85:スーパーフォア修復。
・・・ハイ。どうも。プレアデスです。
Q:今何をしていますか?
・・・。
A:バイク整備です。
Q:バイク整備とは?具体的に何をしているのですか?
A:一旦全部バラバラにして洗浄&修復&消耗品を交換してもう一度組み立てなおしています。
Q:今日中に終わりますか?
A:頑張ります。
「ふぅ。なんとかエンジンの組み立て終わったぁ!」
「良かったわね。はい、コーヒー。」
貴族ママが労い差し入れにコーヒーをマグカップに注いだ状態で渡す。
コーヒーからは湯気が立ち上り、コーヒー特有のいい匂いが溢れていた。
「ありがとう。いただくよ。」
俺はそれを受け取り、ゆっくりと味わう。
コクのある、いい味だ。
「美味しいな。」
「そう言ってもらえると嬉しいわ。」
「これならもう少し頑張れそうだ。」
「……ところで、それなんなの?」
「これか?これはバイクっていう種類の乗り物だ。」
「ばいく?」
「ああ。自転車ってあるか?」
「ええ。ラズヴィーチャが作ってるものがこっちにも輸入って形で入ってきてるわ。」
ふと貴族ママは組み立て途中のバイクをまじまじと見る。
「そう言われてみればかなり形は違うけどなんだか自転車に似てるわね。これ。」
「ああ。自転車にエンジン積もうぜ!っていう発想からできたのがバイクだからな。」
「え。」
「それを進化させたらこうなる。」
「えぇ………?」
信じられないといった様子でバイクをまじまじと眺める。
「エンジンはちょっと小さいがあそこにもバイクはあるぞ。」
プレアデスはレンチを持ったままCB400SFを指さす。
居たのねとでも言わんばかりに貴族ママがCB400のもとへ一歩踏み出そうとしたその瞬間。
「貴族ママ。足元注意。」
「え?」
足元には大量のバイクの部品が散乱していた。
「なによ……これ。」
「順番に並べててな。今はそのまま置いておいてくれ。」
「これ、全部に意味があるの……?」
「ああ。ひとつでも欠けるとどこかに異常が出る。」
「そういうものなの?」
「ああ。何か一つでも不足するとフルスペックは発揮できない。」
「ここにあるすべてに意味が……。」
にわかには信じがたいけど、プレアデスはこういうたぐいのことに関しては嘘はつかない。
きっと本当なのでしょう。
「だからCB400SF見る為には部品を避けてくれ。」
「しーびー400?」
「ああ。それがあそこにあるバイクの名前だ。これはCB1300SF。こっちの方がパワーはあるが運転は難しいんだよ。」
「そうなのね。」
さて、と。
あと少しで修復が終わりそうだな。
あとタイヤさえついてしまえば後は楽だ。
オイルを循環させてガソリン入れてチェーンにも油刺してブレーキオイル確認してクラッチの動作も確認し、メーターの動きを確認し、それらすべての反応に問題が無いと確認する。
「パーフェクトッ!」
ついに……ついに……!
「終わったぞぉぉぉぉぉ!!」
時刻は既に12時半を指し示していた。
その手は油に塗れ、服は汚れ果てていた。
そんな彼の傍にはしっかりと綺麗に修復されたCB1300SFが止まっていたのだった。




