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55:スカイラインとXX

「早く乗りなさい。」

「え……ええ。」

「その話、儂にも聞かせてはくれないかね。」

「国王様!?」


 貴族ママたちのスカイラインのもとにザリア王国国王がやってきていた。


「プレアデスを追いかけるのです。残念ですが貴女を乗るスペースは……」

「問題ない。彼を祝うためにはそなたについて行けばいいのだな?」

「彼が私の屋敷に止まると分かったわけではありませんが。」

「いいだろう。」

「もう一度言いますが、私のスカイラインは馬や魔導車では追いつけませんよ?」

「問題ない。儂にはセリカXXがある。少しばかり待っていてはくれるかね?」

「5分までなら。」


 国王は歩いて何処かへ向かった。


 その、3分後のことだった。


「それでは先導頼んだぞ。」

「国王様、それは……?!」

「プレアデスに修理してもらったものだ。ずいぶんと速いらしい。」

「そうなんですか……。」

「それではたのんだぞ。ルーシャル・ローリンソン伯爵。」

「ええ。」


 貴族ママはスカイラインの窓を閉め、丁寧に発進する。

 それに窓を閉めながらセリカXXが続いていく。


アクセル全開(フルスロットル)で行くわよ。」

「280馬力と聞いたがここで初めてその真価を発揮できるか。儂にお前の力を見せてくれ。XX(ダブルエックス)!」



 一方そのころインプレッサはランエボの横にピタリと張り付いていた。


「おい!平志!こうして逃げてるってことは分かってるんだよな?!」

「ああ。命が狙われてるんだろ?!」

「知り合いの貴族の屋敷にまずは向かう。ついてきてくれ!」

「ああ。」


 インプレッサが前に出ると、2台はラリードライバーとでも言わんばかりに車体を思い切りスライドさせる。


 この世界の人間からすれば馬鹿で愚かでトリッキーすぎる走法だと感じているだろう。

 しかし、ラリーはそうではない。

 効率的に旋回するためにあえてスライドさせるのは常識なのだ。

 WRCだってそうだ。4輪の動力をいかに効率的に伝え、いかに効率的に旋回できるかを重視して開発されるのだ。

 そしてその設計思想を存分に浴びて作られたのがランエボとインプレッサなのだ。

 そして悪路や公道にはめっぽう強い。


「そういえばプレオを置いてきちゃってけどいいの?」

「後で取りに行けばいい。」

「奪われる可能性だって……」

「奪われたら奪われた時。そもそもあいつらは中にすら入れないさ。」

「この車にもカギはかかってるんでしょ?」

「GC8にだって確かに鍵はある。だが、あの国王、手段を択ばない気がする。」

「手段を択ばない?」

「多少壊してでも強制的に動かそうとするとかな。」

「……。」


 森の中に入り、当たりからは見えないような場所に2台をいったん停車させる。


「プレアデス。どうした?」

「一平ちゃん。一旦車高を上げよう。」

「そうだな。上げよう。そうした方が悪路を走破できるだろう。」

「分かってる~」

「こんな状況で軽口叩けるのはお前だけだと思うぞ。」

「ハッハッハ!」


 二人はそう言葉をかけ合いながら車高をずいぶんと高くとった。


「なんだか締まらないわね……」

「何処か間が抜けてると言いますか。」

「確かに。」


 3人の女性陣は2台のラリーカーをみて口々に感想を言い合った。


「だとよ。」

「てやんでい!ああしねぇと擦るじゃねぇか!」

「それはそうなんだがな。」

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