30:なんで貴族とよく出会うんだろうなぁ……
プレオは特に路面のギャップを特に拾うことなくスイスイと進んでいた。
「結構舗装されてるな。旧式のサスが使えるように舗装してるんかな?」
「( ˘ω˘)スヤァ」
たわしちゃんは爆睡していた。
「暢気に寝てんなぁ……」
プレオはのんびりと、ラズヴィーチャ連邦国へ向かっていた。
「早く逃げないと……!捕まったら死んじゃう…!」
「姫様、焦らず、急いで、正確にですよ!」
「……ええ!」
私の名前はラズヴィーチャ連邦王国の第3王女、リーラ。
私は今、命を狙われている。
事の発端は国の視察の為に自動車でその領地に向かっている最中に賊に襲われ、余程の手練れだったのかあっという間に壊滅してしまった。
「姫様、申し訳ございません。私が車を運転できればよかったのですが……」
「仕方ないわ。今ハンドルを握っているのは私だし、私の為にいつも尽くしてくれている。今日くらいは貴女に頼らずに……ね?」
「……分かりました。私、シルトは姫様を完全に信頼し、姫様に直接被害を与えられることを阻止することを約束します。」
シルトは剣を引き抜き、飛んでくる矢を叩き落とす。
「シルト、さらに加速するよ!」
「分かりました。後ろはお任せください。」
リーラはアクセルを踏み込むと、ベンツ・SSKがさらに加速するのだった。
「ふわぁ……」
プレアデスは大あくびをしていた。
非常に眠い。
ただ、その眠気は後ろから聞こえてくる走行音でかき消された。
「この音は……!?」
「どうしたの?」
たわしちゃんもどうやら起きたようだ。
そんなたわしちゃんが眠い目擦っていると、高速で美女二人の乗ったベンツSSKが通り過ぎ、その後に何やら怪しい車が通り過ぎて行った。
「追撃するぞ!」
プレアデスはダッシュボードのスイッチを押す。
その後にサスペンションのダンパーを調整し、高速走行に耐えられるように調整する。
「追撃開始だ!」
ウエストゲートの抜けた音を轟かせながらプレオは加速していく。
「お嬢様、先ほど追い抜いた車が追い上げてきます!」
「嘘。だって、今私はかなり飛ばしているのよ!?あれほどゆっくり走っていた車が加速してすぐ追いつけるようなものでは……!」
今度は火矢が飛んでくる。
「お嬢様を死なせはしない!」
シルトが火矢を叩き落とす。
しかし、空高く舞い上がり、太陽に隠れていた矢には気づけず、ボンネットに深々と突き刺さる。
「鉄板を突き破った!?」
SSKのエンジン出力が少しずつ落ちて行く。
「ここまでなの……?」
頭が真っ白になる。
もう、本当にどうしようもないの?
ここで死んじゃうの?
……ごめんね。平志。
「お嬢様!お嬢様!隣を!」
「え?」
隣からエンジン音。
左を振り向くと、先ほどの車が私たちに横付けしていた。
「本当に……!?」
「急いで!早く乗って!」
助手席の少女が後ろを指さして呼びかけていた。
「シルト、先に行きなさい。」
「分かりました。」
シルトはプレオの後ろのドアを開き、中に飛び込んだ。
「プレアデス!失速するよ!」
「もちろん。分かってる。」
私も青い車に飛び移った。
落ちそうになりかけたところをシルトに手を掴まれ、引っ張られ、何とか乗り込んだ。
「一気に突き放すぞ!」
プレオはさらに加速し、追いかけてきた車を振り切りにかかるのだった。
ウエストゲートはターボ車についてます。
すごく簡単に言うなら、ターボは排気ガスが流れる管の中に風車のようなものを繋ぎ、そのはする魔の反対側には吸気側にも風車がついています。
この風車はエンジンに空気を取り込もうとすごい勢いで空気を取り込んでいます。
ただ、排気管のすべての排気ガスでタービンを回すと壊れるので、一定の排気ガスを逃がしてやろう!っていうのが確かウエストゲートだったはずです。




