31:厄介事って一回関わるとずるずるついてくるよね。一回車沼に入ったら抜け出せない、チューニングから抜け出せないみたいな。
俺たちは後ろから追いかけてくる賊をちょっとした山道を全速力でかっ飛ばしていた。
「それで?とりあえず助けたけどさ。なにがあったん?おじさんに話してみな。」
そうそう。誰も気にしていなかったけど、俺。
1999年に専門学校4年生の時にインプレッサを新車購入したからさ、33のおっさんなのよ。俺。
「賊に襲われたのよ。」
「良いのですか?そのことを話して。まだ彼らが賊という可能性もありますが。」
「……たく。また賊かぁ……!」
プレアデスはため息を吐き出すように言った。
貴族ママと出会ったきっかけもまた賊なのだ。
「また?貴方は……」
「プレアデスだ。」
「プレアデスさんは似たようなことを見たことあるのかしら。」
「ああ。あるな。賊に襲われた馬車があってな。護衛が撃退はしたんだろうが、中に居た貴族が守ろうとした騎士がもたれかかるように死んでたもんだから邪魔で出られなかったことがあった。」
「そうなの?」
「それを救出したのが俺だ。」
「プレーン、それって……」
「( ,,`・ω・´)ンンン?プレーン!?」
「まぁいいじゃない。それで?」
「ああ。貴族ママだな。」
「そういえばそうだったわね。」
「……プレアデスさん。その賊の服装ってわかりますか?」
「ええ?確か……」
あいつらは……忍者みたいになんかフードをかぶってたような……?
武器は確か刃渡り80cm位の比較的短めの剣を持っていたか?
「プレアデスさん?」
「ああ。確か黒基調の服で顔まで隠されているような服に刃渡り80センチ位の剣を持ってた気がするぞ。」
「それって……!」
「ええ。間違いありません姫様!」
(。´・ω・)ん?
姫様?
……聞かなかったことにしておこう。
そうだ。そうしよう。
それがwin-winでしょう。
声しか聞こえてないから正直容姿は分からんけども。
「あら、やっぱりあなた一国の王女なのね。」
「……ええ。」
「地理的に考えるとラズヴィーチャの王族かしら?」
「ええ。私の名前はリーラ・ドライ・プリンツェッシン・フォン・ラズヴィーチャです。」
「……第3王女?」
「は!?」
「分かるんですか?」
プレアデスが放った言葉に二人の少女はまるで想定外とでも言わんばかりに驚いた。
「何でわかったんですか?」
「ドライ・プリンツェッシンってドイツ語で3と王女って意味だろ?そう考えると第3王女ってなる。」
「ドイツ語?」
「そういう言語。気にしなくていい。」
「そうなんですね。」
バックミラーをふと覗く。
そこにはすでに追いかけていた車はすっかり消えていた。
「お。撒けたっぽいぞ。」
「え?」
後部座席の二人は後ろを振り向いてその事実を確認する。
「本当だ……!」
「すごい……!」
そりゃあ一時期ラリーしてたし。
WRCドライバーから走り方も学んだし。
なぜか一回だけレースに出る羽目になったし。
……そんなこんなでラズヴィーチャ連邦にも近づいてきたかな。
「ほら、見えてきたぞ?」
「あれだけ逃げていたのに……!?」
「逃げながら来てたんだよ。」
プレオはゆっくりとその国へ向かっていく。
「にしてもこの人たち、なんかずっとついて来そうだなぁ……」
勘だけど、この賊騒ぎが終わるくらいまで。




