47:出会い
ランエボはもちろん落下していく。
「な……!?」
プレアデスはその映像を信じられなかった。
ハイドロプレーニングを起こしたわけでもない。それどころか意図的にサイドを引いた……?!
あんなこと、自殺するようなものじゃないか!
何であんなことを……!
「先輩!?」
「行ってくる。居ても立っても居られん!」
俺はインプレッサのエンジンを動かし、アクセルを踏み込む。
こんなとこで逝かないでくれ!
「インプレッサ。あいつを逝かせないぞ!」
〘Yes, of course! I’ll go full throttle to Hirashi!〙
「先輩!私も乗ります!」
「ああ、早く乗れ!」
後輩も乗り込むと、インプレッサは急加速し、現場へと向かっていくのだった。
「あれかぁ。あの光の道の先は。」
光の道はこの光の道の源へと繋がっていたらしい。
ランエボは滑り込むようにその光の源へ飛び込むのだった。
その刹那、目を開けてられないほどの強い光が平志を襲った。
「なんだ……!?」
俺は強すぎる光で思わず目を手で遮る。
その光も次第に収まり、その手をどける。
そして、そこにあったのは………
「ここは……!」
〘ついに、来たな。にしても案外あっさりだったな。〙
「まったくだ。」
そう。俺たちの目の前にあったのはさっきまでとは違う、全く新しい世界だった。
山に囲まれ、アスファルトが敷かれた姿はすっかり消え、ただただ何処までも広がっていそうな広大な草原と押し固められ、整えられた道だった。
「ここなのか?」
〘きっとな。〙
すると、一台のトッポリーノ500が走り抜けていった。
それを運転していたのは幻で見た、あの少女だった。
それをずいぶんと大柄な賊の操るクルマが追いかける。
「……!!」
〘…居たな。〙
「行くぞ!」
ランエボはすぐさま彼女のもとへ向かった。
あの情景は見たことがあった。
あの後、あのクルマによってあのトッポリーノは走行不能にされ、誘拐される。
そこで誰も助けによこさなかった家族に絶望する。
それを俺は知っている。
意味がないと知った賊は少女を殺そうとする。
それを間一髪で逃れ、本国まで戻る。
そこで帰還を望まれなかった彼女は心に大きな傷を負う。
間違いない。
ここで助けなければ!
ランエボは少女の車にピタリと横並びする。
窓を開けると俺は叫んだ。
「おい!アンタ!大丈夫か!」
「だっだれ!?」
「俺は平志!福田平志だ!君を助けに来た!俺の車に乗ってくれ!」
「ランエボ。右リアドアを開けてくれ。」
〘わかった。〙
ランエボはやや加速し、右リアドアを開き、少女に入るように促す。
「飛び乗れ!」
「わっ分かったわ!」
その少女はランエボに飛び移った。
その直後、ドアはランエボによって閉められる。
「よし!あの後ろの奴を振り切るぞ!」
「けど、あれは速すぎてとても……」
「あんな雑魚、俺とランエボにかかれば!」
アクセルを踏み込む。
ランエボは600馬力を前輪に振り分け、全輪駆動の利点を存分に使い、無駄なく加速していく。
それはまるで歩いている人間を走って振り切るように。
ただその性能を存分に振りかざして。
「これなら、振り切れるかも!」
「シートベルトはちゃんとしとけよ……!」




