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87:先遣隊プレアデス

「いやいやいや!何で俺が先遣隊なんだ!?」


 俺とソーメン副団長ではちょっとした言い合いが発生していた。


「こういうところだと大多数で突入するより少数精鋭が突入した方がいい。」

「だからって俺とたわしちゃんとレイサだけってのは……」

「我々では君たちに追い付けない。」

「そうかもしれないが……」

「尋常じゃない加速だと話には聞いている。」

「ぐっ……」


 確かにバイクの加速は今までとは次元の違うような加速かもしれんけど……さぁ……!


「それに、我々にバイクというものが使えるとは到底思えない。数時間で身に着けられるものでもない。」

「バイク使わなけりゃあいいんじゃあ……?」

「先遣隊は速く突入できた方がいい。それならバイクというものは最大限に活用するべきだと思うが?」

「うっ………」


 ソーメン副団長、口撃つおい……!


「頼んだぞ。先遣隊隊長プレアデス殿。」

「えぇ……。」


 荷が重いなぁ………


「けどねプレアデス。私は、貴方になら私の子どもたちを任せられるのよ。」

「貴族ママ……」

「大丈夫よプレーン。アンタには私が居るんだもの。」

「・・・。」

「プレアデス。信頼する貴方に私はお願いするわ。」


 ルーシャルはプレアデスの手を取り、静かにその目をプレアデスの目にじっと見据える。

 それは、信頼の眼差しであり、希望を託すかのような目だった。


「私にはあの子たちを助ける能力は無いわ。だから、貴方にお願いしたいの。私にできることならなんでもするわ。金でも、地位でも、名誉でも!」

「・・・。」


 こうなってしまえば、もう腹をくくるしかない。

 本当は突入する兵士のどさくさに紛れ込むつもりだったんだがな。

 いくか。


「好意はうれしい。だが……」

「・・・!」


 ルーシャルはひどく驚き、酷く悲しんだ顔をする。

 哀れという言葉が似合うような。


「人に言われてするんじゃなくて、自分で選んだ選択でいたい。俺は、自分の意思でルークとリーシャを助ける。先遣隊にもなろう。だから、貴族ママ。貴女の好意は無下にさせてもらう。」

「……プレアデス………!」


 ルーシャルは泣き出してしまいそうだった。

 それにプレアデスは小さく、告げた。


「抑えなくていい。堪えなくていいんだ。」


 ルーシャルはプレアデスに飛び込み、その胸で静かに泣いた。


「レイサ。たわしちゃん。行こう。時間はもう迫ってるんだ。」

「そうね。行きましょう。」


 CB1300SFとCB400SFが唸り声をあげ、レイサの後ろにはたわしちゃんが乗り、俺はそれを見届けると、一気に加速する。バイクの咆哮が声高らかに上がる。


 そして、あっという間にゾック賊とやらの本拠地までやってきていた。

 情報によると馬で通れるくらいの穴があるらしい。

 兵士たちが入り口を強引に開き、バイクの突入口を指し示す。

 俺は、バイクのライトをハイビームに切り替え、突入する用意を整える。

 正直ノーヘルなのは怖いんだが、ヘルメット持ってないからね仕方ないね。

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