42:技術の差
食いつくのですらやっとなレベルだな。
やはり本職のラリードライバー。伊達じゃない。
ただ、俺だってお前から直々に技術は叩き込まれてる。
食いつくくらいならできる!
2台は未だかつてない速度で全てのコーナーをクリアしていく。
「上手い。この世界の誰よりも。それに、以前より速い!」
面白い。
これは中々に面白いバトルになる!
ただ、何とかくらいついていたインプレッサも一気に離されてしまう場面があった。
「くそっ。コークスクリューか……!」
「こっちは本物のコースを何度も走っているからな。ただゲームで走った程度の相手に負けるわけがないだろう?」
コークスクリューのライン、ブレーキタイミング、ブレーキ時間、アクセル音のタイミング、荷重移動。
これらすべてにおいて敗北していた。
インプレッサがもたついている間にランエボは明らかにぐいぐいと離されていく。
「まだだ。まだいける!」
インプレッサのエンジンは軽やかに吠えあがり、まるでまだまだ諦めてはいなかった。
「インプレッサ。俺はお前に勇気づけられるんだ。お前のエンジン音と走ろうとする意志。それをシートでひしひしと味わって俺も前を向いて走っていられる。」
〘As long as you keep holding the wheel, I won’t give up. That’s why I’ll keep lending you my strength.〙
「勝ち目がなくてもお前と一緒なら立ち向かえる!」
〘No matter if everyone else calls it impossible, I’ll stand by you to the very last moment and never leave your side.〙
〘That’s because…〙
〘For I made that vow when I perished together with you.〙
「行くぞ。インプレッサ。俺たちの力を見せてやろう。」
〘Yes. With pleasure.〙
インプレッサは軽やかな吹け上がりと共に605馬力の力で地面を蹴り上げる。
もう何もかも吹っ切れた!
やる事はただ一つ!
「意地でも食いつく!」
インプレッサは第10コーナーの時点での突っ込みがまるで違う車のように鋭く突っ込む。
「何だ?!一体……何を……!?」
インプレッサの挙動がまるで違う。
さっきまで詰めの甘い突っ込みだったのに!
間違いない。
コークスクリューを抜けた時より明らかに詰まっている!
想定より早すぎる……!
70%の流し走行のつもりだったが、そうもいかないらしい。
ここからは全力で行く!
「ペースアップ!?……負けない……ッ!」
アクセルを踏み込む。
「絶対に食らいつく!」
2台はこれまでとは次元の違うペースでコースを駆け抜けていく。
「絶対に抜かせはしない!リーラ様の為にも。」
2台はまるで放たれた矢のように最終コーナーを立ち上がって加速していく。
「来たわよ!2台が!」
「ですね……!」
貴族ママは達は2台のエンジン音を聞き取るのだった。




