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57:前進微速

 一行は焚き火をし、釣った魚を捌いた。


「こんな暢気なことしてていいのか?徒歩でも奴らは速い。すぐ追いつかれてしまう。」


 シルトがプレアデスと平志に聞いてきた。


「ああ。プリンちゃんとたわしちゃんが寝たら後部座席に載せて出発するつもりだ。焚き火だってすぐ消す。」

「それがわかってるならいいのだが。」

「いや、焚き火はあえて残そう。とは言っても全く別の所に新たに作るだけだが。」


 平志はプレアデスに反論する。


「どういうことだ?」

「……そうか。攪乱だな?」

「そうだシルト。全く違う方角に敵をおびき寄せ、時間を稼ぐ。」

「確かに。一理ある。」

「私が焚き火をすぐ作ってくる。待っていてくれ。」

「分かった。その間に俺たちは二人を寝かしておくよ。」

「頼んだ。」

「ああそうだ。これを持っていくといい。」


 平志はシルトにマッチ箱を手渡す。


「これは?」

「簡単に火がつけられる道具だ。赤いところを思い切りこの箱の気に擦って火をつけ、その木の棒を火種にして燃やすといい。」

「おお。助かる。魔法を使うのは難しいため、人力で火おこししようと思っていたところだった。」※女性である

「マッチ出す前に人力で火、つけてたもんな。」

「力には人一倍自信があるんだ。」

〘I’m confident in starting a fire too.〙

〘………いや意味違うだろGC8。〙

〘Really?〙


 するとシルトは枝をかき集めてすぐさまどこかへ走り去っていった。


〘Wow, Silt, you’re really quick. Maybe even faster than we are.〙

〘森だとな。俺たちは図体がデカいし彼女のような動きはできないんだよ。〙

〘Indeed.〙


 2台がそんな会話をしているうちにリーラとヘクセは眠っていた。

 そして二人を後部座席に積み込んだ直後のことだった。


「帰ってきたわよ。」

「「早!?」」

〘What's going on!?〙

〘うっそだろおい。〙


 シルトは体力お化けだなと改めて平志は思った。


「……ゴリラ?」


 ゴォォォォン………


「……プレアデス?」


 しかしプレアデスの反応はない。

 気絶していた。


「起きろよ。」


 *へんじがない。ただのしかばねのようだ。*


「目覚めの一撃、頼む。」

「分かったわ。」

「ぱちっ。」


 殴られる直前、プレアデスは普通に起きた。


「……すみませんでした。」

「謝れる頭はまだほめよう。……早く進むわよ。」

「ハァイ……」


 2台はゆっくりと動き出す。

 辺りも見えないような真っ暗闇を恐れることをまるで忘れてしまったかのようにずんずんと突き進む。


「ヘイナビ!あとどれくらいでつきそう?」

『30minutes.』

「今夜中にはつきそうだな。」


 ナビの時計にはまだ23時になったばかりだということをを示していた。



「プレアデス、早く来なさいよ。アンタの置いていったクルマも持ってきたのよ。」


 貴族ママの屋敷にはプレオが倉庫の隣にちょこんと置いてあるのだった。

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