70:資料調べ。
「よ!なんか成果はあったか?」
プレアデスが窓から顔だけ出すと笑みを顔に張り付けて皆に語り掛けた。
あれだけの本だ。すぐに全部がわかるかもしれないが、あいつら、恐らくずっと本を読んでるだろうし、目を休めてやる必要があるだろう。
「ああ。成果アリだ。」
「え?」
「皆を変えた花火の出所が判明した。」
「花火?」
花火ってなんだ?
あの火薬ドカーンのあの花火か?
夏の象徴のあの花火か?
「花火って、あの花火大会とかやるあれ?」
「ああ。10号玉とかのあれだ。」
「あの火薬ドカンがあの国となんか関係あるのか?」
「そうか。ヘクセさんとプレアデスさんには話してませんでしたね。」
「資料読んでたら何となくは分かったけど貴方たちから見てどうだったのかは聞いておきたいわ。」
「分かった。一応話しておこう。」
平志は時っと二人の顔を見つめ、過去に何があったのか語り始めた。
……かくかくしかじか四角いムーヴ!
「なるほど。そういう事だったのか。」
「ああ。本当はもっと優しい人たちなんだ。」
「みんな狂っちまってるのか。」
「ああ。」
「解毒はできるのか?」
「催眠魔術とやってることは変わらないからその催眠を強制的に溶ける魔法を作る必要があるわ。」
「何でも催眠解除する魔法とかはないのか?」
「無理ね。鍵を開ける鍵を作ってそれで鍵を開けるようなものよ。」
「なるほど。だが、その催眠魔法をぶっ壊しちまえばいいんじゃないか?」
「それは悪手だな。」
「何か口調がいつもと違うのな。」
シルトが少し男勝りな口調でプレアデスに話しかけたのだ。
「シルトは元々こういう人よ。」
「常に敬語というのも神経を擦り減らすものでな。こっちの方が気が楽なんだ。」
「そうなのか?一平ちゃん。」
「ああ。」
「ゴホン。本題に戻しますよ皆さん。」
リーラが咳払いし、話の本題を強引に引き戻した。
「それで、催眠魔法を強引に壊してしまうと、精神に異常をきたすか、催眠が身体に定着して解除魔法すら通らなくなり、そこから逆に元に戻す催眠をかける必要が生じてしまいます。」
「あー。」
「なので、適切な解除魔法を作り、それで確実に解除する必要があります。」
「なるへそ。」
「ちょっと手荒になっても解除する魔法もあるのだけれど、精神系に使うような魔法じゃないわ。」
「あれだ。ピッキングみたいなもんだ。コツさえつかめばすぐ解除できるんだが、下手すれば壊しちまう。」
「なるへそなるへそ。」
「ま。私に任せなさい。すぐ完成させるわ。魔法の構造はアンタが来るまでに解析しておいたわ。」
「そうなのか!」
「ええ。明日には完成するわ。」
「「「早!?」」」
いやいやいや。嘘だろ!?
そんな簡単に解除魔法なんて作れるのかよ!?
「プレーン。アンタはクルマの準備しておいて。」
「お……おう。」
ということで。
「14のレンチとって~」
「ほい。」
平志がレンチレンチを投げ、プレアデスがキャッチし、何事もなかったかのように作業を続けるのだった。




