61:スーパーショートホイールベース
アンフィニ祐です。
結構ストックあるし祝日だし。
二本投稿しようかな!
午後5時に投稿するよ!
360は城の前に停車していた。
それを遠目から覗き込む。
もちろんすぐそばになんていない。
そうすればすぐバレる。
「本当にプレーンは無事でいれるかしら……」
「もう信じるしかありませんね……」
「あいつなら大丈夫だ。360の特性の一つでもあるあのショートホイールベース、いや、そんなレベルでもない。スーパーショートホイールベースならな。」
「すーぱーしょーとほいーるべーす?」
「前輪と後輪の距離が他の車と比べてすごい短いだろ?」
「ええ。」
「あれほど短いと旋回半径が異様に小さくなる。」
「……まさか……!?」
リーラは何かを察したようだった。
口元を手で軽く押さえてその驚きを身をもって表現していた。
「そうだ。以上に小回りの利くマシンに特性的になるんだよ。それこそいきなりまげて強引に旋回なんて真似もできなくはないはずだ。」
「始めるか。」
プレアデスはハンドルの中央を親指で押し込む。
パーッ!
スバル360のホーンが高々と声を上げた。
その車のドアに腕をかけ、ニヤリと笑みを浮かべるのは今最も探しているプレアデス本人。
そしてその城にはもちろんラズヴィーチャ国王が居た。
「奴を捕らえろ!捕らえるためなら何を使っても構わん!」
すぐさま彼らの車が城から飛び出してくる。
「待ってました!」
バックギアに入れるとアクセルを踏みぬき、360が急速に後退する。
ハンドルをちょいと曲げ、フロントがくるりと180°回転して進行方向が入れ替わる。
前を向いたその瞬間、ギアを1速に入れ、その車を思い切り加速させる。
ロータリーエンジンの雄叫びがその場高らかにその場を支配する。
「なんだ!?この音は!」
流石に普通のエンジンとは全く異なるエンジン音に彼らは耳を疑った。
「本当に我々と同じエンジンなのか?!」
「それに速い!」
後ろから現れるシトロエン・トラクション達がスバル360を追いかける。
ただ、その図体をまるで嘲笑うかのようにスバル360は街の中に飛び込む。
「ハッ!迷路の街中に逃げるか!」
「馬鹿め!我々は街中を完璧に把握している!」
確かに完璧に地図を把握していれば逃げる場所を塞ぐことも可能であり、追いつめるには絶好の場所だ。
だが彼らは気づいていなかった。
「俺がわざわざここに逃げたのには理由があるんだよッ!」
360は思いっきり減速し、左へ旋回する。
「路地裏に飛び込むぞ!360!」
「何だあの旋回は!?」
「本当に俺たちの同じ車なのか!?」
「俺たちも飛び込む!」
「無理だ!あんな狭いところに飛び込むことなんてできない!」
そりゃあそうである。
Sシリーズの全幅は1.62メートル。それに対してスバル360の全幅は1.3メートルを切る。
ちょっと広い路地裏に飛び込むくらい、造作もない。
プレアデスが360を選んだのにはこの理由もあったのだ。
「回りこめ!そうすれば抑えられる!」
「もちろん!既に向かっている同胞が居る!」
「でかした!」
しかし、360は速すぎた。
出口をふさぐ前に飛び出した。
「くそっ!失敗した!」
『まだだ!追い込め!挟み撃ちだ!』
「了解!」




