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3:かっとべ!GC8ォ!

「一気に向かいますよ。」

「ええ。」

「というか村に行っていいんですか?」

「ええ。今回はその村への視察だったんですの。」

「成程。あ。そうそう。このシートベルトを着けておいてください。飛ばされますよ。」

「こうか?」


 4点式シートベルトをものの見事につけていた。


「後ろも。斜め上にある奴を真ん中の細長い道具に刺して。」

「こう?」

「あってる?」


 子どもたちも3点式シートベルトをしっかりと装着していた。


「オーケー。それじゃあ飛ばすよ!」


 アクセルを踏み込み、あっという間に時速100キロに到達する。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

「どういうことですの!?」

「大丈夫。事故りませんよ。けっしてマ〇ナムトル〇ードしませんから。」

「?」


 そんな間ですらインプレッサは猛スピードで突き進んでいく。


『400m.Turn right!』

「コ・ドライバー!?」


 ブレーキをかけ、右へひょいと旋回する。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

「うぎゃああああああ!」

『800m.Turn left!』

「阿鼻叫喚だ。」


 もはやジェットコースターのようである。

 更に左へ旋回し、それでも再び悲鳴が上がる。


「ぜぇ……ぜぇ……。なに……これ………。」


 隣からは疲れ果てたような声が聞こえる。


「お母さま!これ、なんだか楽しいですね!」

「お兄様の言った通り、私も楽しい!」

「それはよかった。」

「私はよくありませんが……」

『Next.700m jump!』

「ん?」


 すると、その直後。ハンドルからの感触が消えた。


「え。飛んだぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


 隣からは悲鳴。後ろからは歓声が聞こえる。

 そして大きな衝撃。


「うおっと。」


 再び悲鳴と歓声。


「おいおいマジか……。」

「1km straight and destination.」

「お。そろそろ到着らしいですよ。」

「え。速すぎないかしら!?」

「もう!?」

「はっやーい!」


 俺はアクセルをゆっくりと離し、ブレーキを踏み、ゆっくりと減速をはじめ、丁度よく村の入り口でインプレッサを止めるのだった。


「それじゃあ降りましょうか。」


 俺はインプレッサのギアをニュートラルの位置へ戻し、サイドブレーキを引くと、インプレッサのドアを開き、3人がゆっくりと出ていく。

 身構えていた村人たちの緊張が一気に溶けていく。


「皆さん。ごきげんよう。」

「お貴族さま!お久しぶりですね!今回はなぜあのようなものに乗ってこられたのですか?」

「賊の襲撃よ。」

「え……?」

「身動きが取れなかったところに彼が通りかかってここまで届けてくれたの。」

「なるほど。そういうことでしたか。」


 子供の母と村人たちはその後も世間話を続けて行った。

 一方その頃。俺はと言うと……


「……ん?」


 ふと燃料計を見る。


「えっと……燃料が1割くらい減ってるんだが……」


 つまり。つまりだ。


「燃料何とか手に入れないといけないってことかよぉぉぉぉぉ!?」


 俺はすぐエンジンを切ったのだった。

コ・ドライバーとはざっくり行ってしまえばWRCのナビを務めている人のことである。

セ〇ラリーの英語で指示してくるあの人がまさにコ・ドライバーである。

ちなみにコ・ドライバーはペースノートという「ここまで行けばここで曲がる」「ここではここに注意」などのメモ書きが書かれているノートを使ってドライバーに指示をしている。

コ・ドライバーには様々な逸話があるが、それは各自調べてみてほしい。

逸話の一つとしてボンネットが開き、前が見えない状態でコ・ドライバーの指示でコースを駆けたとかなんとか。

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