、部屋の片隅に野外炊事用の小さな台所をこしらえた。補習のない午後になると、キメアは袖をまくり、ニヴィの指導の下で不器用に簡単な料理を習った。
崩れかけた部屋は食べ物の香りで満ち、油のジュージューという音がはじける笑い声と混じり合った。二人は床にべったりと座り、一緒に食事をし、壊れた窓枠から差し込む夕陽の下で、宿題のページをめくった。
「来週、学校でキャンプに行くんだってね」キメアは顎を手で支えながら言った。声は好奇心と、集団活動への少しのうんざりが混じっているようだった。
ニヴィは彼女が書いているノートをちらりと見て、優しく微笑んで答えた。「うん、聞いたよ。朝からどこに行ってもクラスのみんながずっと騒いでる」
「学校でもう十分うるさいのに……キャンプの日はもっとひどいでしょうね」
「きっととても賑やかになるよ」ニヴィは言いながら、彼女の額にかかった前髪を直してやった。
キメアはそこで初めて彼の方を向き、首を傾げて尋ねた。「じゃあ、あなたはあの集団ゲームに参加するの?」
ニヴィは小さく笑い、落ち着き払って首を横に振った。「たぶんしない。君も知ってるだろ、僕は人が多くてうるさい場所が嫌いなんだ」
「わかるよ」彼女はくすくす笑い、目をいたずらっぽく細めた。「どうせどこか本当に静かな角を見つけて隠れるんでしょ」
ニヴィは口元をわずかに上げ、肘をついて彼女を甘やかすように見た。「隠れるんじゃない。ただ静かな空間が好きなだけだよ」
「じゃあその日、私を放っておいて一人で行くつもり?」
「そんなことあるわけない」ニヴィは優しく彼女の目をまっすぐ見て、低く温かく、決意に満ちた声で言った。「君がどこに行きたいと思っても、僕はそこに一緒に行く。君がいる場所には、僕もいる」
キメアは彼のきっぱりした答えに一瞬動きを止めた。両頬がわずかに赤くなり、彼をもう少し注意深く見て確認するように言った。「本当に? 約束を破ったらだめよ」
「本当だよ。僕が君に約束したことで、守らなかったことある?」
彼女は一瞬黙り、心の中を甘い感覚で満たされると、前もって約束を交わすように続けた。「じゃあ、もし私が焚き火のところをちょっと見に行きたいって、あんなにうるさい場所でも、一緒に来てくれる?」
「うん。君が好きなら、僕は君の手を握ってそこを通るよ」
キメアは小さく笑い、声のトーンをぐっと落として、甘えるような可愛らしい様子で言った。「じゃあ覚えててね。人混みの真ん中で急に消えたりして、私を一人ぼっちにしないでよ」
ニヴィは軽く首を振り、彼女の頭を優しく撫でて守るように言った。「そんなこと絶対にない。一度君のそばに行ったら、君が遊び飽きるまでそこに立って待ってるよ」
「それならいいわ」彼女は満足そうに頷き、再び宿題のページに目を戻した。「じゃあ続きやりましょう。でないとあとで終わらなくなっちゃう」
薪と米と油と塩、そして宿題の日常の欠片の中で、彼らの愛はこうして深く根を張り、外のどんな批判よりも強くなっていった。
しかし、人生はいつも穏やかな日々の連続ではない。ニヴィの信頼に対する最大の試練は、ある遅くなった夕方、彼が全く予想もしなかった人物から訪れた。
その日、ニヴィは設備室の片付けを手伝っていて、いつもの時間より遅れてキメアを迎えに行った。自転車が角を曲がり、彼女の家近くの静かな道に入った瞬間、彼の胸が締めつけられた。
薄暗い街灯の下に、キメアの姿がはっきりと浮かび上がった。しかし彼女は一人ではなかった。そばに立っているのは、背が高く、とても整った成熟した外見の若い男だった。その男は微笑み、自然にキメアの頭を撫でて甘やかしており、キメアは彼を、ニヴィが自分だけのものだと信じていたはずの、喜びに満ちた目で見上げていた。その後、男は夜の寒さを避けるため、自分の上着を丁寧に彼女の肩にかけた。
これまでにない痛みが、突然ニヴィの胸に込み上げた。嫉妬——彼がいつもコントロールできると自慢していた利己的な感情——が今や怪物のように彼の平静を引き裂こうとしていた。
自分が貧しく、醜いから……彼女はもっと良い支えを見つけたのか?
ニヴィは暗闇の中に釘付けになり、ハンドルを握る手が関節が白くなるほど強く締めつけられた。頭は混乱し、否定的な思考が次々と襲いかかってきた。しかし、自転車を引き返して去ろうとした瞬間、あの雨の日の自分自身の言葉が心に響いた。「僕は君を、君その人として、心として愛している……君がどうであろうと、僕は同じように君を愛する」
ニヴィは深く息を吸った。崇高な愛は、事情が明らかになる前に彼女を疑うことを許さなかった。彼は沈黙して去って亀裂を育てることも、怒りに駆られて飛び出すことも選ばなかった。彼は自転車を引いて暗闇から出て、二人の方へ進んだ。
「キメア」ニヴィは声をかけた。声は少し震えていたが、礼儀正しさを保とうとしていた。
キメアは驚いて振り返った。ニヴィを見ると、目がすぐに輝いた。彼女は駆け寄り、足首の鈴を澄ませて鳴らし、自然に彼の手を握ると、その若い男に紹介した。
「兄さん! これがニヴィよ、私が話してた人!」
若い男は一瞬驚き、それから大声で笑った。彼は近づき、ニヴィの肩を強く叩いた。「これがずっとキメアの面倒を見てくれてた弟君か。僕は彼女の実の兄だ。大都市から祖父母と妹に会いに戻ってきたんだ」
そうだったのか。両親が遠くで働いているため、この兄もずっと前から都市で学び働き、めったに家に帰ることがなかったのだ。致命的な誤解は一瞬で解けた。
ニヴィはほっと息をつき、恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら、急いで将来の義兄に頭を下げて挨拶した。そばにいたキメアは、賢い彼女のことだから、彼氏の戸惑いと空気に漂う少しの醋っぱさに気づかないはずがなかった。彼女は彼の脇腹を軽く摘まみ、からかいながら囁いた。「おバカさん、嫉妬したの?」
キメアの輝く笑顔を見て、ニヴィは彼女の小さな手を優しく握りしめた。この試練は二人を遠ざけるどころか、逆に、彼らの愛が世の好奇心や自分自身の嫉妬を超えて、揺るぎない運命の層にまで届いたことの証明となった。




