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88:狭い道

「行くぞ。」

「ええ。私は主様について行きます。」

「これがバイク……ちょっと怖くなってきたわ。」

「大丈夫。何とかなるだろう。ほら、たわしちゃん、レイサにしがみつくんだぞ。」

「わかったわ。」


 俺はエンジンを吹かす。

 兵士たちが合図をするのを確認した途端、俺はバイクのクラッチを繋ぎ、CB1300が勢いよく飛び出す。

 それにレイサたちのCB400続き、2台はあっという間にその戸の中に吸い込まれていくように消えていった。


「速い……!」

「おいおい嘘だろあの加速はよ……!?」

「想像以上ですね。」


 ソーメン副団長と貴族ママ、中世天然水という何とも言えないメンツは想像以上の加速を見せたバイクに驚きを隠せなかった。


「本当に、彼に先遣隊を任せたのは正解だった。」

「本当に。」

「プレアデス。私の子供たちを頼むわよ。」

「きっと大丈夫ですよ。彼は。」

「マシュー。貴方もかなり彼に入れ込んでるのね。」

「ええ。彼は立場や性別で対応を変えないいい人です。」

「貴方にとってそれは確かに大きいのかもね。」

「ええ。重要です。少なくとも私にとっては。」



 暗闇の中を2台のバイクは130㎞/hほどで駆け抜けていく。


 怖えええええええ!!!

 めっちゃ怖い、ホント怖い!

 こんな狭い道でこんな速度出したくねぇよ!

 死にそうだよ!ホント!


「主様、怖いんですか?」

「そりゃあ怖えよ!GC8と走るのとは違うんだからさ!」

「プレーンに怖い者なんてあったのね。」

「たわしちゃんは俺を何だと思ってるんだ……?」

「亜人とかの人外の一種かと。」

「俺はいたって普通の人間だわ。」


 失礼な奴だなぁ。


 その直後、プレアデスの耳にすすり声がうっすら聞き取る。

 それに気付いたプレアデスはCB1300SFを減速させ、バイクのエンジン音の中に潜む鳴き声の位置を特定させようと必死に耳で位置を探し出す。


「プレーン……?」

「黙っててくれ。子どもの鳴き声が聞こえるんだ。」

「なるほど。この近くね?」

「……?ああ。」

「地形を人の位置も含めて把握する魔法があるわ。」

「そんなのがあるんですか?!」

「ええ。その代わり展開できる範囲が極端に狭いんだけどね。」

「たわしちゃん、それじゃあそれ、頼んだよ。」


 ヘクセは手から魔法陣を生み出し、その魔法陣から立体映像のように周辺の地形が浮かび上がる。


「どうやらプレーンの耳は相当ね。たしかに近くに子供がいるわ。」

「よかった。それじゃあ、二人を助けに行こう。」

「いや、そんな単純ななしでもないわよ。」

「どういうことなんです?」

「子どもの反応がかなりあるのよ。」

「ここには大量に子供がいるってことか。」

「そういうことになるわね。」

「とりあえずリーシャとルークは助けに行こう。」

「二人の反応はすぐ近く、そこを右に曲がってその突き辺りを左に行って右手に見えるはずよ。」

「なるほど。それじゃあ、一応行ってみよう。」


 プレアデスはエンジンを吹かし、加速していく。


「ちょっと!まって!」

「主様を追いかけます!」


 プレアデスのCB1300に彼女らのCB400がすぐ追いかけて行く。


「そこには、敵だって十分にいるのに………!」

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