40:2台の決定的な差。
「ところでインプのスペックは320馬力なのか?」
「ちょっと前まではな。燃費が悪かったからタービンをノーマルにな。ガソリンもあるし、丁度いいからタービンを戻して色々な。ノーマルのもついてるぞ?」
「……シーケンシャルだな?」
「よくわかってるじゃなーい。」
「お前はいつからオネェになったんだ?」
「さぁ?知らないわよぉ。」
「キモ。」
グッハァ……心にぶっ刺さるぜ、今の言葉ァ……!
「で?何馬力出てるんだ?」
「(。´・ω・)ん?605。」
「はえ?」
「T88積んで605。」
「ぽえ?」
「だから。605馬力70kgm。」
「( ,,`・ω・´)ンンン?」
「いいだろ!5馬力勝ってるぞ!」
「……ギアでは俺が勝ってるけどな。」
「シーケンシャルな?分かってるわい。だからこっちは7速クロスにしてるんだよ」
「( ,,`・ω・´)ンンン?7速クロス!?」
「うん。7速クロス。」
「お前……5速の純正じゃなかったか……?」
「いや。7速クロスに換装したけど。」
「うっそだろおい。」
「ただシーケンシャルではないぞ?」
ここでこいつらがシーケンシャルシーケンシャルと言っているが、なんのこっちゃかさっぱりな人に解説しよう!
最初に言ってたシーケンシャルはシーケンシャルツインターボのことで、クルマに2つタービンを搭載し、普段は一つのタービンのみだが、2つ目のタービンを特定のタイミングで起動できるようにするものがシーケンシャルツインターボだ!
ちなみにタービンはターボチャージャー本体のことだ。
そして2つ目のシーケンシャルはシーケンシャルミッションのこと。
普通のはHパターンのミッションなんだが、このシーケンシャルは違ってゲーセンの頭〇字〇のギア上げとギア落としのあれみたいなミッションがついてる。
これの何がいいかと言えば普通は一旦クラッチを切ってエンジンの出力を切ってギアを変え、繋ぐ必要がある。
クラッチを切った間の入力はなくなるから一瞬だけ失速する。
ただ、シーケンシャルミッションは違う。
そのロスが限りなくゼロに近い。
アクセルを踏んだままギアを変える。つまり、クラッチペダルそのものが無いのだ。
インプレッサがギアを変えるのにもたついている間にロスなくギアを上げてランエボは追い上げられるということだ。
駆動ロスが限りなく低いのがこのランエボなのだ。
そして、インプレッサに積んであるのはクロスミッション。
クロスミッションはラリー競技でも用いられるミッションだ。
各ギアのカバー範囲が狭く、すぐギアを上げることとなるミッションだ。
つまり、失速しやすくなる。
これをシーケンシャル化させれば完璧だが、プレアデスはシーケンシャルミッションではなく普通のHパターンミッションに拘っているのだ。
クルマを操作してるって感じが好きなんだとか。
ちなみにこれの何がいいかと言えば常にエンジンのパワーが出る領域を常に抑えられるということだ。
このパワーがもっとも出る領域のことをパワーバンドという。
これによってインプレッサは常に最高出力を出し続けていられるのだ。
ただ、ギアのカバー範囲を狭くするということは最高速は伸びなくなってしまう。
このためプレアデスは純正の5速から2速増やし、最高速を純正以上まで引き上げている。
「つまり、伸びは俺の方が良いってことか。」
「それはどうかな?」
「と。いうと?」
「言わねぇよ。”とっておき”だからな!」
「とっておき?」
「だから言わねえよ。それじゃあさっさと始めるか。」
「そうだな。」
こりゃあ何か警戒しとくか。
そうして二人はそれぞれの車に乗り込むのだった。




