28:世の中クルマをゴリゴリに改造している奴は足車を持ってるんだよね。
いつもの倉庫に帰ってきたのはいいんだが。
「・・・なんでこれがあるんだよ。」
「何これ。」
「プレオRSだな。」
「へぇ。で、何であるのかは知ってるの?」
「知らね。ってかこのナンバー……俺の足車だわ。」
「足車?」
「移動用の車。」
「あぁ……」
プレオあるならすぐ隣国まで行けそう。
「ただ、このプレオ。一応メンテはしておいた方がいいとは思う。」
「やっぱり?」
「ああ。車だって道具なんだ。何処か消耗する。何もしていなくてもな。」
「動かすのと動かさないの。どっちがいいの?アンタからすると。」
「限界を超えないのであれば動かした方が機械にとってはいいだろうな。」
そう呟きながら俺はオイルレベルゲージを引っこ抜く。
「うーん……結構黒くなり始めてるな。そろそろ換えた方がいいかもしれん。念のため他も見ておくか。」
ミッションオイルゲージも引っこ抜くと、これはまだ大丈夫そうだった。
「エンジンオイルだけ変えるか。」
俺はプレオをジャッキアップすると、ウマに載せた。
「狭いわね。本当に変えられるの?」
「換えれる換えれる。」
さてさて。ついにあれを使う時が出てきたぞぉ~!
プレアデスはウキウキで奥から板を取り出してきた。
「何?その板。」
「これはな。寝板って言うんだ。車の下に潜り込んで整備するときに使うもんだ。」
エンジンの下にトレイを置き、メガネレンチでドレンプラグを緩め、手でも回せるようになると素手で外す。
ドレンプラグが取れると勢いよくエンジンオイルが出てくる。
「よし。ひとまずこのまま放置ってとこだな。」
「そう。それじゃあ何か飲めばいいんじゃない?」
「そうだな。ただ、その前に手を洗ってくるよ。」
抜いたエンジンオイルを固めて燃やさねぇとなぁ……
凝固剤も自作しないといけねぇかなぁ?
「はい。氷魔法でキンキンに冷やしたコーラよ。」
「コーラ?作り方なんて教えたか?」
「あの呪いの世界、偶に異世界から本が転がり込んでくるのよ。」
「へぇ……?」
「そこでコーラっていう飲み物があることを知ってね?調べて自分で作れるようになったのよ。」
「成程な。それじゃあ、いただきまーす。」
まさか異世界で炭酸が飲めるとは思わなかったぜ〜!
「ぷっはーッ!全身に染み渡るぅ~!」
「美味しいわよね。ただ、エネルギー量がすごいのよね。」
「そうそう。カロリーお化けだな。ガブガブ飲んでたらぶくぶく太って糖尿病まっしぐらだからな。」
「そうなのよねぇ……」
「にしてもよく知ってるよな。そういう知識。」
「ちょっとした医学の本も流れてくるのよ。」
「へぇ~」
たわしちゃんと雑談を交わし終えると、新しいドレンプラグを取り付けてエンジンオイルを適正量入れた。
ちなみに自分でエンジンオイルを交換する時は元々ついてたドレンプラグは使うなよ!?
オイル漏れするから。
「よし。これでいいはず。」
「それじゃあ、前王様の言ってた冒険者登録をしに行くかぁ。」
「そうね。いってらっしゃい。」
……ん?
レベルゲージはエンジンについてる物で、エンジンオイルの状態や量を把握するもの。
ちなみにエンジンルーム除いてみて。黄色い輪っかあるでしょ?それがレベルゲージ。
引っこ抜いてキッチンペーパーに拭いてちょっと粉がつくならエンジンオイルを交換した方がいい。」
黄色、もしくは赤褐色が正常。
ドレンプラグはオイルパンについていて、下の方にあるから見つけやすい。
ただし、エンジンオイル交換しないのに外さないこと!




